日本PDA学術誌 GMPとバリデーション
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12 巻, 1 号
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総説
  • 小寺 恵介, 塩原 卓也
    原稿種別: 総説
    2010 年 12 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
      ホルムアルデヒドが人体に対して障害を与える可能性が認識され,医薬品製造における無菌室の除染作業において代替薬品の検討が進んでいる。有力な薬品の一つである過酸化水素はその凝縮液の高い腐食性のため室内除染への利用は殆どなかった。武田薬品工業と大気社では,室内で凝縮を起こさずに腐食の影響を最小限にする除染技術を共同開発し,無菌室に適用する過酸化水素を用いた除染システムの実用化に至った。過酸化水素は水と同様に,一般的な環境下の空気中では蒸気として存在する。過酸化水素の凝縮は,過酸化水素と水の混合気体の気液平衡を考慮しないと正確には予測できない。この混合気体の気液平衡をモデル化し,除染中の室内環境をシミュレートできるツールを開発し,このツールを用いることで,室内で凝縮を起さない条件を正確に事前に設定することが可能となった。その設定条件を基にして環境パラメータを制御することで大空間である無菌室を除染できることがこのシステムの特徴である。開発技術について以下に報告する。
解説
  • Ms Quitterie Brossard-Desjonquères
    原稿種別: 解説
    2010 年 12 巻 1 号 p. 8-12
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    クリーンルーム環境の空気の微生物汚染管理は,ヘルスケア施設と同様に医薬品,食品,化粧品産業にとって益々重要な役割を担ってきている。ISO 14698 基準は,大クリーンルーム内の微生物管理法と特に大気中の汚染管理に関連する微生物管理を述べている。これらの予防措置は,良質の製品と安全な労働条件を確実にするのに必要である。その最後の ISO 版(2004)において,ISO 14698基準は 2 つの異なる捕集方法を提示していて,それらは受動的なサンプリング設備(捕集プレートを安定させるための)と能動的装置である。しかしながら,これらの方法は見出される微生物群(CFU/m3)を培養することに限定されていて,結果をだすのに長期間を必要とする。この 15 年の間,迅速微生物測定法(Rapid Microbiological Methods:RMM)の出現は,リアルタイムでより高感度でより完全な結果を出すことによってそれらの限界に取り組み,クリーンルーム管理をより高い時間効率とコスト節減できるようにした。これらの RMM は,現在,液体サンプルを配供するサイクロン方式の空気サンプリング技術であるコリオリス®の開発のおかげの空輸汚染管理に対応している。この方法は英国健康保護庁によって ISO 14698.1 によりヴァリデートされてきており,クリーンルームの日常的管理に適していると考えられている。
  • Ken Appel
    原稿種別: 解説
    2010 年 12 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
      安全性に関する指針の段階的施行を可能にするために製薬工場の査察に関して協同するという米国 FDA と欧州連合当局間の最近の合意により,あらゆる製薬企業が品質システムに対する最善の取り組みを維持するためにより高レベルの注意を払うことが要求されている。これらの協定は,規制当局がそれらの組織の資源をより効率的に活用するのに役立つことになろう。リスクに基づく工程への取り組みと組み合わせた当局間の相互協定は,より多くの GxP 施設の監査実施可能性を向上させることになる。規制遵守の立証に対する監査者の要請に応ずる能力を促進する連続モニタリングの形式(有線または無線のネットワークと独立型監視装置)に対するコスト対利益分析を再考することは,非常に時期を得たものである。さらに,成果を生み出すための API と研究開発への取り組みに関わる絶えざる経費増加は,モニタリングシステム全体の失敗による経済コストが以前にもまして大きくなるようである。有線,無線または独立型の計装が,人為的ミスが製品の品質,システムの故障確率,所有の全体経費などを損なわせるような体系的弱点の有無に対して精査される必要があろうがなかろうが,すべてのモニタリング方法が必要となる。本報告書では,製剤の凍結装置,安定性室,倉庫などのような重要な環境をモニターする 5 つの手法について述べる。品質,施設,IT 管理者は,良質の製品と情報を維持するために異なる方法を使用する。本論文,それぞれの異なる方法を評価し,各々の手法に対する所有のリスクとコストを提示する。
  • 村上 大吉郎
    原稿種別: 解説
    2010 年 12 巻 1 号 p. 21-27
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
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