ナローギャップII-VI族化合物半導体のなかで,CdHgTeは光電子ヂバイスへの応用の観点から, Si, GaAsに次ぐ有望な箏導体と考えられており,現在,赤外線センサー・デバイス材料として重要な役割を果たしている.本稿では,最近の新しい知見をもとに, CdHgTeとその周辺材料の基礎物性と薄膜作製法の研究について,現状と問題点を解説する.特に,二次元アレイセンサーの作製技術として,有機金属気相法 (MOCVD) と分子線エピタキシャル法 (MBE) の有効性,および,今後の課題を明らかにする.また, CdHgTeより優れた特性をもつZnHgTeと, CdTe-HgTe超格子構造に現れる量子効果を利用した新機能性電子デバイスにつしても触れる.
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