応用物理
Online ISSN : 2188-2290
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63 巻, 8 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 川久保 達之
    1994 年 63 巻 8 号 p. 753
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
  • 太田 時男
    1994 年 63 巻 8 号 p. 755-761
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    人類のエネルギー利用は年間,ほぼ400×1018Jであり,その90% は化石燃料に頼る.また,その燃焼によって排出される炭酸ガスは毎年200億t以上にのぼり,その温室効果による大気温上昇は21世紀中に地球環境を破滅的にする.また,石油,天然ガス,ウラン資源のうちリサイクルエネルギーを価格で圧倒レうるものは2060年前後に枯渇する.こうした事態を分析し,将来へ向けた重要な技術の現状とその将来へ向けた展望を行った.その第1は省エネルギー,第2は炭酸ガス固定化,第3はエントロピー極小現象を複合的に組み込んだエネルギー有効利用,第4はリサイクルエネルギー利用システムである.
  • 山崎 邦彦
    1994 年 63 巻 8 号 p. 762-769
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    地球的規模で対応が必要なエネルギー・環境問題に対し,技術的ブレークスルーによる解決を目指すため,通産省工業技術院はこれまで実施してきたエネルギー分野に関するサンシャイン計画とムーンライト計画,および地球環境に関する技術開発制度を統合し,平成5年度より新たに「ニューサンシヤイン計画」(エネルギー・環境領域総合技術開発推進計画)を発足さ:せ,持続的成長とエネルギー・環境問題の同時解決を目指した革新的技術開発を重点的に推進することとした.
    ニューサンシャイン計画において,実用化段階に近づきつつある技術開発を加速的に推進することに.よりエネルギー供給ポテンシャルの増大を図るとともに,各種技術開発成果を糾合した革新的複合システム技術の開発を推進することなどにより,来たる21世紀のエネルギー・環境問題の解決に対し之大きく寄与することが期待される.
  • 柏木 孝夫
    1994 年 63 巻 8 号 p. 770-774
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    21世紀中葉のエネルギーを展望するには,合理的なエネルギーシステムのビジョンのもとに,さらに技術開発の動向や可能性も考慮に入れなければならない.当然,これら技術開発の成果はエネルギー需給,地球環境問題の解沫に極めて効果的であるが, 21世紀型のエネルギー・地球環境対策技術は,高度に複雑なシステム技術となるであろラから,実用化に至るまでには長期間のリードタイムを必要とする.したがって,長期的視点に立って,それらシステムの特性を踏まえた技術開発が重要となるところに,これまでにない困難な点がある.
    こうした問題意識の下に本稿では,まず現在最も信頼性が高い予測の一つである世界エネルギー会議 (WEO: World Energy Council) のエネルギー供給シナリオを紹介する.さらに,これらの知見.をもとに,わが国に主点を移し,これからのエネルギー関連技術開発の動向を考慮しつつ, 21世紀中葉におけるわが国のエネルギーを展望する.
  • 大塚 俊道, 森島 宏, 鈴木 祐一郎
    1994 年 63 巻 8 号 p. 775-780
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    化石燃料の開発には,極めて広範囲な技術が係わっている.地質・地化学探査技術,物理探査技術,油層工学,掘削技術,海洋工学,生産技術をはじめ,電気・電子,計測,通信,情報処理,機械,素材等,さまざまな技術分野に関連した,総合的な技術が必要とされる.本稿では,石油,石炭,および天然ガスの探鉱・開発・生産技術の中から,物理に関連のある技術課題を中心に,幾つか選んで概観する.また,現時点では経済性の低い,あるいは資源として十分把握されていない.非在来型炭化水素についても言及する.
  • 藤井 靖彦, 嶋田 隆一
    1994 年 63 巻 8 号 p. 781-786
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    原子力の平和利用が始まり40年が経過した.その間種々の原子炉が開発されたが,軽水炉が圧倒し基軸エネルギー源となった.もう一つの原子力,核融合も30年の研究の歴史がある.ここでは核分裂原子炉について,その特徴と改良型軽水炉ABWR, APWRに至る開発の歴史を述べ,また核融合研究の発展をたどり,最近のD-T燃焼と国際協力で進められているITERプロジエクトについて現状を紹介する.
  • 清水 幸丸
    1994 年 63 巻 8 号 p. 787-791
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    地球規模でバイオマスエネルギーを考えた場合,直接木を切り倒して燃料として使ったりしなくても十分な量を獲得することができる.バイオマスエネルギー資源は,人類が植物・動物から衣食住に必要な部分を使用した後の廃棄物・残材から大量に獲得できる.バイオマスエネルギーは,第1段階の有効利用後のバイオマスを熱エネルギーや電気エネルギーに変換する技術によって獲得できる.また,パームヤシなどのエネルギー植物からも社会的に有用な量のエネルギー資源を獲得できる.本報告では,このような前提に立ってバイオマス利用技術の概略を説明している.
  • 林 豊, 黒川 浩助
    1994 年 63 巻 8 号 p. 792-797
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    太陽光発電技術について,技術の特質,各種太陽電池の変換効率の理論限界と達成状況,生産量と価格,システム構成,開発の経緯,水力発電並のコスト実現のための太陽電池を含めた構成部品の21世紀初頭へ向けての価格ターゲット,今後の開発課題,わが国の使命を述べる.
  • 松宮 〓
    1994 年 63 巻 8 号 p. 798-801
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    風力エネルギーは,クリーンな再生可能エネルギー資源であるため,欧米では地球環境問題の解決の手段として,風車の大規模な商業利用の時代を迎えている.その結果,世界の風力発電設備の容量は約2770MWの規模となっている,しかしながら,風力技術の特質はその変動性にあり,なお風車の革新技術の開発と大型化が必要である.日本は山岳性の気象条件と台風の襲来という欧米よりも厳しい条件があり,また環境問題の解決に呼応した風力導入の政策も遅れており,技術課題と政策課題の双方の取り組みの必要性について論じた.
  • 前田 久明
    1994 年 63 巻 8 号 p. 802-804
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    海洋波の持つエネルギーを利用して発電する波浪発電は,その小規模なものは世界に先駆けて日本で実用化した技術の一つであり,四面を海に囲まれた日本にとり利用する価値が最も大きい代替エネルギー利用技術の一つに数えられる.このような波浪発電は,本格的な実用化に今一歩の段階にきている.波浪発電単独では経済的に成り立たないので,環境に優しい特性を生かして,防波堤,離岸堤,波浪制御構造物などとの併用による装置の高付加価値化が,波浪発電の今後の展開の決め手になる.
  • 上原 春男
    1994 年 63 巻 8 号 p. 805-808
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    海洋温度差発電は,海洋の表層と深層 (500m~1000m) の海水の温度差を利用して発電を行うシステムである.本報では,海洋温度差発電の特徴と原理を述べるとともに,開発の歴史をまず述べる.そして,オープンサイクルとクローズドサイクルを用いた開発の成果を述べる.海洋温度差発電の発電コストが従来の発電方式と比較されている.さらに,最近発明されたKalinaサイクルの概要を述べる.
  • 江原 幸雄
    1994 年 63 巻 8 号 p. 809-811
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    いわゆるエネルギー問題・地球環境問題の中で,クリーンな国産エネルギーとして地熱エネルギーは期待されている.しかしながら,推定されている莫大な資源量に比して,すでに開発利用されているものはそれほど大きくない.このような状況の中で,地熱エネルギー開発の新しい展開を図るためには,新しい地熱資源を開拓していかなければならない.その代表的なものとして,「高温岩体エネルギー」および「火山エネルギー」を取り上げることができる.これらのエネルギーの実用化のためには解決すべき問題も多いが,また夢多き課題でもある.
  • 大西 敬三
    1994 年 63 巻 8 号 p. 812-816
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    水素エネルギーはクリーンであり,地球環境問題の観点からも将来性がある.水素は製造から貯蔵,輸送そして利用に至る水素エネルギーシステムとして研究開発が進められている.その中で水素吸蔵合金が重要な役割を果たすものと期待されている.
  • 椛島 成治
    1994 年 63 巻 8 号 p. 817-823
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    エネルギー変換の高効率化を熱力学第2法則と関連させて議論し,特に私達が日常便利に用いている電力を効率よく得る方法を中心に述べた.高温の熱をカスケード利用した高効率発電システムについて解説し,高温熱機関であるガスタービンの開発状況を示した.より高温を用いた熱機関であるクローズドサイクルMHロ発電を将来の有力な発電システムとして紹介し,各コンポーネントの開発状況および発電実験の推移について示した.
  • 今城 尚久
    1994 年 63 巻 8 号 p. 824-829
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    電気は,明かり,熱,動力そして情報,通信など私たちの暮らしになくてはならないエネルギーとなっており,今後もその使用量は着実に増えていくものと考えられている.このために,電力の発生,輸送および使用の各分野で効率の向上が求められている.これまで需要の増大に対応することを目的に種々の損失低減技術が開発されてきた.まず始めに,先人の開発した三相交流送電方式が,帰路導体を省略したことで資源とその抵抗損の節約という基本的な損失低減であることに気づく.そして送電損失の低減は抵抗損の低減という目的のために超高圧および超々高圧送電が開発されてきたこと,また都市部で必要な高電圧ケーブルでは誘電体損の低減も重要なことを示す.
  • 吉田 邦夫
    1994 年 63 巻 8 号 p. 830-834
    発行日: 1994/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    カルシウム・鉄・臭素の化合物から成る熱化学分解サイクルUT-3を提出して,水から水素を連続的に製造することに成功した.水素を水から得ることができれば,化石燃料に依存することのない非枯渇で二酸化炭素の排出もないクリーンなエネルギーシステムを作り出すことが期待できる.しかも,エネルギーの質を論じるエクセルギーの観点から見ると,単にクリーンであるのみならず,きわめて高効率のシステムであることがわかる.
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