インターネットの急速な普及・拡大による通信容量の増大に対応するために,波長分割多重光通信方式の重要性が高まっている.この方式では,多数の波長を信号伝送に用いるために,発振波長の温度変化がない半導体レーザーが強く望まれている.筆者はそのような温度無依存発振波長レーザー用半導体として,タリウム系III-V族新混晶半導体を提案し,その結晶成長可能性の検討から始め,物性・特性評価,そしてデバイス試作検討を行ってきた.これまでに,そのフォトルミネッセンス発光ピーク波長,発光ダイオードからの発光ピーク波長が共に小さな温度依存性を示すことを確認している,本稿では,その詳細,ならびに今後の展望について述べる.
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