REBa
2Cu
3O
7-δ (RE123: REはY, Nd, Smなどの希土類元素)系次世代高温超伝導線材は,液体窒素温度において強力な磁界の下でも大電流を流すことが可能な線材として,電力応用およびマグネット応用分野から大いに期待されている.しかしながら,その材料特性を十分に発揮するためには,結晶学的に配向した単結晶近い長尺線材にする必要があるなど,線材開発の課題は多かった.しかし最近,基板や中間層を三次元的に配向させ,この上に擬単結晶的な超伝導層を配したテープ線材の開発が進められ,高い特性を有する10m級のテープ線材の作製に成功している.本稿では,日本を中心に,日米欧における次世代高温超伝導線材開発の現状を報告するとともに,今後の展望について概説する.
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