地方自治体の将来の CO
2排出量は自治体の権限を越えた国内外の経済状況に影響を受ける.本研究では国内外の経済状況の変化が茨城県の CO
2排出量に与える影響をシナリオ分析によって評価する.マクロ経済指標と地域間産業連関モデルを組み合わせて,2030 年の茨城県内 CO
2排出量,およびその他都道府県との CO
2排出量の相互依存関係の変化を推計する.結果として,民間消費,および輸出の増加がその他都道府県から茨城県に誘発する CO
2排出量を増加させる.一方で,産業構造の変化,効率化と輸入の増加により間接CO
2排出量が減少し,県内全体の CO
2排出量増加が抑制される.そして,国内や海外の経済動向が茨城県内の CO
2排出量に与える影響は減少する.
抄録全体を表示