日本財団パラリンピックサポートセンターパラリンピック研究会紀要
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最新号
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  • Kwok Ng, David Legg, Damian Haslett, Jessica Noske-Turner, Emma Pullen
    2024 年 22 巻 p. 1-21
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/06
    ジャーナル オープンアクセス
    #WeThe15キャンペーンは、東京2020パラリンピック競技大会(コロナ・パンデミックのため2021年に開催)で発足した。世界人口の15%が障害とともに生活しており、これらの人々が社会に完全に参画する上での障壁は取り除かれるべきであるという認識を高めるために、ショートビデオとハッシュタグを付けたロゴが作られ、世界中の建物のライトアップが行われた。このキャンペーンは専門家には高く評価されたが、世間一般、特に障害者を代表する専門家や自らが障害者である専門家がこのキャンペーンをどのように受け止めたかについては、まだほとんど知られていない。そこで、このキャンペーンに対する初期段階の認識と、推奨される今後の方向性をよりよく理解するために、世界の5地域でインタビューとフォーカス・グループを実施した。データは、ブリコラージュ手法によって一括して分析した。#WeThe 15キャンペーンは当初意図したほど世界的な広がりはなかったようだが、それに対する初期の印象は、おおむね肯定的であった。提言としては、キャンペーンの背後にあるメッセージをそれぞれの地域に合わせて最適化をすることをより慎重に検討すること、キャンペーンを継続するための支援をより充実させることなどを挙げた。
  • 過去から現代にいたるまでの発展
    Gudrun Doll-Tepper
    2024 年 22 巻 p. 23-47
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/06
    ジャーナル オープンアクセス
    2024年は、フランスのウジェーヌ・ルーベンス=アルセとベルギーのアントワーヌ・ドレッセの指導の下、1924年にフランスのパリで開催された「国際聴覚障害者スポーツ大会(Jeux Internationaux Silencieux)」と同年に発足した「国際聴覚障害者スポーツ委員会(Comité International des Sport Silencieux:CISS)」の100周年にあたる。聴覚障害者と難聴者の教育やスポーツにおける歴史的な発展を振り返ると、コミュニケーションや手話の使用、ろう者コミュニティにおける交流や体験共有など、彼らが対処しなければならなかった、そして現在でもある程度は直面している特別な課題が明らかになる。
    国際ろう者スポーツ委員会(CISS/ICSD)設立後の重要な出来事について、特にドイツで開催された大会(1931年と1981年の夏季大会、1955年と1967年の冬季大会)に関する情報を含めて紹介する。1990年のドイツ統一後のデフリンピックにおける選手数、メダル数、順位などの情報も提供する。デフスポーツにとって非常に重要な課題は、草の根レベルでの活動やエリートスポーツとデフリンピックに対する支援に関連している。この文脈では、デフスポーツ運動は基本的にろう当事者によって主導されていることが強調されている。したがって、CISS/ICSDと世界ろう者連盟(WFD)の協力協定は非常に大きな意味を持つ。
    CISS/ICSDと国際パラリンピック委員会(IPC)、そして国際オリンピック委員会(IOC)の間にもつながりがあるが、これらの関係は必ずしも平坦なものではなかった。現在の計画がどのような結果をもたらすかはまだ見えていない。CISS/ICSDにとって、2024年1月にブラジルのサンパウロで開催された第1回ワールド・デフ・ユースゲームズを導入したことは重要な第一歩であり、このイベントは若者のモチベーションを高め、力を与えるものとなるだろう。また、国内および国際レベルでの経験から得られた、資金調達やメディアの関与に関する実践的な情報についても紹介する。
    2025年に日本の東京で開催される第25回夏季デフリンピックに期待が集まっている。この大会は、1924年にパリで開催された第1回大会から100周年を記念するユニークなスポーツ・文化イベントであり、世界中からアスリートや多くの人々が一堂に会する絶好の機会となる。
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