応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
87 巻 , 4 号
『応用物理』 第87巻 第4号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
Science As Art
会長メッセージ
今月のトピックス
今月号の概要
総合報告
  • 水落 憲和
    2018 年 87 巻 4 号 p. 251-261
    発行日: 2018/04/10
    公開日: 2019/09/26
    ジャーナル 認証あり

    ダイヤモンド中の窒素‐空孔(NV)中心は,その単一スピンの観測が実現して以来,量子センサや量子情報処理に関する多くの重要な研究が行われ,注目される.ダイヤモンド合成技術の発展などにより,NV中心の電子スピンは,室温下でもコヒーレンスをミリ秒以上保持するようになり,センサの観点では高感度化がもたらされた.単一系に加え集団系でも,NV中心は磁場,電場,温度,圧力などの高感度センサとして幅広い分野での応用が期待される.また,量子情報素子としても魅力的である.核スピン,光子,超伝導量子ビットなどさまざまな量子系との量子ハイブリッド化によるセンサ感度向上や,量子情報素子における多量子ビット化などの特性向上の面でも注目される.

最近の展望
  • 森 貴洋
    2018 年 87 巻 4 号 p. 262-266
    発行日: 2018/04/10
    公開日: 2019/09/26
    ジャーナル 認証あり

    半導体集積回路の低消費電力化を実現するためのMOSFET代替素子として,トンネルFET (TFET) が注目されている.実用化に向けての課題はオン電流の確保にある.高いトンネル確率を実現できる新材料チャネルを用いる方法を中心に研究が進んでいるが,近年,Siチャネルにおいてトンネル確率を増大させるために等電子トラップ技術の利用が提案された.本稿では,TFETの研究動向を概観し,Siチャネルでの実用性能を実現する可能性を開いた等電子トラップ技術について最近の研究成果を紹介する.

  • 田村 宏之
    2018 年 87 巻 4 号 p. 267-271
    発行日: 2018/04/10
    公開日: 2019/09/26
    ジャーナル 認証あり

    本稿では,有機薄膜太陽電池(OSC)の光電変換機構に関する最近の理論研究について解説する.OSCでは,光吸収によって励起子が生成し,ドナー‐アクセプタ界面で電荷分離して,フリーな電子と正孔が電極へ輸送されることで光エネルギーが電気エネルギーに変換される.有機材料は誘電率が小さく電子‐正孔間クーロン相互作用が強いため,電子・正孔対がドナー‐アクセプタ界面にトラップされやすい(CT状態).このため,「どのようにクーロン障壁を越えてフリー電荷が生成するのか」が盛んに議論されている.筆者らは,量子化学計算と量子ダイナミクス計算を用いてフリー電荷の生成過程を理論解析している.超高速のフリー電荷生成を説明する描像として,CT状態が熱平衡へ緩和する前に電子と正孔が解離するホットCT機構が有力であり,界面での電荷再結合を抑制し内部量子効率を高めるために重要と考えられる.

研究紹介
  • 細貝 拓也
    2018 年 87 巻 4 号 p. 272-276
    発行日: 2018/04/10
    公開日: 2019/09/26
    ジャーナル 認証あり

    室温励起による3重項→1重項アップコンバージョン†1蛍光発光を実現する熱活性化遅延蛍光(TADF)材料に多くの関心が集まっている.TADFの放出過程は半世紀以上前にボルツマン分布に従う3準位モデルとして確立されていたが,近年の研究によって分子の励起状態ダイナミクスを考慮したより複雑なモデルへと移ろうとしている.本稿では,TADF材料とそのデバイス応用について概説したあと,TADFの基本的な考え方とその問題点,そして筆者らの過渡吸収分光法を用いた最近の研究成果を紹介する.

  • 藤田 和久, 霜田 政美
    2018 年 87 巻 4 号 p. 277-281
    発行日: 2018/04/10
    公開日: 2019/09/26
    ジャーナル 認証あり

    応用物理学の重要成果の1つである発光ダイオード(LED)は,照明をはじめ多くの分野で利用されている.本稿ではその利用例として,農業分野を中心とした光による昆虫の行動制御とその応用について紹介する.虫に光を当てると,誘引されたり,遠ざかったり,行動が抑制されたり,ダメージを受けたりなど,9種類もの応答がある.高輝度で使いやすく幅広い波長選択が可能なLEDの出現により,これら光応答を利用した害虫防除技術が進展してきている.生物多様性の確保や低環境負荷に向かう農業にとって重要となる光防除の現状について,LED光源を用いた例を中心に述べ,応用物理学の価値が応用昆虫学の分野の価値に連鎖していることに触れる.

  • 青野 祐美
    2018 年 87 巻 4 号 p. 282-286
    発行日: 2018/04/10
    公開日: 2019/09/26
    ジャーナル 認証あり

    アモルファス窒化炭素(a-CNx)薄膜は,高硬度,低摩擦係数がよく知られるところであるが,作製方法や条件で物性値が大きく異なるという特徴を有している.電気的には半導体から絶縁体まで,光学バンドギャップは0から3eVを超える値まで報告があり,多彩な特性を見せる.本稿では,最近,反応性高周波マグネトロンスパッタ法で作製したa-CNx薄膜において見つかった,可視光をダイレクトに力学的エネルギーに変換する光誘起変形について紹介する.

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