日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第88回大会
選択された号の論文の1240件中1~50を表示しています
招待講演
  • Michele Gelfand, Joonha Park
    セッションID: KA-001
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    Across the millennia, human groups have evolved specific cultural and psychological adaptations to cope with collective threats, from terrorism to natural disasters to pathogens. In particular, cultural tightness, characterized by strict social norms and punishments, as one key adaptation that helps groups coordinate to survive collective threats. However, interferences with threat signals that facilitate tightening can lead to cultural mismatches—either too much or not enough tightening. I discuss two examples of cultural mismatches: the COVID-19 pandemic (a case in which collective threat is real, but there is a resistance to tightening) and the rise of populist movements (a case in which exaggerated threat leads to unnecessary tightening), and highlight theoretical and practical implications of cultural mismatch theory.

特別講演
  • 周 泰立, 荒井 崇史
    セッションID: SL-001
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    Obtaining meaning and using it for communication is crucial in our daily lives. Such mental operation can be revealed by studying language development and deficits. My talk targets two populations, including typically developing children for language development and children with autism for language deficits. I take a cognitive neural approach to examine the nature of organization and processing of language knowledge. Three sets of studies will be introduced to understand the cultural differences between Chinese and English typical children, the developmental changes in organization and processing in children, and potential therapy to treat children with autism. These findings are summarized to account for dynamic interaction in the cognitive neural mechanisms of meaning.

    The work was conducted in the absence of any commercial or financial relationships that could be construed as a conflict of interest.

国際賞受賞講演
  • 藤原 健, 大坊 郁夫
    セッションID: ITL-001
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    非言語同期とは,相互作用において話者たちが互いに影響を及ぼし合うことにより話者間の非言語行動が非ランダムで類似した様相を呈することを指す。これまでの非言語行動研究では手動による行動観察・抽出が主流であり,その多大な労力と時間的コストにより研究の展開が妨げられてきた。しかし,コンピュータ・ビジョンや機械学習といった情報科学技術の発展により,現在は話者たちの姿勢や動作時系列を自動で取得することが可能となった。また,非言語同期を定量化するための時系列解析も多くの選択肢が提案され,研究領域の展開を後押ししている。本講演では,非言語同期の研究に関するこれらの展開を概観し,講演者が現在行っている研究のいくつかを紹介する。そして,非言語同期研究が抱える課題や将来の展望について議論する。

  • 小林 恵, 白井 述
    セッションID: ITL-002
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    「赤ちゃんは,我々成人と同じように顔の認識ができるのだろうか?異なる人物の顔の区別は可能だとして,それが男女のような特定のカテゴリとして赤ちゃんが区別できるようになるのは,どのようなメカニズムなのだろう」・・・これは,学部3年次の講演者が抱いた,視覚発達研究の世界に足を踏み入れるきっかけとなった素朴な疑問である。どんなに記憶を呼び起こそうとも乳児期の視覚世界や体験を記憶している人はいないし,乳児に聞こうとも言葉で教えてくれるわけでもない。そこから講演者は,乳児の注視行動や脳活動を通して他者認知の発達過程を明らかにする試みを続けている。本講演では主に,我々大人のような洗練された高度な人物情報の処理がどのように発達するのか,顔情報と身体情報から他者をどのように認知しているのかについて,近赤外分光法(near-infrared spectroscopy; NIRS)を用いた一連の研究について報告する。

  • 山本 哲也, 坂本 真士
    セッションID: ITL-003
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    長い学問の歩みの中で,新たな科学技術は常に学問の発展と密接に関わり合い,その進歩を支えてきた。同様に,近年のデジタル技術の飛躍的な進化は,心理学研究の拡大と深化をもたらす大きな可能性を秘めている。

    本講演では,特にメンタルヘルスケアに焦点を当てながら,こうしたデジタルアプローチがどのように心理学研究を拡張するのかについて検討する。具体的には,識別AIによるライフログやビッグデータの解析,VRやARを活用したセルフカウンセリング,生成AIやヒューマノイドロボットとの協働など,これらの技術の活用事例を概観する。そして,こうした技術がもたらしうる自己理解の促進やメンタルヘルスの予測,健康状態の調整からアート作品の生成,さらには心と同期する視聴覚空間の光学演出など,その応用可能性について検討する。あわせて,従来のメンタルヘルスケアの課題や,そうしたテクノロジーを活用する際の留意点についても解説する。

    本講演を通じて,私たちがよりよく生きるためのテクノロジーの活用方法について議論したい。

  • 橋本 博文, 石井 敬子
    セッションID: ITL-004
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    人間の心の働きに文化差が存在することは古くから指摘されてきているが,そうした文化差がなぜ生まれ,またどのように維持されているのかという問いに対してはさまざまな考え方が存在する。本講演では,これらの問いに対する一つの答えを提示するため,文化の重要な側面として「特定の文化に身を置く人々の行動そのものが作り出す社会的な誘因構造(社会的ニッチ)」を捉え,そうした誘因構造への適応という観点から人間の心の文化的多様性を理解するための分析枠組みを紹介する。そして,この分析枠組みの妥当性を検討するための一連の実証研究を報告する。最後に,得られた研究知見をもとに,社会的ニッチ構築の観点から,心の文化差の多くは社会的ニッチへの適応戦略の反映として理解可能であること,そして人々が適応すべき社会的ニッチそのものも,文化的信念を共有する人々が生み出す行動と,その行動の集積として個人の前に立ち現れる社会的な誘因構造(まわりの人々からの予測可能な一貫した反応パターン)によって自己維持的に構築されている可能性を議論する。

  • 羽倉 信宏, 齋木 潤
    セッションID: ITL-005
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    「身体運動の研究」と聞くと,「身体を如何に上手に動かすのかの研究」を思い浮かべるかもしれません。さらに,「身体は知覚・認知した結果を外部に出力するためだけのインターフェースだ」と考えるのならば,身体運動の研究はバイオメカニクスや工学に近く,「心理学」とあまり関係ないのではないか,と思われるかもしれません。

    私はこれまで,運動を準備することが視覚情報処理を変化させる(Hagura et al., 2024),運動のコストが知覚意思決定を変化させる(Hagura et al., 2017),といった複数の研究例から,身体運動と知覚・認知情報処理が我々が考える以上に,相互に強く影響を与え合っていることを示してきました。つまり,身体運動は私たちの知覚・認知を形づくる重要な要素なのです。

    本講演では,心理学でよく研究されてきた「記憶の文脈依存性」に焦点を当て,身体運動の記憶が,運動の制御そのものとは直接関係のない文脈と結びついている,という私たちの最近の研究をお話しします(Ogasa et al., 2024)。これらの研究から,身体運動というフィルターを通して知覚・認知の構造を探求することの面白さが伝わればと思います。

    ・ Hagura N*, Kanai R, Orgs G, Haggard P. Ready steady slow: action preparation slows the subjective passage of time. Proceedings of the Royal Society B; Biological Sciences. 279: 4399-4406. 2012

    ・ Hagura N*, Haggard P, Diedrichsen J. Perceptual decisions are biased by the cost to act. eLife, pii: e18422. 2017

    ・ Kisho Ogasa, Atsushi Yokoi, Gouki Okazawa, Morimichi Nishigaki, Masaya Hirashima, Hagura N*. Decision uncertainty as a context for motor memory. Nature Human Behaviour, in press, 2024

  • 亀田 達也, 竹澤 正哲
    セッションID: ITL-006
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    集団による意思決定は民主主義社会の最も基本的な構成要素のひとつであり,集合知(collective intelligence)をもたらすと期待される。しかし,2020年大統領選後のトランプ支持者による米連邦議会議事堂襲撃事件に代表される近年の政治的な群れ行動(herd behavior)は,伝統的な民主主義の頑健さに対する私たちの信頼を大きく揺るがした。さらに,ビッグデータの時代には,人々が無意識のうちに残すデジタル痕跡を活用する「データ・デモクラシー」が,伝統的な合意形成よりも集団的意思決定に役立つ可能性があると主張する学者もいる。本講演では,群れ行動と集合知という一見正反対の社会現象は,同じコインの裏表であると主張する。そして,単なる統計的集計現象としての群衆の知恵(the Wisdom of Crowds)を超える集合知をもたらす認知的・行動的アルゴリズムに焦点を当てながら,最近の人間と動物の文献を選んで論じる。集団のコンセンサスが明示的に必要とされるか否かにかかわらず,集団の意思決定において集合知が出現するためには,個人の異質性を活用する認知的・行動的アルゴリズムが鍵となることを示す。これらのアルゴリズムには,個々のインプットの正確さや専門知識に重きを置いた集約,分業に向けた認知と行動の暗黙的または明示的な相互調整などが含まれる。これらのアルゴリズムは,主に個人の頭の中で,あるいは何らかの仲裁システムによって実行される認知代数(cognitive algebra)として,あるいは個々のグループメンバーの社会的相互作用を通じての動的な行動集約(behavioral aggregation)として実装することができる。これらの基礎的な研究成果が,集合知に関する「開発研究」の発展に役立つことを期待する。

大会企画シンポジウム
  • 株式会社勁草書房, 樫原 潤, 小杉 考司, 永田 悠一
    セッションID: IS-001
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    心理ネットワークアプローチは,人間の心を一種の複雑系とみなし,複雑な心を統計分析の結果に基づいて理解・予測・制御しようとするものである。臨床心理学における「心理療法のテーラーメイド化」という文脈のなかで10数年前に提唱されたこのアプローチは,その後飛躍的な発展を遂げ,いまではパーソナリティ研究や社会心理学の態度研究など,心理学の幅広い文脈で活用されるに至っている。この心理ネットワークアプローチについてはNetwork Psychometrics with Rという体系的なテキストが2022年に出版されており,2024年にはその日本語翻訳版として『心理ネットワークアプローチ入門』が出版されることとなった。本企画では,『心理ネットワークアプローチ入門』の監訳者である樫原と小杉が講演者となり,アプローチがもつ価値と日本語版テキストの魅力を解説していく。

    企画の構成は,以下のように計画している。まず,心理ネットワークアプローチを導入することで,どのようなものの見方やデータ分析手法がもたらされるのか,研究の実例を交えて解説する。具体的には,心理学で扱う構成概念(例:うつ病)を「多様なコンポーネント(例:うつの個別症状)の相互作用によって維持されるネットワーク」として捉え直すことができ,ネットワーク構造全体や個々のコンポーネントがもつ特徴について数量データ解析に基づいた議論が可能になるということを示す。次に,監訳者2名の専門性を生かし,心理療法への応用と複雑系科学(システム論)との接続性というそれぞれの観点から,心理ネットワークアプローチの発展可能性と今後の課題について議論していく。最後に,監訳者2名が考える『心理ネットワークアプローチ入門』という書籍の見どころについて,トーク形式で掘り下げていく。これらの講演を通して,心理ネットワークアプローチそのものがもつ革新性や面白さを伝えるとともに,初学者がゼロから学べるように工夫がこらされた書籍の魅力を伝えていきたい。

  • 日本心理学会 若手の会, 工藤 大介, 前澤 知輝, 西村 友佳, 残華 雅子, 今津 杉子
    セッションID: IS-002
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    最近では「学振特別研究員」以外にも,院生や若手研究者に対する支援の整備が進んでいます。その一方で,大学院生や若手研究者において,学位取得を目指したり,アカポス・一般企業などへの就職活動を行ったりするにあたって,受けられる支援については,所属する研究室や大学に依存する傾向が見られます。つまり,「知らなかった」「教えてもらえなかった」といった,情報格差が存在しているわけです。そこで本シンポジウムにおいては,現在の大学院生・若手の支援体制・支援制度について紹介をすると共に,学位取得に向けた戦略や,その後のキャリアパス形成(アカポス・一般企業など)に対する戦略など,進路をあきらめないための情報を提供していきます。情報提供の最後は,主に講演者の討議ではなく,参加者の皆様からの質問を元に議論を行っていたいと考えています。ぜひ,この機会に多くのご質問をお願いいたします。ご質問は会場だけでなく,Webによる事前アンケートにて受け付けます。

  • 一般社団法人 日本心理学諸学会連合, 村井 潤一郎, 仮澤 亮, 唐沢 かおり, 鶴 光代, 阿部 恒之, 能智 正博, 沢宮 容子
    セッションID: IS-003
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    日本心理学諸学会連合(日心連)は,1999年に心理学関連学会が集う連合として設立され,心理学とその関連分野の調和ある発展を目指して活動してきた。現在56学会で構成されており,各学会の独自性を尊重しつつその活動を支援し,学会間の連携と国際的な協力関係を強めるなど多面的な貢献を行っている。この四半世紀の間に加盟学会とその構成員をめぐる社会状況は大きく変わってきた。大学等の研究機関では個々の研究者の事務負担が増加し,学会活動に割くことができる時間が減少傾向にある。大学施設の利用も有料化され,学術集会のコストが増加している。学会誌のオンライン化など成果発表の方法も変わり,学会参加のメリットも形を変えて,会員数の減少している学会も少なくない。心理学関連学会は,学術誌の発行,学術大会の開催,事務局の運営などをめぐり,多くの課題に直面している。本シンポジウムは,日本の心理学関連学会の中枢で学会運営に携わっている方々からその最前線についてお話を伺い,現在の課題を共有した上で解決策を探ることを目的としている。本シンポジウムを通じて,学会運営の新たな方向性を探り,わが国の心理学ワールド全体の持続可能な発展につなげていければと思う。

  • 岡村 尚昌, 内山 伊知郎, 岩田 昇, 漆原 宏次, 田中 芳幸
    セッションID: IS-004
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    行動科学は,心理学と関係する学問である。1946年にBehavioral Science(行動科学)という用語が初めて用いられてから約80年が過ぎ,行動科学に関する研究はめざましい発展を遂げた。現在,行動科学は心理学のみならず,精神医学,心身医学,社会医学などを含む包括的な概念であり,健康教育,発達支援,心理療法にも広く応用されている。そこで本シンポジウムでは,改めて行動科学の理論と実践について概観し,行動科学がどのように心理学に貢献できるかについて議論をする。発達心理学を専門とする内山氏は,子どもや高齢者の発達の様相を科学的な視点から話題提供する。アニマルセラピーを専門にする漆原氏は,大型犬とのふれあいにより生じる心理的効果について話題提供する。公衆衛生および健康科学を専門とする岩田氏は,救命救急現場におけるベテランナースの対応(フライトナースのドクターヘリ業務を例として)についての研究成果を報告する。最後に,健康心理学を専門とする田中氏の指定討論を通して,行動科学が心理学分野にさらに貢献するための課題や今後の方向性について討議する。

  • 日本心理学会 教育研究委員会 心理統計法標準カリキュラム作成小委員会, 三浦 麻子, 小杉 考司, 清水 裕士, 高橋 康介, 森 知晴, ...
    セッションID: IS-005
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    本委員会は,心理統計という研究の「道具」について十全の教授を行うために研究者あるいは教育者として何を学ぶべきか,その道筋を具体的に示すことを目標として発足しました。これまでに,多くの学部で必修科目となるだろう基礎統計科目「Basic Statistics(ベシスタ)」のシラバス案と,それに基づく到達度確認テスト環境を構築し,実際にいくつかの大学で活用していただいているところです。こうした状況をふまえて,本年度は,今後の方向性に資するべく,以下の3名の方々から話題提供をいただきます。

    富田瑛智氏が勤務する帝塚山大学心理学部では,公認心理師養成教育のカリキュラムの一環として心理統計の科目が開講されています。そこで,私立文系心理学部の心理統計カリキュラムをご紹介いただいた上で,2年間にわたり統計学習の補助教材として「ベシスタ問題集」の一部を利用した教員・学生の感想を教えていただきます。

    山内香奈氏からは,心理学を学ぶことが必ずしも求められない学科で心理統計を用いる研究を指導する際の工夫や苦労話を失敗談を交えつつご紹介いただきます。また,到達度確認テスト用の項目プールの項目に,標準シラバスに対応するルーブリックとの対応関係が示されると,教育の文脈でも活用しやすいことなどをお話しいただきます。

    本田圭市郎氏からは,主に計量経済学を教える立場から,学際学部におけるデータサイエンスの取組,その中で統計・計量分析をどのように指導しているのか,学生はどのように身に着け活用しているのかについて,具体的には,教え方の工夫や授業・ゼミでの取組を,成果だけでなく抱えている課題や失敗例も交えつつご紹介いだたきます。

    心理統計あるいはその教育に現に携わっていようがいまいが,ああこれは「じぶんごと」だな,と捉えてくださった方々のご参加を心よりお待ちしております。是非積極的にご意見・ご議論いただければ幸いです。小委員会サイト:https://sites.google.com/view/jpa-psychometrics/

  • 日本心理学会 男女共同参画推進委員会, 山岸 典子, 土肥 伊都子, 宇井 美代子, 伊田 広行, 藤井 恭子, 相川 真穂
    セッションID: IS-006
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    ジェンダー平等の実現は,現在,日本も含め世界がこぞって取り組んでいる課題であるが,日本はその改善のスピードがあまりにも遅い。そこで本シンポジウムでは,なぜ日本でジェンダー平等が実現していかないのかについて,学校・社会制度に潜む日本特有の心理的要因に焦点を当てて考えてみたい。ジェンダー平等を阻んでいる心理的要因として第一に挙げられるのは,ジェンダー・ステレオタイプである。個人レベルで人々が多かれ少なかれ「女性は~,男性は~」と性別による思い込みを持つことで,社会レベルにおけるジェンダーが維持されている。ただし,ジェンダー・ステレオタイプは,なにも日本だけの問題ではない。日本のジェンダーが顕著で,さらに不平等も伴っている原因は,ステレオタイプが日本では特に強いからなのだろうか。あるいは別の日本独自の心理的要因が直接的あるいは間接的にステレオタイプを強化する形で作用しているからであろうか。このような問題意識をもち,本企画では,男女分業体制のジェンダーが組み込まれた,本田(2014)の「戦後日本型循環モデル」が破綻した後の,家族・教育・仕事の間の双方向的な連携やバランスのとれた新たな社会モデルを念頭に,個人レベルでのジェンダー打破への道筋を模索したい。話題提供者として,まず,生涯発達心理学者の藤井恭子氏に日本の学校教育,特に教職課程におけるジェンダーに関する現状を解説して頂き,それが日本社会のジェンダーにどう繋がっていくのか,改善策として何があるか,などについて論じて頂く。次に,社会学者の伊田広行氏には,家庭・市場・国家の3領域を包含し,夫婦が社会の最小単位とみなす「カップル単位社会」(伊田,1995)について解説して頂き,そこにはどのような日本人特有の心理が潜んでいると考えられるか,各領域の変革とともにその心理は変化する可能性はあるのか,などについて述べて頂く。指定討論者は,女性に対するジェンダー・ステレオタイプなどに注目されてきた,政治・社会心理学者の相川真穂氏にお願いする。文化,国際比較などの観点も加えていただき,日本人特有のジェンダーに関わる心理的要因や日本のジェンダー不平等の解決に関する議論をリードして頂く。また参加者と講演者との交流の時間を多く取り,知識や意見,アイデアの共有を目指す。

  • 日本心理学会 国際委員会, 尾崎 由佳, 四本 裕子, パク ジュナ, 城月 健太郎, 錢 琨, 久保 尊洋, 毛 新華, 大高 瑞郁, 佐 ...
    セッションID: IS-007
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    日本心理学会,韓国心理学会,中国心理学会は,2014 年より毎年持ち回りで「三カ国シンポジウム」を開催しています。今年度は日本心理学会がオーガナイザーの年です。これまでに,日中韓三カ国シンポジウムでは,様々なテーマについて発表やディスカッションを行ってきました。今回,新たな試みとして,「国際共同研究の種(seeds)をまく」ことを目指します。具体的には,日本からのシンポジスト2名がそれぞれ,自身のこれまでの研究成果を発展させるかたちで,日中韓の国際共同研究の構想(アイディア)を発表します。中国・韓国からは,関連する領域への研究に関心を持ち活躍されているシンポジスト各2名を招待し,それぞれの研究発表を行っていただきます。その後,全体討議において,各国のシンポジストの強みとバックグラウンドを活かすようにしながら,国際共同研究の種を育てることを試みます。本シンポジウムにおいては,将来の研究実施の可能性を広げるというプロセスを大切にしたいと願っています。会員の皆様にはぜひともご参加いただき,活発な議論に加わっていただけることを願っております。

  • 日本心理学会 国際委員会, 毛 新華, 山本 真也, 家島 明彦, 大塚 由美子, 温 文, Kong Garry, 呉 長憶, 笠原 伊織 ...
    セッションID: IS-008
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    Along with the globalization of education and research in psychology, personnel mobility has become remarkably intense. The people who are internationally active in psychology may become good examples for others who aim for in the future. This symposium will welcome four individuals with different backgrounds and valuable experiences to introduce their excellent stories. We believe abundant hints will be provided to those who want to study psychology as an international student in Japan or outside of Japan and who want to get an academic post in Japan as a foreigner.

  • 日本心理学会 若手の会, 工藤 大介, 前澤 知輝, 瀧川 諒子, 川上 澄香
    セッションID: IS-010
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    本企画は,その名の通り学部生と高校生による研究紹介をまとめ,発表する企画です。本年度は大会会場とオンラインでのハイフレックス企画となります。ゼミ研究や卒論の中間発表をはじめ,これから取り組もうとしている研究計画など,心理学に関係する幅広いテーマで10分間のプレゼンテーションと質疑応答をしていただきます。各発表は審査の対象となり,優れた発表には賞を贈呈します。

    1. 十分な回答のできるAIによるカウンセリングにおける信頼度と治療効果の評価

    ○鬼島 愛花(久留米工業高等専門学校)

    2. 仮想現実とバイノーラルビートを組み合わせたマインドフルネス実践が強迫性障害傾向におよぼす効果

    ○基島 隆蔵(ラ・サール高校)

    宮田 裕光(早稲田大学)

    3. 無理解に起因する分断の考察 ─女性の生理休暇を中心に─

    ○松田 実夕(クラーク記念国際高等学校)

    4. 情動喚起刺激と文脈の一致性が記憶に及ぼす影響

    ○山本 知果(椙山女学園大学)

    5. あの人が広告しているあれなんだっけ?

    ○高橋 靖知(中央大学)

    有賀 敦紀(中央大学)

    6. 派手髪効果 ~髪色が派手だと印象は薄い~

    ○木次 恵(中央大学)

    有賀 敦紀(中央大学)

    7. 人は機械音から感情を受け取れるか

    ○山入端 美月(鹿児島純心大学)

    8. 説得における高圧的文章の効果

    ○陣内 柊太(大阪府立四條畷高校)

    藤田 健介(大阪府立四條畷高校)

    森尾 太智(大阪府立四條畷高校)

    西 翔大(大阪府立四條畷高校)

    石崎 由奈(大阪府立四條畷高校)

    奥谷 寿貴(大阪府立四條畷高校)

    9. ロマンス詐欺を防ぐには ─ポスターを用いた検討─

    ○東 叶世(奈良女子大学)

  • 綿村 英一郎, 田中 晶子, 井奥 智大, 岩谷 舟真, 向井 智哉, 羽渕 由子, 仲 真紀子, 赤嶺 亜紀
    セッションID: IS-011
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    児童虐待は市民からの関心が高く,重要な社会問題のひとつとして位置付けられている。一方で,市民が児童相談所を利用するにはいくつかのハードルがあると思われる。本シンポジウムでは,児童虐待問題や児童相談所に対する人々の態度を客観的に明らかにした上で,その態度変容を目指した取り組み,およびその効果について発表する。具体的には,①児童虐待や児童相談所に対する人々の態度や価値観を調査した社会心理学的研究,②それらの研究知見に基づいた,児童相談所に対する理解を促進するための活動(無料コミックの制作),③その効果について報告する。

    当日は,これらの研究や活動の報告を通して,一般市民と児童相談所・児童虐待の問題を繋ぐための研究の在り方や実践におけるアプローチの方法について議論をおこなう。さらに,研究の力で,児童相談所に対する市民の理解を深め,市民と児童相談所を強く結びつけるにはどのような取り組みが必要か,児童虐待対応の後方支援を担えるような社会システムを構築するために心理学者が貢献できることについて会場参加者と意見を交換したい。

  • 日本心理学会 教育研究委員会 高校心理学教育小委員会, 北川 恵, 山本 博樹, 唐沢 かおり, 重岡 尚秀, 荻野 佳代子, 楠見 孝, ...
    セッションID: IS-012
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    公認心理師制度が立ち上がり,7回の国家試験を経て多くの公認心理師が誕生し,取得したスクールカウンセラー(以下SC)が学校現場にて,生徒の成長や悩みを支える心理教育を実践している。かたや,2024年度は新学習指導要領による「倫理」の授業が本格的に始まる年度である。とりわけ「倫理」で扱う内容のうち,「人格と感情」は,SCが心理教育として伝える知識やスキル(高校生の自己理解・他者理解,アンガーマネージメントやストレスマネージメント等)と関わりが強いと考えられる。本シンポジウムでは,高校生が心理学を学ぶ場として,実践的ニーズに沿った心理教育と,教科としての公民科「倫理」に焦点をあて,互いの内容を知り,効果的なつながりを生み出すための検討を行う。心理学者が公民科教科書執筆時に伝えようとしたメッセージ,その教科書を用いて授業を行う高校教師の教育活動,そして,教科外にてSCが行っている心理教育の内容について話題提供を行う。これらを受け,高校生が心理学を学ぶ意義,さらには,次期教育振興基本計画で目指される「ウェルビーイングの向上」につながる教育活動に心理学教育がどのように貢献できるかを考える。

  • 日本心理学会 教育研究委員会 講演・出版等企画小委員会, 岡村 陽子, 坂本 麻衣子, 冨岡(藤森) 秀子, 堀越 歩
    セッションID: IS-013
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    神経心理学を学んだ人は,フィニアス・ゲージやH・Mなどの脳に損傷を受けた人の話を知っているだろう。臨床神経心理学の世界では,そのような人々と日々臨床で向き合っている。臨床神経心理学は,脳と行動,情動の関係について理解し,神経心理学的な知識に基づいて,アセスメントや治療的な介入を行うための学問である。最近は,公認心理師取得のために必要な25科目のひとつに「神経・生理心理学」があり,多くの人が神経心理学に触れていると思うが,「臨床」神経心理学では具体的に何をするのかイメージがわかないかもしれない。本シンポジウムでは,身体疾患,脳血管障害,認知症といった領域で実際にアセスメントや介入を行っているシンポジストに,臨床神経心理学の研究や実践に関する話題を提供していただく。3人のシンポジストの提供する話題を通して臨床神経心理学の世界を紹介し,これから神経心理学を学ぶ人に,授業で興味を持った人に,今神経心理学分野にいる人に,そして臨床で実際に人を支援している人に,臨床神経心理学の世界を知ってもらいたい,この世界に入ってきてもらいたい,多くの人とつながっていきたい。そうした願いを込めて,今後ますます必要性を増す臨床神経心理学についてフロアとともに語りあうシンポジウムとして企画する。

  • 日本心理学会 機関誌等編集委員会, 河原 純一郎, 上田 祥行, 城月 健太郎, 坂田 昌嗣, 櫻谷 あすか, 女川 亮司, 大江 朋子
    セッションID: IS-014
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    本年度は,システマティックレビュー(SR)論文に焦点を当てます。「標準的な形式の論文の書き方ですらままならないのにSR論文なんてとんでもない!!」とお考えの初学者もおられることでしょう。また,SRの仕方を2時間ほど聞いてすぐに論文が書けるようになるものでもないでしょう。しかし,心理学のどの分野でも,研究文脈を知る上でSRは避けて通れません。個々の研究ではランダム誤差や系統的誤差(バイアス)が大きいため,読者は都合の良い研究だけに注目してしまいがちです。SRの意義は,従来の知見を統合的にとらえること,そこにどれだけ偏りがあるかを知ることにあります。フォレストプロット,異質性指標とは?ファンネルプロットの読み方は?本企画ではこうした基本事項の概論の解説をします。加えて,SR研究の経験が豊富な先生方から,臨床系や認知・実験系のメタ分析,SR論文実例をご紹介いただきます。話題提供者の経験や提言を題材に参加者と議論を深め,これからの時代を担う心理学者の論文作成を後押しする機会となれば幸甚です。SR論文やJPR/心研への投稿,英語/日本語論文執筆一般に関する質問をこちら https://forms.gle/ap32N8y6jZ4FbDkz6 でお受け致し,回答する機会も設けます。

  • 日本心理学会 若手の会, 富田 健太, 讃井 知, 沖中 武, 工藤 大介, 町田 規憲
    セッションID: IS-015
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    研究者を志す学生の不安材料として,「お金」が挙げられる。本企画ではお金のプロであるファイナンシャルプランナーの方をお呼びし,研究者のライフプランを紹介していただく。また,現役の大学教員や公認心理師の方にもご登壇いただき,リアルなお金事情をお話しいただく。今までにも「大学院生の間はどのように生きるか」「奨学金はどのようなものがあるか」「学振を取るためには」という講演は多く開かれてきた。しかし,これらの講演は短期的かつ若手時期にフォーカスしたものである。一方で,本講演では,研究者として生きていくライフプランを20年・30・40年スパンで提示することで,進路選択の参考としてもらう。アカデミアは短期的に見ると金銭的にネガティブな印象を持たれることもあるが,長期的に見るとポジティブな側面も多々あり,この講演が研究者を志す学生の希望になることを目指す。

  • 日本心理学会 国際委員会, 陳 冲, 中尾 敬, 村井 祐基, 春原 桃佳, 李 艶, 瀧川 諒子, 合田 裕紀子, 阿部 恒之, 尾崎 由 ...
    セッションID: IS-016
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    本シンポジウムは,学生および若手研究者の国際化に向けた日本心理学会の支援活動に焦点を当て,その展開,効果および今後の展望について議論を深める。具体的には,以下の四つの演題からなる。(1)日本心理学会の国際化への取り組み:日本心理学会がどのようにして学生および若手研究者の国際化を支援してきたのか,その活動と成果について詳細に紹介する。(2)若手の会による支援活動の紹介:若手研究者に特化した支援プログラムや活動を通じて,若手の会が如何に学生および若手研究者の国際化を後押ししているのかを紹介する。(3)日本神経科学学会の事例研究:他学会の事例として,日本神経科学学会の支援活動(トラベルアワード,若手研究者国際交流会,トラベルアワード交換プログラムなど)を紹介し,その成果と応用可能性について議論する。(4)アンケート調査結果の報告と分析:海外学会参加,英語発表,英語論文執筆,海外留学・海外就職,国際共同研究などに関する支援に対する学会や若手会員の期待と提案を集約したアンケート調査結果を発表する。これらのデータを基に,日本心理学会が今後どのように若手研究者の国際化を支援していくべきかについての戦略を提案する。

  • 坂井 信之, Yang Cheng-Ta, Huang Pi-Chun, Waka Fujisaki, Takuya Onuma, Alex ...
    セッションID: IS-017
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    This symposium brings together leading researchers from Taiwan and Japan to explore the mechanism of multisensory processing. Through a series of talks, the symposium will delve into both theoretical developments and empirical validations across different sensory modalities.One highlighted talk by Prof. Yang will demonstrate the use of Systems Factorial Technology (SFT) to challenge traditional methods and assumptions in audio-visual integration, offering a more refined understanding of sensory processing architectures. Another talk by Prof. Huang will investigate the visual shape properties—angularity and symmetry—and their influence on shape-taste correspondences, revealing distinct processing mechanisms that govern these interactions. Prof. Fujisaki will give a talk about SHITSUKAN perception, the perception of the material properties, and the importance of the multimodal integration of vision, audition and touch on SHITSUKAN of woods. Prof. Sakai will discuss of cognitive factor, the halo-dumping effect, on the multimodal interaction of olfaction and gustation. Two discussants will discuss about the multimodal integration with the viewpoint of the multimodal perception by Assoc. Prof. Onuma and the psycholinguistics by Assis. Prof. Raevskiy.Together, the symposium aims to foster a deeper understanding of how multiple senses integrate and influence human perception and cognition, with implications for both theoretical models and practical applications.

  • 日本心理学会 認定心理士の会運営委員会, 河原 純一郎, 河地 庸介, 邑本 俊亮, 前田 楓, 矢島 潤平
    セッションID: IS-018
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    平成28年(2016年)の熊本地震,平成30年(2018年)の北海道胆振東部地震,令和6年(2024年)の能登半島地震など,平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の後にも大きな地震災害は続いています。予測しにくく,生活や人生に深刻な影響をもたらしうるこれらの事態に,対応し,準備するために心理学の知識や技術はどのように貢献できるでしょうか。本シンポジウムは被災者支援や防災教育に関して3名の専門家からの話題提供を題材に,参加者と議論を深めたいと思います。矢島氏は熊本・大分地震における被災者支援活動,支援者支援及びロジスティクス業務についての実践事例紹介と災害支援の課題と展望についてお話いただきます。前田氏は大学生とその親を対象とする調査や実験事例のご紹介を頂き,より実践的な防災教育のあり方について議論したいと思います。邑本氏からは一般向けの防災講話の中にいかに心理学的知識を組み込んで伝えているの取り組みを伺います。そして小中学生を対象とした防災出前授業の効果測定の研究例,今後の防災教育の一形態として「学び手が伝え手になる震災伝承」の実践事例についてご報告を頂きます。

  • 日本心理学会 若手の会, 讃井 知, 富田 健太, 板口 典弘, 小林 恵, 浜内 彩乃, 飯田 綱規, 阪口 幸駿
    セッションID: IS-019
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    国内の心理学系各学会若手の会は,若手の交流促進,キャリア支援,心理学の今後の発展や社会に貢献していくことを目的に,様々な企画の立案・運営をしてきた。

    しかし,こうした企画の多くは効果の検証がされていないため,果たして若手研究者にとって役立つものであったのかを振り返ることや,数多くの実践から得られた知見や効果を統合する取り組みはあまり行われてこなかったように思われる。加えて,設立から10年以上が経ち,組織として成熟してきた面がある一方で,若手が必要とする支援や活動の内容,若手を取り巻く環境の変化に十分に対応できているのかについても考える必要がある。

    今後,心理学分野の若手研究者が力を合わせ,新たな知見を創出し,心理学の発展に寄与してくために,今回の企画シンポジウムでは,第一部でこれまでの活動を振り返り,第二部では,心理学の社会実装に関わっている方を招き今日若手の会に求められている機能・役割や,今後の展望について議論する場としたい。

  • 日本心理学会 男女共同参画推進委員会, 森野 美央
    セッションID: IS-020
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    お茶など飲みながら気軽に参加いただくイベントです。イベントでは,職場や学校,ライフイベントに関わる情報交換やTipsのシェアをすることを通じてネットワークづくりをします。参加対象者は女性に限りません。女性でなくても,育児や介護をしていなくても,参加可能です。本イベントや本イベントのテーマに興味がある全ての皆さまのご参加をお待ちしています。

    今回のテーマは「私のワーク・ライフ・研究」。ワークの中心に研究がある人,ライフが研究という人,ワークとライフと研究が分かれない人,過去と現在で位置づけに変更があった人…考え方は人の数(或いはそれ以上)異なる可能性があります。これまでのイベントで,「色々な人の考えを知りたい」,「研究領域を越えて色々な方とお話したい」とのご要望をいただき,第6回のテーマが生まれました。

    イベントは,割り当てられた時間帯に(今回は2時間弱),学会会場にて対面で実施します。自己紹介の後,今回のテーマに沿って,主なデータ収集法が近い人とお話するセッション,最近抱えている問題意識が近い人とお話するセッション,という2回のセッション,そして連絡先交換の時間を設定する予定です。

  • 公認心理師養成大学教員連絡協議会, 岩原 昭彦, 丹野 義彦, 有光 興記, 内田 舞, 平井 啓, 国里 愛彦, 杉浦 義典, 河原 純一 ...
    セッションID: IS-021
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    公認心理師制度が誕生して5年が経過した。この間,公認心理師養成大学教員連絡協議会(公大協)は,公認心理師教育のあり方について議論を重ね,公認心理師教育コア・カリキュラム案を公開した。そこでは,生物・心理・社会モデルに基づいて人間の心を理解する学部における基礎心理学の重要性や,研究と実践を両輪とする科学者-実践家モデルに基づく養成教育の必要性が浮き彫りとなった。心理専門職の教育システムが他職種と異なる点は,科学的思考と研究力を養う学部教育システムとそれを発展させる大学院教育が接続されることで,科学的思考ができる実践家と実践を射程に入れた研究者を養成するシステムが古くから存在することにある。科学的思考は,すでに保健・医療領域では多職種連携を前提として必須のコンピテンシーとなっているし,修士や博士を持つ心理専門職が研究力を発揮することは他職種に対する大きなアドバンテージとなるだろう。さらに,公認心理師がプロフェッショナルとして日本国民に貢献するためには,心理的支援法の有効性やメカニズムを検証し,国民に説明する責任を果たさなければならない。しかし,基礎心理学を土台とした専門職養成をどう進めていくべきか,これまで十分に議論されて来なかった。そこで今回は,国民の心の健康を増進し,必要なだけの心理的支援を行い,社会的責任を果たすことのできる心理専門職を養成するには,どのようにすべきか,特に,学部教育では何を重視すべきかについて議論したい。

    本シンポジウムでは,まず,公認心理師制度推進室から「公認心理師カリキュラムの現状と課題」について話題提供をいただく。続いて,学部カリキュラム検討委員会で検討した学部教育における問題点と改善の在り方についてお話しした後,認知心理学や社会心理学など実験(基礎)心理学を学ぶことの重要性,研究法・統計法の必要性,卒業論文の必要性といったテーマで話題提供いただく。最後に,学術的立場と臨床実践的立場から指定討論をいただき,公認心理師養成における学部教育のあり方について議論したい。

  • 渡邉 照美, 公益社団法人日本心理学会 死生心理学研究会, 河野 由美, 濱吉 美穂, 鈴木 勝己, 西村 ユミ, 近藤(有田) 恵, 浦田 ...
    セッションID: IS-022
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    2025年以降,団塊の世代のすべてが後期高齢者となり,その人々が平均余命程度に達する2040年代には年間の死亡数が最大となる見込みである。多死社会は,今後,加速度的に進むと予測されている。その結果,どの年代の人にとっても,死についての事柄から目を背けることは難しくなり,自分事として「死」がクローズアップされてくる。

    ところで,人は文化,社会情勢,価値観,人間関係といった多くのものに影響を受けながら,多様な関係性の中で生きている。そして,人は誰かをケアし,誰かにケアされる関係の中でしか生きていけない。死生を捉える際,「ケア」は重要な視点であろう。

    こうした現状に鑑み,本シンポジウムでは,心理学,看護学,人類学といった領域の異なる3名の研究者にご登壇いただき,ケアと死生についての研究成果を発表してもらう。そして,2名の指定討論者からのコメントをいただき,それを元にフロアも交えてディスカッションを行う。多領域の研究者と議論を行うことで,心理学における死生研究の位置づけを改めて考え,死生心理学のさらなる発展につながることを期待したい。

公募シンポジウム
  • 横谷 謙次, 高村 真広, 山本 哲也, 高橋 英之, 阿部 修士
    セッションID: SS-001
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    生成AI(大規模なニューラルネットワークでテキスト,画像,動画などを自動生成する技術)は近年隆盛しており,心理学領域を含めて,様々な領域に活用されている。本シンポジウムでは,様々な心理学研究に生成AIを応用した結果を共有する。まず,高村(藤田医科大学)は生成AIを脳画像の生成に応用した研究を紹介する。個人の脳データを生成AIで仮想的にサンプリングする手法の可能性と現状について報告する。次に,山本(徳島大学)が,対話エージェントに関する研究を概観しながら,生成AIを活用したエージェントとの対話の実際を紹介する。また,高橋(大阪大学)が生成AIを用いて,ロボットの存在感を持続的に高める手法について,ロボットの背景(物語)世界のデザインという観点から紹介をする。更に,横谷(徳島大学)は,生成AIを用いて,セラピストボットを作成した。セラピストボットを受講した群に対する抑うつや不安の低減効果を説明する。最後に,阿部(京都大学)が生成AIを心理学研究に応用する際の可能性と留意点を統括する。

  • 岡 大樹, 樫原 潤, 遠山 朝子, 津田 菜摘, 北原 祐理, 国里 愛彦
    セッションID: SS-002
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    従来の臨床心理学では,心理療法のエビデンスをいかに確立するかが最重要課題のひとつとなっていた。この課題に取り組む中で「DSMで定義される大うつ病には認知行動療法が有効」といったエビデンスを確立してきたが,それと同時に,診断分類に焦点を当て症状の解消のみを追求する姿勢は,臨床心理学の本来の在り方から乖離しているのではないか,という疑問も早くから提示されてきた。こうした疑問を受け,現代の臨床心理学や精神医学などの周辺諸学では従来のDSM的発想を越えた多彩なアプローチが活況を呈している。本シンポジウムではこれらの現代的アプローチに取り組む話題提供者を集め,それぞれの中核を成す「人間観」を共有する。全体的な問題提起の後,心理ネットワークアプローチ(樫原),計算論的精神医学アプローチ(遠山),アクセプタンス&コミットメント・セラピー(津田),メンタライゼーション・ベースト・セラピー(北原)のそれぞれを突き動かす「人間観」を語り合い,共通項を探る。その協奏の中で生まれる現代の手法や観点に基づく新たな研究・対人援助のあり方,そして実臨床に繋がる理論的枠組みについて,フロアとともに模索していく。

  • 伊藤 大幸, 宮川 祥子, 斎藤 悦子, 新田 泉, 佐藤 優介
    セッションID: SS-004
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    わが国では女性の経済的活躍の進展が先進諸国に比べ大きく後れている。日本政府は「2020年代の可能な限り早期に,指導的地位に占める女性の割合を30%程度とする」という目標を定め,企業に女性の参画を促す取り組みを進めているが,未だ十分な成果は得られていない。こうした男女格差の背景には,企業の人材評価における意識的または無意識的なジェンダーバイアスが存在することが指摘されているが,実証的なエビデンスは不足しており,実態は明確になっていない。また,そうしたバイアスをどのように低減していくかの方法論も確立されていない。こうした現状を改善するため,登壇者らの産学連携プロジェクトでは,社会科学のアプローチによる定性的調査と心理学のアプローチによる定量的調査を組み合わせて,国内の労働市場におけるジェンダーバイアスの実態とメカニズムを検証するとともに,そのエビデンスを活用し,バイアスの緩和を支援するAIの開発に取り組んでいる。本企画では,プロジェクトの途中経過を報告するとともに,経営学を専門とし,企業の採用部門での実務経験も持つ佐藤優介先生を交え,現場での課題解決に貢献するAIのあり方について議論する。

  • 島井 哲志, 堀毛 一也, 嘉瀬 貴祥, 磯和 壮太朗, 今井田 貴裕, 堀毛 裕子, 浦田 悠
    セッションID: SS-005
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    ポジティブ心理学の応用領域の発展に伴って,その介入対象も用いられる方法論にも幅広く拡大が生じている。その拡大された対象のひとつは,健康上の問題を抱えている人たちであり,その実践は健康心理学に近い応用領域といえる。その実践では,これまで展開されてきたアントノフスキーによる健康生成論による実践と,かなり近い関係にあり,海外でも注目されている。ここでは,健康生成論を基盤に研究実践を展開されている先生方を話題提供者としてお招きして,その最新の実践や研究の展開をご紹介いただく。嘉瀬貴祥先生には,健康生成論研究の中核となるSOCとパーソナリティやライフスキルとの関連をご紹介いただく。磯和壮太朗先生には,学校教育現場に応じたSOC促進の展望と課題についてご紹介いただく。今井田貴裕先生には,健康生成論における汎抵抗資源について,トラウマケアの安定化という視点からお話しいただく。堀毛裕子先生には,健康心理学の立場から,健康生成論とポジティブ心理学の関連を整理していただく。また,質的研究の専門家でもありポジティブ心理学の研究を行っている浦田悠先生に指定討論をお願いした。司会は堀毛一也先生と島井が担当する。

  • 和田 有史, 富 研一, 日下部 裕子, 中野 優子, 西田 勇樹, 小早川 達
    セッションID: SS-006
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    タンパク質の需要と供給のバランスが崩れるタンパク質危機が迫る中,代替タンパク質の普及が急務となっているが,その勢いは鈍い。その理由の最大の要因の一つは,植物性食品で人類が求めるおいしさを満たすことが難しいことである。では,どのような食味を満たせばおいしい食品を見出せるのだろうか?本シンポジウムでは,この疑問に応える感覚科学研究のミッシングピースを探索する試みである。 まず,分子生物学の観点から,従来の基本五味を超えた重要な味質を探索する知見を紹介する。次に,植物性材料で動物性に近い満足感を与える味質の創出の挑戦として,新素材の開発コンセプトと開発手法を紹介し,そこから派生して発見されたおいしさ研究のミッシングピースについて紹介する。さらに,新規の食味を評価・整理する試みの実践例として,官能評価学と心理学からのアプローチを示す。これらの知見と議論を踏まえ,指定討論において現状の新規の食味研究の整理と,今後展開されるべき課題について議論する。言語化が難しく,これまで十分に注目されてこなかった動物性のおいしさの本質に迫りたい。

  • 古賀 佳樹, 新田 千枝, 嶋根 卓也, 木戸 盛年, 岡部 友峻
    セッションID: SS-007
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    近年依存症に関する注目が高まっており,国内外でさまざまな対策がなされている。依存や嗜癖の問題は,依存の対象によって生じる問題が異なるため,それぞれの依存について対策を深める必要がある。さらに,同じ依存対象であっても,文化や,時代などによってその様相は変化する部分も多く,最新の実態に合わせた対策が必要であるといえる。

    しかしながら,それらの需要に反して,国内での研究蓄積は十分とは言えない。将来,よりよい依存症対策を検討する上では,依存症研究の分野における研究者の拡充と研究者間の連携を活性化することも重要である。

    本シンポジウムは,アルコール依存症,薬物依存症,ギャンブル障害,ゲーム障害,性的アディクションの5つの依存・嗜癖問題を取り上げ,各分野の専門家による基礎的知識に加え,最新の研究成果や治療アプローチについての洞察を提供する。さらに,登壇者は大学教員,研究員,心理士などによって構成されており,さまざまな立場からの依存へのかかわり方についても紹介する。

  • 坪見 博之, 齊藤 智, 森口 佑介, 柳岡 開地, 中島 亮一, 前原 由喜夫
    セッションID: SS-008
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    広範な認知機能をトレーニングによって高めようとする研究は,社会的期待の高さも相まって近年加速度的に増加してきた。その結果,トレーニングによってある認知課題の成績が向上すると,その後の課題に正の転移を示す場合,負の転移を示す場合,いずれの転移効果を示さない場合があることが明らかになりつつある。これらの結果は一見バラバラに見えるが,それぞれの研究の類似点や相違点を比較検討することで,包括的な説明理論を導き出せるのではないかと考えられる。そこで本シンポジウムでは,児童や成人を対象とした実行機能のトレーニング研究や,職業的スキルの習得による注意の熟達化研究から得られた知見を提供していただき,全体的なディスカッションを通じて,トレーニングによって何が変化するのか,どこで転移の制約が生じるのかを理解することを目的とする。転移のさまざまなパターンを概観することで,トレーニングにおける認知機能の「学習」について考える機会としたい。

  • 国里 愛彦, 小林 正法, 松本 昇, 佐藤 秀樹, 遠山 朝子, 原田 悦子, 眞嶋 良全
    セッションID: SS-009
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    再現性問題は心理学の根幹を揺るがすものであり,早急な対応が必要である。特に,研究マテリアルの共有は導入も容易なため,すぐにでも取り組むことが望ましいが,本邦にそれを可能とする枠組みはない。研究方法のパラダイムシフトは,理念や意義だけでなく,その方法が利用可能かどうかに大きく依存する。研究者に過重な負担をかけることなく再現可能な研究を遂行できるツールが必要だろう。JSPS科研費24K00499『再現可能な研究ツールボックスの開発と包括的かつ精密なデータの測定』では,再現可能な測定とパラメータ推定を可能とする分野横断的研究ツールボックスの開発に取り組んでいる。具体的には,質問紙や認知課題を共有するデータベース,数理モデルを共有するデータベースを開発し,これらを研究論文用データベースやスマホアプリと連携させる。また,ツールボックスは学生,市民,企業に向けてオープン化する。本シンポジウムでは,開発するツールボックスの概要と関連するテーマについて発表し,参加者とともにどのようなツールボックスが良いかを議論する。議論を通して,研究者にとって使いやすく再現性も高めるツールボックスの開発を目指す。

  • 越智 啓太, 原田 知佳, 道重 さおり, 島田 貴仁, 桐生 正幸
    セッションID: SS-010
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    各種犯罪が年々減少傾向の中,特殊詐欺(オレオレ詐欺,振り込め詐欺等)の件数や被害額は高止まりしている。また,犯行手口や犯行組織も洗練されてきており,昨年には東南アジアを拠点とする大規模な組織が摘発された。特殊詐欺が,われわれの(あるいは高齢者の)認知の弱点をついた巧妙な方法で行われていることから,その対策のためには心理学的な方法論は不可欠であろう。そこでわれわれはこの問題に関心があるさまざまな分野の心理学研究者を集め,対策に乗り出すことにした。本シンポジウムでは,実証研究にもとづいて,特殊詐欺の特性とその対策について最新の話題を提供し,フロアの方々と議論を行いたいと考えている。

  • 小林 智之, 日高 友郎, 神崎 真実, 土元 哲平, 福田 茉莉, サトウ タツヤ, 仲嶺 真
    セッションID: SS-011
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    社会の多様性が重視される中,心理学の研究でも対象の細分化の需要が増えている。従来,普遍的な人間を対象とした理論構築が主流であった心理学だが,より現実場面での応用を目指すうえで,ジェンダー,年齢,文化,教育水準,障害の有無,人生のフェイズなどの要素を考慮した,対象の特殊性や新規性に注目することが求められている。量的研究法が特殊・新規の対象の探究を必ずしも得意としない一方,質的研究法はこれらの対象の独特な特性や新規性を詳細に捉え,仮説を創出することに極めて有用である。

    本シンポジウムでは,質的研究法の中でも対象者の人数や調査回数の設計に着目して,量的研究法との違いの理解を探求する。4名の話題提供者から質的研究法を用いた調査を紹介し,サンプルサイズだけではなく,調査の回数などの観点から得られる情報の厚みや仮説創出の妥当性についてお話いただく。指定討論者に質的研究法と量的研究法の方法論に詳しい専門家を迎え,質的研究法や混合研究法の関心が高まる中,量的研究法と質的研究法の得意分野や解釈方法の違いを深掘りし,質的研究法の効果的な運用を目指す。

  • 筒井 雄二, 氏家 達夫, 楠見 孝, 清水 真由美, 元吉 忠寛
    セッションID: SS-012
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    原発事故から13年が経過した福島の状況は,処理水の海洋放出や廃炉に関連する一部の問題をのぞき,メディアを通じて報道される機会は減少した。事故当時,被災者における心の問題が懸念され,メディアも研究者も大きく注目してきたが,最近では福島の人々の心の問題への関心は薄れてきたのが実情だ。しかし,福島の人々が原発事故によると考えられる心理学的影響を受けたことは事実であり,その問題がどのように推移し,今後,どのような問題に発展する可能性があるのかについて調べ,考え続けることは,心理学者に課せられた役目であると言える。また,そのような努力により蓄積された知見は,将来,世界のどこかで同じような災害が発生した場合に,必ず役立つだろうと期待される。このシンポジウムでは,福島事故に関連する心理学的問題について研究を継続されてきた先生方から被災者の精神的健康に関する研究の成果をご紹介いただき,事故の長期影響の実情について問題提起をしていただく。そして,災害・防災心理学の観点から今後に残された心理学的課題について考えたい。

  • 松中 玲子, 山本 絵里子, 門倉 悠真, 池田 尊司, 田邊 圭子, 旦 直子
    セッションID: SS-013
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    令和を生きる子どもたちにとって,テレビに代表される映像メディアは非常に身近な存在である。そのため,養育者や保育者は,映像メディアへの接触が認知発達にもたらす影響について強い関心を抱いている。これまでの大規模調査から,映像メディアに長時間接触している子どもほど,その後の複数領域の発達スコアが低いことが明らかにされている。一方で,語彙理解や発話などの特定領域の発達ではポジティブな効果が報告されている。しかし,これまでの調査における実生活環境下の子どもたちのメディア視聴の実態は,保護者による質問紙回答が主な指標であり,その詳細は不明な点が多い。そのため,どのような映像メディアとどのような接触をすることが認知発達を促進もしくは阻害するのかの議論は十分になされていない。そこで本シンポジウムでは,実生活環境下における乳幼児のテレビ視聴行動の実態調査および,実生活環境下の視聴行動と認知発達の関係を検討した研究についての話題提供を行う。それらに加え,保育現場における映像メディアの利用可能性を議論し,令和の子どもたちの映像メディアとのより良い付き合い方を検討したい。

  • 永久 ひさ子, 纓坂 英子, 荘島 幸子, 志田 哲之, 清水 香奈, 井ノ崎 敦子
    セッションID: SS-014
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    成人期以降の生活では,家族から様々な役割が期待され,それらを通して親密性や世代性という発達課題の達成が求められる。そのため中年期の性的マイノリティは,異性愛者とは質的に異なる困難に直面すると考えられる。とりわけ親にカミングアウトしていない場合には,家族から娘/息子としての役割を期待され続け,一層困難が大きくなろう。また性的マイノリティは,異性愛者と比べて経済的困難に直面する割合が高いとの調査結果がある。経済的自立の困難さが精神的健康や家族関係に与える影響は,中年期の心理的発達の重要なテーマであるが,これらの人々特有の課題や心理的発達の解明は不十分である。性的マイノリティについて学ぶことは,当事者の適応を支えるだけでなく, 非当事者の受容を促し,性的マイノリティを取り巻く社会的問題の理解にもつながる(上野,2008)。本シンポジウムでは,中年期の性的マイノリティのカップルの関係性の発達からみた親密性,中年期性的少数者の経済的困難と生きづらさ,非異性愛女性における家族役割とカミングアウト,の話題提供を通じて,当事者の心理的発達と家族に関わる問題の支援に向けた議論を深める。

  • 家島 明彦, 竹尾 和子, 尾見 康博, 荘島 幸子
    セッションID: SS-015
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    PTA(Parent Teacher Association)とは,学校に通う子どもの保護者(Parent)と教職員(Teacher)からなる団体(Association)のことである。日本においてはPTAに関する諸問題がしばしば注目を浴びており,近年では心理学の分野においても学術的な研究テーマとして取り上げられてきている。例えば,2018年の『心理学ワールド』では小特集「どこへ行く?PTA」が組まれ,様々な角度からPTAへの心理学的アプローチがなされている。また,科学研究費助成事業データベースで検索してみると,教育心理学の分野で「PTAの学際的研究の試み—歴史・文化・当事者の視覚から」などの採択課題があることがわかる。そこで本シンポジウムでは,「PTA心理学」と銘打って,PTAに関する諸問題と心理学の関係について整理し,これまで心理学がPTA問題に対してどのように取り組んできたのかを概観する。そして,今後のPTA心理学のあり方について展望する。加えて,PTA役員を経験した心理学者の体験談をもとに,コロナ禍を経たPTAの変化についても報告する。

  • 横澤 一彦, 伊藤 浩介, 宇野 究人, 筒井 亜湖, 新美 亮輔
    セッションID: SS-016
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    共感覚に関する研究は主に文字や音と共感覚色の対応関係を取り上げてきたが,共感覚的素質(disposition)とも関連付けた共感覚現象の解明が重要であると考えられるようになってきた。本シンポジウムでは,共感覚者と非共感覚者の境界を探る中で,共感覚という意識経験に関して,最新の研究成果を元に議論したい。話題提供者の伊藤は,非共感覚者に喚起された色感覚を選択させる調査研究に参加することによって,非共感覚者の10%以上が自分の共感覚を自覚することを明らかにしており,それを踏まえて共感覚的素質の連続性について議論する。話題提供者の宇野は,非共感覚者における色字共感覚傾向と色弁別感度の関連について調べた研究をもとに,共感覚の神経メカニズムに関する,共感覚者と非共感覚者の共通性について議論する。話題提供者の筒井は,非美術系大学生と比較して美術系大学生の共感覚的傾向が強いことを明らかにする一方,両群で回答が集中しやすい色は類似しているなどの共通性が存在していることの意味について議論する。指定討論により,クオリアやマイノリティ認知などの観点からの議論を含めて,共感覚に関する意識経験への理解を深めたい。

  • 永井 聖剛, 上田 祥行, 浅野 倫子, 大塚 遥音
    セッションID: SS-017
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    心理学的逆相関法のひとつであるClassification Image(以下,CI)は1990年代後半に開発され,課題実行中の処理ストラテジーを可視化できるという他の実験手法にはない特長を持つ。技術的発展により,この手法によって我々が内的に有する顔イメージを画像化することが可能となり,顔認知研究の新たな標準的手法となりつつある。従来は全観察者の反応データから一つの平均CIを算出し,信頼性や支配性のような特性を高くもつ顔のステレオタイプを画像化することが一般的であった。近年では,平均CIではなく個々の観察者から得たCIを用い,顔情報処理の多様な側面を明らかにする試みが行われている。本シンポジウムではCIの測定原理や導入のメリットに触れて個別CIの有効性を解説すると共に,このメリットを心的顔表象の解明に活かした,魅力順応,マスク遮蔽部の補完,記憶顔の再現および自己理想顔などの研究を各話題提供者から紹介する。

  • 田原 直美, 池田 浩, 山口 裕幸, 縄田 健悟, 秋保 亮太, 坂田 桐子, 三沢 良
    セッションID: SS-018
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
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    現代社会において,チーム活動は多くの分野で基盤的な役割を果たしている。チーム活動の改善やその効果性向上を図るために,メンバーが協同・連携し相互作用を交わす中で発現する力動性を解明することは,現実のニーズを反映した重要な研究課題である。チーム・ダイナミックス研究は,レヴィン(K. Lewin)が開拓したグループ・ダイナミックスの考え方に基づき,チームレベルの特性とその変動の様相を探究してきた。これまでの成果の概括として,企画者らは「チーム・ダイナミックスの行動科学」を刊行したところである。本シンポジウムは,チーム・ダイナミックス研究の現在までの到達点を確認するとともに,さらなる進展と活性化を促すことを目的として企画された。話題提供では,伝統的な集団研究から発展し理論的・実証的知見が蓄積されてきたテーマとして,チームのコミュニケーションやプロセス,メンバー間の認知の共有,チーム・リーダーシップについて,知見の総括と未解決の問題を議論する。また社会心理学的な集団研究の視点からの指定討論,およびフロアディスカッションを通じて,今後の新たな研究課題と発展可能性を探究する。

  • 渡邊 伸行, 中村 早希, 平井 啓, 田中 孝治, 原田 悦子
    セッションID: SS-019
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    近年,様々な大学の授業や課外活動で,PBL(Project/Problem Based Learning)が導入されている。その名の通り,複数人で構成されるチームで,地域や社会の問題解決を行うタイプの取り組みで,日本語では「問題解決型学習」あるいは「課外解決型学習」と表現されている。大学によっては全学共通科目として,PBL型授業が導入されている。心理系学科のカリキュラムの中で,PBL型授業をどのように運用すべきか,あるいは地域や企業とどのように連携すればよいか,といった疑問の声もあり,様々な大学で試行錯誤が行われている。本シンポジウムでは,PBL型授業を心理系学科のカリキュラムの中で運用している例や,課外活動の一環でPBLを導入している例などを取り上げ,その具体例やノウハウを参加者と共有することを目的とする。またPBLで心理学を実践することで,どのような教育効果が期待できるか,といったことも議論したい。

  • 荒井 崇史, 中川 知宏, 高橋 玲央, 嶋田 美和, 大江 由香, 戴 伸峰, 森 丈弓
    セッションID: SS-020
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    本シンポジウムの目的は,犯罪や非行の理解に心理学が本当に「役立つ」のかを問うことである。ただし,「役立つ」と言っても,その水準は様々である。直接的に現象理解に役立つことだけではなく,中長期的に考えると現象理解に役立つ基礎研究ということもあるだろう。本シンポジウムでは,「役立つ」という言葉を細かく規定せず,科学としての心理学は犯罪や非行の理解に役立つのか,大きな問いを掲げて議論をしたい。特に,心理学の研究は再現性が乏しいと言われ,衝撃が走ったことは記憶に新しい。こうした反省から,研究事前登録,オープンサイエンスなど変革が起こり始めている。果たして,心理学のアカデミックな営みは,犯罪・非行の理解に役立つものなのだろうか。議論のきっかけとして,本シンポジウムでは,日々,犯罪・非行の理解に取り組む気鋭の研究者や実務家に,それぞれの実情について話題提供いただく。それを受け,指定討論として,犯罪研究に詳しい日本並びに台湾の大学研究者の視点から見た問題点を挙げていただく。最終的にフロアの参加者を含めて,犯罪・非行の理解に心理学が本当に役立っているのか,今後進むべき方向性について討論したい。

  • 岡田 謙介, 山田 剛史, 古川 結唯, 塚村 祐希, 若井 大成, 松田 いづみ
    セッションID: SS-021
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    再現性の危機と統計改革を経て,近年の心理学論文では伝統的な統計手法に代わり,ベイズファクター(Bayes factor)によって仮説やモデルの良さを評価する研究が増えている。ベイズファクターは2つの統計モデルの周辺尤度の比である。ベイズ統計における仮説検定法として用いる場合,この量はデータが帰無仮説と対立仮説のどちらをどの程度支持するかを定量的に表す。こうしたアプローチの有用な特長として,データを追加しながら評価を繰り返せる(データ収集の任意停止ができる)ことや,帰無仮説・対立仮説のどちらも支持できることが挙げられる。しかし,心理学研究者がベイズファクターを活用した研究を行うために利用できる国内の情報源は限られている。そこで本企画では心理学研究への応用を念頭に,まずベイズファクターの基礎と考え方,解釈,計算方法,利用できるソフトウェアについて共有する。その上で,その特長を活かした研究事例を紹介する。具体的には,客観事前分布を用いた「分散分析」法,Stan言語で実装されたモデルからの計算法,複数の研究結果からの知見の統合法,一事例研究における活用法を示す。

  • 伊藤 文人, 柳澤 邦昭, 豊島 彩, 福光 甘斎, 浦 光博, 五十嵐 祐
    セッションID: SS-022
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/07/11
    会議録・要旨集 フリー

    社会的孤立・孤独は,さまざまな疾患のリスク因子となっており,孤立・孤独を生まない社会の構築は喫緊の課題と言えます。しかし,ゆるやかなつながり作りを可能にする環境の構築が十分に進んでいないのが現状です。さらに,孤独に陥っている人は孤独であると表明しにくいこと(孤独の不可視性)も知られており,心理学・神経科学の観点からも孤独・孤立対策に資する取り組みを進めていくことが求められています。今年4月には孤独・孤立対策推進法が施行され,社会的な注目度も高まっています。本シンポジウムでは,SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築)2021年度採択課題「新生活に伴う孤独リスクの可視化と一次予防」と2022年度採択課題「シチズンサポートプロジェクトによる社会的孤立・孤独の一次予防」を中心としたメンバーで「孤独・孤立の予防に基礎研究は貢献できるのか?」という根本的な問いに立ち返って議論させていただきたいと考えています。心理学や神経科学は孤独・孤立のメカニズム解明や一次予防にどのように貢献できるのか,多様な視点から議論できればと思います。

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