産業連関
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1 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 河合 三良
    1990 年 1 巻 4 号 p. 3
    発行日: 1990年
    公開日: 2015/08/29
    ジャーナル フリー
  • 牧野 昇
    1990 年 1 巻 4 号 p. 4-11
    発行日: 1990年
    公開日: 2015/08/29
    ジャーナル フリー
     日本は戦後いくつかの障壁を次つぎと乗り越えて,いまや強力かつ柔軟な国際競争力を誇るに至っている。また研究開発投資のGNP比率は世界トップに位置するようになった。しかし21世紀に向って新しい壁が多く現れてきている。第1は,「四バカ高」といわれる高地価,高賃金,高エネルギー,高法人税率である。第2は,高齢化社会への球速な移行である。寿命は伸び,出生率の低下は著しい。第3は市場の成熟化だ。物の市場はあるレベルではつねに飽和する。第4は「産業の空洞化」である。企業の海外進出が国内産業の停滞を招かないという保障はない。企業は90年代の生き残りの条件をいかに探るべきか,また21世紀に向けてのハイテク領域の技術革新はいかなる分野に求めるべきか,以下重点をしぼって挑めてみよう。
  • 久保庭 真彰
    1990 年 1 巻 4 号 p. 12-17
    発行日: 1990年
    公開日: 2015/08/29
    ジャーナル フリー
     いま東欧とソ連では急速な革命が進行しており,そのテンポは大方の予想をはるかに超えている。一方,産業連関表の世界でも画期的な情報公開が進みつつあり,ソ連は今年ついには部門の1988年表を公表した。その他の東欧諸国においても,産業連関表はつぎつぎと公表され,いわば,革命の遂行度のバロメーターのようになってきた。経済システムの物動的集権経済から市場経済への移行とともに,表の様式も物的生産物勘定(MPS) から西欧型のSNA方式へと画期的な転換が関られつつある。以下このドラマチッチな変貌の過程を国別に眺めてみよう。
  • 菊池 純一, 北川 正
    1990 年 1 巻 4 号 p. 18-26
    発行日: 1990年
    公開日: 2015/08/29
    ジャーナル フリー
     技術革新の激しい今日,先端技術が作り出す社会的ベネフィットの性質を知ることによって,機極的に技術開発をコントロールすることが重要になってきた。ここでは,光産業に焦点をあてよう。ルビー・レーザの発明から30年,光技術はマイクロエレクトロニクスと結びついて,デバイスからシステムまで多種多様な製品を生み出した。そして今,光産業は,多層な商品構造をもつ2.5兆円産業へと成長した。先端技術による急成長産業の代表格である光産業とは何か。光産業が必要とする産業構造とは何か。光産業の社会的ダイナミズムとは何か。取り上げるべき分析課題は尽きないが,詳細な科学技術情報とマクロ的な産業構造に関する資料を連結することによって,光産業の産業連関分析が可能になった。
  • 黒岩 美代
    1990 年 1 巻 4 号 p. 27-37
    発行日: 1990年
    公開日: 2015/08/29
    ジャーナル フリー
     日米構造協議の成果の1つとして建設部門は1990年代の花形産業となり,新しい時代の脚光をあびている。2000年にいたる公共投資の累積430兆円のもたらすインパクトはきわめて大きい。ところでこの種の波及効果の科学的測定には建設部門を中心とする特異な産業連関表が不可欠であり,昭和30年以来建設省によって作成されてきた「建設部門分析用産業連関表」はこの要請にみごとに応える分析用具を提供するものといえる。以下この表を用いて建設資材の輸入依存度の上昇,消費税導入による建設工事価格の上昇,円安。原油安による建設工事価格の下落,等のもたらす国民経済的効果について分析結果を紹介する。
  • 吉田 泰治, 石戸 誠
    1990 年 1 巻 4 号 p. 38-47
    発行日: 1990年
    公開日: 2015/08/29
    ジャーナル フリー
     農業の役割のうち最も重要なものは,国民が毎日消費する「食料」の安定供給であろう。しかし経済成長とともに,国民の食生活は急速に変化し,農産物の直接消費の減少と加工食品や外食の増加など,「食の外部依存」が進行した。この結果今日では消費者の支出する食料費のうち農業などの1次産業へ支払われる割合は2割前後にすぎず,残りは加工場流通経費あるいは外食等のサーピス経費となっている。このように食料は農業部門で生産されてから多くの産業を経て消費者のもとに届けられている。こうした食料に関連する多くの産業の経済活動を産業連関的観点から取りまとめたものが「農業・食料関連産業の経済計算」である。
  • 林 英機, 戸松 裕
    1990 年 1 巻 4 号 p. 48-62
    発行日: 1990年
    公開日: 2015/08/29
    ジャーナル フリー
     新潟県は,東西の雪融けとともに日ソ,日中,日韓,日朝など環日本海圏の中核拠点として,また日本列島サイドからは,首都経済圏の北の玄関として,近年急速に国際化の脚光を浴びている。一方,JR新幹線,関越高速道路,北陸高速道路などすぐれた交通網をもち国内では5つの県と境を接する広大な面積と豊かな自然環境にめぐまれている。まさに,21世紀に向かって大きな飛躍を遂げようとする県といえよう。新潟県産業連関表はその作成の面でもすぐれた伝統をもち,県経済が国際化のなかでどのような構造変化を遂げるかの情報を的確に提供する。以下その変貌の過程を眺めてみよう。
  • ―単位構造系とエネルギー効率―
    尾崎 巌
    1990 年 1 巻 4 号 p. 63-76
    発行日: 1990年
    公開日: 2015/08/29
    ジャーナル フリー
     この稿の脱稿時点,突発的にイラクのクエート侵攻という事件が起きた。周知のように過去2回の石油危機を日本経済は,鉄鋼等の輸出主導型から,自動車や機械類等の複合財輸出へのシフトという形の産業構造の調整によって乗り切ったが,いずれも,日本産業の構造効率を極大にしていく点に特徴があった。エネルギー問題は本質的には長期的な構造問題である。この意味で日本の過去の経験は単に日本経済のみならず,すべての国の構造調整問題に生かされるべきであろう。
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