応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
82 巻, 9 号
『応用物理』 第82巻 第9号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
今月のトピックス
巻頭言
企画の意図
総合報告
  • 上田 正仁
    2013 年 82 巻 9 号 p. 744-753
    発行日: 2013/09/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    1980年代に始まった量子物理学におけるパラダイムシフトは,光と固体素子の最先端技術の融合を通して,量子情報関連分野を生みだした.それと同時並行的に進展した,原子をレーザー冷却して捕獲・制御する技術の進展は,気体のボース・アインシュタイン凝縮生成の成功によってマクロ量子多体系を自在に制御することを可能にし,いくつもの画期的な成果を生みだした.さらに最近では,量子多体系を1原子のレベルで観測・制御する実験技術が開発され,また,少数多体系を精密に制御する研究も進展している.本記事では,冷却原子気体の最近の話題と,それに関連した研究の一端を紹介する.

解説
最近の展望
  • 金本 理奈
    2013 年 82 巻 9 号 p. 760-763
    発行日: 2013/09/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    オプトメカニクスは,電磁波と機械振動子の相互作用を利用した,光とメカニクス制御の新興融合分野である.この相互作用により機械振動を完全に凍結させたり,電磁波との間で状態転送を行ったり,振動子の変位を量子限界で測定したりすることが可能となる.共振器電磁力学の分野で開発された高Q値共振器や,2準位系と電磁波の強結合領域の知見,また一方ではナノ材料の生成技術の向上により,オプトメカニクス研究において,幅広いサイズスケールの機械振動子の量子領域を探求できるところにたどりついた.本稿ではこれまでの研究状況の一部を紹介する.

  • 野村 政宏
    2013 年 82 巻 9 号 p. 764-768
    発行日: 2013/09/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    量子情報科学分野の発展にとって,量子操作が可能な,小型でスケーラブルな固体系の開発は重要である.しかし,原子系とは異なり,固体であるがゆえに量子系の天敵である熱から孤立した状態を確保することは非常に困難である.近年,極低温技術とナノ加工技術の進歩によって,新たな固体量子システムの候補として機械振動子を利用する研究が進展し,量子力学的イメージからは程遠いメソスケールの物体の振動を量子力学的基底状態にまで光で冷却することが可能になってきた.本稿では,フォトニック結晶ナノ共振器を利用したレーザー冷却法を取り上げ,その物理と展望について紹介する.

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