最高で23Kに達する高い転移温度を有する一連の硼炭化物超伝導体RETM
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2C (RE=希土類,アクチノイド,TM=Ni, Pd, Pt)が見い出された.これらの物質群はREC層とTM
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2層の交互の積層からなる層状構造を有している.RETM
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2Cを出発点として,新しい物質の開発が進行しており,異なった積層パターンを持った新しい棚窒化物超伝導体や,Tcが21.5Kにおよび,RET M
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2Cとはまったく異なった構造を持つとされるThPd硼炭化物超伝導体が生まれている.代表的な物質であるYNi
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2Cに対するこれまでの物性測定の結果は,この物質が比較的高い電子状態密度を持ったclean limit超伝導体であることを示している.超伝導機構と関連して,電子格子相互作用や強い電子相関にともなう反強磁性スピン揺らぎなどが議論され始めた.
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