応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
88 巻, 11 号
『応用物理』 第88巻 第11号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
Science As Art
今月のトピックス
今月号の概要
最近の展望
  • 松田 巌
    2019 年88 巻11 号 p. 716-719
    発行日: 2019/11/10
    公開日: 2019/11/10
    ジャーナル フリー

    物質や材料の物性は化学状態も含めて電子によって支配されているので,動的現象を理解するためにその時間変化をリアルタイムで追跡することは重要です.光電子分光法とは試料の電子状態や化学状態を直接調べる(プローブする)ことができる実験手法であり,その時分割測定を行うことで時間変化を調べることができます.本稿では軟X線光源として放射光と高次高調波レーザーを用いた時間分解光電子分光法の測定原理を説明するとともに,SiC基板上グラフェン層を対象にフェムト秒(10-15秒)からナノ秒(10-9秒)スケールでのキャリヤダイナミクスの研究例を紹介します.

  • 荒牧 晋司
    2019 年88 巻11 号 p. 720-724
    発行日: 2019/11/10
    公開日: 2019/11/10
    ジャーナル フリー

    近年,性能向上の著しい有機系太陽電池は,その特徴を生かした実用化検討が進められているが,中でも屋内光での発電によるエネルギーハーベスティング用途は,近年のIoTの進展に伴い注目されている.そのため,JEITAの有機太陽電池標準化グループは有機系太陽電池を主な対象とした屋内光での太陽電池の評価方法の標準化に取り組み,IEC 60904規格を参考に,JEITA ET-9101を策定した.その規格では,3種類の基準屋内光を規定し,それを用いた太陽電池の効率評価ができるような手法が記載されている.その規格をさらに国際標準に展開する活動を進めている.

研究紹介
  • 柏木 隆成, 門脇 和男
    2019 年88 巻11 号 p. 725-729
    発行日: 2019/11/10
    公開日: 2019/11/10
    ジャーナル フリー

    2007年,銅酸化物高温超伝導体Bi2Sr2CaCu2O8+δ(Bi2212)単結晶を用いて,テラヘルツ(THz)帯の電磁波放射が報告された.以降その成果の発展研究が,国内外の研究機関で精力的に行われている.現在までに,0.3〜11THz程度までの発振周波数,0.6mW程度の発振出力,数十〜数百MHz程度の発振線幅,偏波面の制御などの発振特性が得られている.さらに非破壊イメージングや分光計測などの応用にも,同発振素子が利用可能であることも示された.本稿では,この高温超伝導体テラヘルツ波発振器の原理やその発展について述べ,最近の成果を基に発振器の今後の展望について紹介する.

  • 超小型コンプトンカメラの挑戦
    片岡 淳
    2019 年88 巻11 号 p. 730-734
    発行日: 2019/11/10
    公開日: 2019/11/10
    ジャーナル フリー

    レントゲンやCTに代表されるX線診断は2次元モノクロ画像を基本とし,色に相当するエネルギー情報をもたない.核医学診断ではSPECTやPETが用いられるが,近年,先端医療の現場でもガンマ線イメージングの要請が急速に高まりつつある.例えば,陽子線治療やアルファ線内用療法は,いずれも体内で生ずる核反応の可視化が急務の課題である.同じ核反応は高エネルギー宇宙線と星間物質の相互作用でも生成され,MeVガンマ線天文学の主要なテーマとなりうる.本稿では宇宙と医療をつなぐ新しい懸け橋として,コンプトンカメラを用いたガンマ線イメージングの最前線と今後の展望を紹介する.

  • 綿打 敏司
    2019 年88 巻11 号 p. 735-739
    発行日: 2019/11/10
    公開日: 2019/11/10
    ジャーナル フリー

    赤外線集中加熱浮遊帯溶融(IR-FZ)法は坩堝(るつぼ)不要のバルク結晶育成法の1つである.坩堝材の消耗や結晶中への混入を懸念する必要がない点では優れているが,育成中に原料と育成結晶の間の中空に形成する溶融帯が不安定になりやすい.そのため,溶融帯の安定保持には習熟が必要である.育成可能な結晶径も,せいぜい6〜15mm程度と小さかったことも大きな欠点である.しかし,赤外線集中加熱法に小さな工夫を加えることで溶融帯が安定化され,物質によってはインチレベルの口径を有する結晶まで育成可能となってきた.本稿では,育成結晶の大口径化に有効な赤外線集中加熱法を紹介する.

  • 荒川 元孝, 金井 浩
    2019 年88 巻11 号 p. 740-743
    発行日: 2019/11/10
    公開日: 2019/11/10
    ジャーナル フリー

    動脈硬化症の早期段階では血管内皮機能に障害が現れる.この段階では病変は可逆的であることから,動脈硬化症の極早期段階での診断法の開発が期待される.この開発を目指し,我々は血圧と血管径変化の計測による血管壁の粘弾性特性の評価を行ってきた.本稿では,血圧と血管径を同位置で同時に計測するために開発した超音波プローブと,そのプローブを用いて計測した橈骨(とうこつ)動脈における血圧と血管径の間のヒステリシス特性について紹介する.

基礎講座
技術ノート
研究の現場から
功労会員の随想
書評
feedback
Top