応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
95 巻, 3 号
『応用物理』 第95巻 第3号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
総合報告
  • 松山 成男
    2026 年95 巻3 号 p. 127-138
    発行日: 2026/03/01
    公開日: 2026/03/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

    静電加速器は,あらゆる粒子を加速可能であること,エネルギーの広がりが極めて低いこと,粒子のエネルギーや強度を迅速に変えられる,という特徴は,加速器質量分析(Accelerator Mass Spectroscopy: AMS)をはじめとし,イオンビーム分析,高エネルギー注入において重要な役割を担ってきている.特に,電圧安定性と高ビーム強度という特性により可能となるマイクロビームやナノビームを用いた,イオンビーム分析,イオン注入,デバイス評価の研究は,今後さらに発展していくと考えられる.本編では,前半部に加速の仕組みと,高電圧を得るための電源の仕組みを述べ,高エネルギー化に向けての全体的なことを述べ,後半では,高電圧化への壁となった加速管について,いかに壁を乗り越えたかについて解説し,加速管以外の構成要素について解説する.

解説
  • 竹谷 純一
    2026 年95 巻3 号 p. 139-144
    発行日: 2026/03/01
    公開日: 2026/03/01
    ジャーナル 認証あり

    使用後の電子機器から生じる廃棄物(E-waste)の世界的な増加に伴い,エレクトロニクス部品の環境に配慮した適切な廃棄方法について,社会的な議論となっている.E-waste問題を根本的に解決する方法として,すべての部品が,安全かつ環境負荷の小さい廃棄が可能なように設計された,環境配慮型エレクトロニクスが注目され始めている.本研究では,印刷されたp型およびn型有機半導体の単結晶薄膜,グラファイト系炭素電極/配線,および高分子誘電体/基板から構成され,金属廃棄物を生まない,オールカーボン相補型集積回路を実現した.オールカーボン相補型集積回路は,燃えるゴミとして処理され,デバイスの廃棄の環境影響がミニマムとなる.

  • 篠原 真毅
    2026 年95 巻3 号 p. 145-151
    発行日: 2026/03/01
    公開日: 2026/03/01
    ジャーナル フリー

    無線電力伝送はワイヤレス給電とも呼ばれ,近年研究の発展とともに実用化が広がっている技術である.大きく磁界もしくは電界を用いた「結合型」ワイヤレス給電と,電波を用いた「空間伝送型」もしくは「非結合型」に分類することができる.基盤原理は共にマクスウェル方程式であり,広義の意味では同じ技術と言えるが,実用の観点で上記2種類に分類される.さらに放送/通信技術やリモートセンシングも同じ電磁界/電波を用いているために基盤原理は同じであるが,ワイヤレス給電は電力伝送であるために「効率」を特に重視する点が他の通信技術などとは少し異なっている.本稿では主に空間伝送型ワイヤレス給電の基盤原理を解説するとともに近年の実用化の現状と応用展望について解説する.

研究紹介
  • 岡本 裕巳, 山西 絢介, マーク サッドグローブ
    2026 年95 巻3 号 p. 152-156
    発行日: 2026/03/01
    公開日: 2026/03/01
    ジャーナル フリー

    キラルとは,物体や現象が,その鏡像と重ならない構造的な特徴をいう.物質のキラリティが起源となってさまざまな性質が現れる.光においても,円偏光はキラルな構造を持った電磁波で,キラルな物質と相互作用して特徴的な挙動を示す.ここでは円偏光がキラルな物質に及ぼす力(光圧)の特性,またそれによるイメージングに関する研究について紹介する.

  • 材料物性とデバイス可能性
    木村 崇, 飯森 陸
    2026 年95 巻3 号 p. 157-161
    発行日: 2026/03/01
    公開日: 2026/03/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

    2次元材料は次世代エレクトロニクスの中核候補として精力的に研究が進む中,室温で安定な強磁性を示す層状物質の報告により,スピントロニクス・デバイスへの新展開が現実味を帯びてきた.本稿では,室温で強い垂直磁気異方性を有する2次元層状強磁性体Fe3GaTe2を対象に,磁気特性・電気伝導特性・熱電特性を概観し,同物質が巨大な異常ネルンスト角を有することを示す.さらに,層状物質に特有のファンデルワールスギャップに着目し,圧力・ひずみによる層間距離の変調が,磁気異方性や異常横方向伝導を能動的に制御しうることを明らかにする.一連の研究は,室温2次元強磁性体を核とした低消費電力・不揮発スピンデバイスの可能性を示すものと期待される.

基礎講座
  • ―シリコン量子コンピュータ―
    森 貴洋
    2026 年95 巻3 号 p. 162-167
    発行日: 2026/03/01
    公開日: 2026/03/01
    ジャーナル 認証あり

    一時期は実現不可能とまで言われていた量子コンピュータを,人類は手中に納めつつある.プロトタイプ機が次々に登場する中,利用可能な量子ビット数を大規模化することが喫緊の課題である.複数ある量子コンピュータのハードウェア候補の中で,高度な微細加工技術を背景に持つシリコン量子コンピュータは,大規模集積性の観点から期待が高い.本稿はシリコン量子コンピュータの基本素子であるシリコンスピン量子ビットについて基礎的事項を述べることを中心とし,量子コンピュータに期待される応用についても触れる.

  • シリーズ「機械学習・AI×応用物理」
    『応用物理』編集委員会
    2026 年95 巻3 号 p. 168
    発行日: 2026/03/01
    公開日: 2026/03/01
    ジャーナル 認証あり
Coffee Break
委員会だより
編集後記
feedback
Top