金属液体は通常の冷却速度では融点(
Tm)以下でただちに結晶に凝固する.われわれは,旧88年以来結晶化に対する週冷却液体の異常安定化が, Mg基,希土類金属基, Zr基, Pd基, Fe基の多くの合金系で生じることを見い出すとともに,その安定化により,バルク金属ガラスが作製できることを示した.ガラス相生成の最低冷却速度は0.旭K/sであり,最大厚さは約100mmである.その安定化は, 3元素以上の多成分系, 12%以上の原子寸法比と負の混合熱,の条件を満足する液体における普遍現象である.バルク金属ガラスは特徴ある機械的性質,広い過冷却液体域,超粘性流動を,鉄族基合金は良好な軟磁性を示す.これらの異常現象と新規な特性により先端材料としての発展が期待される.
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