Diracによる磁気単極子の存在の可能性の指摘以来,その探索が多くの人々によってなされてきた.ところが,最近の素粒子理論はその存在の可能性を再確認すると共に,その質量は~1016GeVにも達する.ことを予言している.このことは,これまで磁気単極子検出のためにとられてきた方法の大部分が無意味であったことを意味している.現在,磁気単極子の検出はこのような素粒子理論の正しさを確認するのみならず,天体物理学におけるBig Bang理論の検証ともなる.そのため,新たな方法による磁気単極子探索実験が積極的に行なわれつつある.この解説では,新たに考えられている磁気単極子と物質との相互作用について説明ずると共に,それに基づく新しい検出法と現在までに得られた結果について述べる.
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