すべては手中にある,と人々に思われている半導体の制御技術の中で,いまだに基本的な問題さえ解決されていないと思われるのは,格子欠陥の制御である.放射線場で使用される半導体はもとより、通常の場所で幾用ずるものでさえ,格子欠陥の問題は半導体関係者の頭を悩ませ続げている、化合物半導体の格子欠陥は大変複雑であるが,ここではその中の比較的簡単なものを表にまとめてみた.また,放射線の種類やエネルギーが異なれば,発生する欠陥の種類や,その分布も異なり,照射効果にも影響が現われることを示す.最後に,電子・正孔の再結合が引き金となって,欠陥の活性化が増速され,欠陥の種類が転換する機子について述べる.
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