有機薄膜エレクトロルミネッセンス(EL)素子は, 1000Cd/m
2以上の高輝度発光が得られるようになったことで,大きく注目されている,この高輝度発光が得られるようになった第1の理由は,有機多層接合構造にしたことによりキャリアおよび励起子の閉じ込め効果が働ぎ,発光量子効率が大幅に改善したことにある.もう一つの理由は,薄膜に電界を印加することによって10
-1A/cm
2以上の高密度電流注入が可能になったことにある.半絶縁体である有機材料に電流注入ができるようになったことは,物性的にも非常に興味深い.本報告では,この有機薄膜素子における高密度電流注入機構について定量的に解析した結果と,その績果明らかとなった金属/有機接合の特徴と問題点について紹介する.
抄録全体を表示