共振器を用いて真空場(量子力学的零点振動揺らぎ)を制御し,その結果として,原子の自然放出を抑圧したり,逆に強調する実験が行われている.この原理を用いて, GaAs量子井戸からのエギシトン発光を,半波長共振器中で〓倍に抑圧し,一波長共振器で130倍に増強することができた.また,通常は等方的な放射パターンを一方向に集中させることもでき,自然放出光の共振器モードへの結合効率,いわゆる半導体レーザーにおける自然放出光係数βを大きくすることが可能となった.これにより,面発光レーザーのしきい値電流は,将来, 1μA以下に減少させられること,その出力光振幅雑音はショット雑音レベル以下に抑圧される(スクイージング)ことが予想される.
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