光電子増倍管は高感度,高速応答,低雑音,広ダイナミックレンジなどの優れた特性をもち, 3/8インチの超小型タイプから20インチの大口径タイプまでさまざまな形状のものが開発されている.これらはスーパーカミオカンデでの陽子崩壊実験やニュートリノ検出のような素粒子物理実験をはじめ,検体,血液検査,油田探査,放射線計測,宇宙天文観測,核医学用ガンマーカメラなど幅広く利用されている.特に高感度,低雑音特性を利用した微弱光検出は,生体発光の解明に貢献している.本稿では,基本的な光電子増倍管の特性について述べるとともに,微弱光検出などの応用例を紹介する.
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