計測のばらつきを評価する方法である,「計測における不確かさの表現方法のガイド」が, 1993年にISOなどの7つの国際機関の連名で出版された.不確かさについてはすでにいくつもの解説が書かれているが,本文は,不確かさを求めようとする人のための入門書として,事例を入れて分かりやすくすることを心掛けて解説したものである.
まず,最初の導入につづき,不確かさという用語のもつ意味と,このガイドの特徴を述べた.このガイドは,単に表記の方法や用語の定義を定めたものではなく,評価方法を細かく取り決めたものであるので,この評価方法の手順に沿って,手順のバリエーションを分類しながら,事例を入れて解説した.
不確かさには大きく2種類の異なった評価の方法があり,世の中に混乱を招いている.しかし,国際的にこのISOのガイドに書かれた方法に統一されつつある.論文などでも計測の結果には,この不確かさを表記するように求められつつあり,このガイドに沿ったものであることが必要となろう.
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