光ファイバー伝送はすでに実用期に入り,大容量の400Mbita/sといった光ケーブルが幹線系に導入されている.また,近い将来,音声から画像へといった情報の質的変換から,伝送する情報量が飛躍的に増大し,数Gbits/s以上の大容量伝送システムの必要性が高まってくると考えられる.光ファイバーは,屈折率に有限の波長分散をもつため,光源のあるいは信号自身のスペクトル広がりによって伝送帯域が制限される.一方,光源として用いる半導体レーザーでは,共振器の屈折率変動に起因した時間的な波長の変動(動的波長シフトあるいは波長チャーピングと呼ばれる)が生じ,それが伝送帯域を制限する要因となっており,これを解決する技術が種々試みられている.
本稿では,半導体レーザの動的波長変動とそれを避けるための外部変調方式も含めた技術について解説する.
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