本稿は長谷川(2023)によって提案された経営母体特掲の手法を地域間産業連関表に適用することで,スポーツ団体による経済効果の分析手法の拡充を目指すものである.長谷川(2023)と同様に広島県福山市に拠点をおく福山シティフットボールクラブを事例として,同クラブが備後圏域内8市町にもたらす経済効果を試算し,産業別だけでなく地域別にも検証した.同クラブの直接効果232.31百万円が備後圏域内にもたらす経済波及効果の総計は339.02百万円であり,その内の93.66%が福山市内で発生していることなどが明らかとなった.分析結果とその考察を通して,経済波及効果の地域別把握の重要性が示された.
名古屋市では,昭和40年を対象とした名古屋市産業連関表の公表以降,継続的な作表がされてこなかった.しかしながら,昨今,証拠に基づく政策立案(EBPM)が求められる中で,名古屋市の経済構造を明らかにし,経済波及効果の測定が可能となる産業連関表が重要であるとの認識が高まっていた.多くの政令指定都市の産業連関表が公表されていく中,名古屋市においても,平成27年名古屋市産業連関表を公表した.ここでは,平成27年名古屋市産業連関表における地域内産業連関表および地域間産業連関表の各表から読み取れる名古屋市経済の特徴について述べる.また,合わせて公表されている分析ツールの概要についても紹介する.
環太平洋産業連関分析学会(PAPAIOS)では,2024年10月26日(土)27日(日)に,第35回(2024年度)全国大会を南山大学(名古屋市)にて開催しました.また,そのプレイベントとして,中部圏地域間産業連関表を作成している公益財団法人中部圏社会経済研究所,ならびに関西地域間産業連関表を作成している一般財団法人アジア太平洋研究所との共催により,10月25日(金)に2024年度第1回地域連携セミナーを,ナゴヤイノベーターズガレージにて開催しました.本稿は,地域連携セミナーでのパネルディスカッションの内容を収録したものです.