GaAs結晶の半絶縁牲化を実現させている深い準位EL2を評価することを目的とし,深い準位のフォトルミネッセンス (PL) は多くの研究者によって調べられてきた.しかし,互いに矛盾する結果が報告され, EL2の発光のメカニズムは不明であった.本稿では,従来の研究成果を概説した後, EL2の発光機構を解明する決め手となったPL励起スペクトルの測定結果を紹介する.そして, EL2の発光は,伝導帯-EL2間およびEL2-価電子帯間の二つの発光再結合からなる,という単純なモヂルにより,ほとんどすべての実験事実が矛盾なく説明されることを示す,これは,従來まちまちであったPL法,光吸収法,光容量分光法などによる光学的評価結果の統一的理解を可能にするものである.
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