北海道は地域産業連関分析のフロント・ランナーとしてことに知られている。今回は北海道内をさらに分割し,「域内地域間産業連関表」というユニークな表の作成と分析結果について紹介しよう。原表は61部門で,道中,道南,道北,道東の4地域に分割されている。この作成にあたっては昭和60年の北海道表(406部門)が有効な基盤を提供した。分析は多岐にわたっているが,とくに注目されるのは投資効果の地域間比較である。例えば建設投資1,000億円の所得発生効果は道央は道南よりすぐれているが,道内経済全体としては,道南の所得増加の方が道央よりも大きいなど,地域間I-O分析は投資主体にとって興味ある事実を豊かに提供してくれるのである。以下,その詳細を眺めてみよう。
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