Au (001) 面上に Wedge (くさび)状の膜厚分布を持つFe超薄膜を超高真空蒸着装置により成長させ,その磁気光学効果を詳細に測定した.その結果, 3.5~4,5 eVの磁気光学Kerrスペクトル上に, Bulk状のFeにはない新しいピークが現われ,それがFeの膜厚の増加とともに高エネルギー側へ移動することを見いだした.さらに,観測エネルギーを一定にしてFe膜厚依存性を測定した結果,磁気光学効果がFeの膜厚に対して振動的に変化することがわかった.こうした挙動は, Fe (001) 超薄膜の
Δ1バンドに量子井戸準位が生成され,それを終状態とする新しい磁気光学遷移が誘起されたと考えることにより,よく説明される.
抄録全体を表示