1992年9月に行われた,スペースシャトルエンデバー号によるスペースラブ-J実験の結果を報告する.SL-Jミッションでは,日本側実験34テーマ,アメリカ側実験9テーマ,計43テーマの実験が行われた.このうち日本側の実験は,第1次材料実験 (FMPT) と呼ばれ準備が進められてきたが,これには実験の直前“ふわっと'92”というニックネームがつけられている.本解説では,まず微小重力という場の持つ意味について述べ,それが研究にどのようなメリットを与えるかを考察する.次に,微小重力実験が今までどのような新しい情報をもたらしてきたかを半導体の結晶成長を例にとり説明する.その後,ふわっと'92で行われた半導体の結晶成長,アモルファス材料の作製,流体実験,ガラス材料のプロセッシング,金属微粒子の作製などをとり上げ,今まで報告されている結果を速報的に紹介する.
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