日本PDA学術誌 GMPとバリデーション
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6 巻, 1 号
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特別寄稿
特集
一般論文
  • 上寺 祐之, 重松 宏, 馬場 善三, 熊田 直人, 川村 邦夫
    2004 年 6 巻 1 号 p. 46-50
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/07/13
    ジャーナル フリー
      ワイヤレス式ロガーはワイヤレス構造をもつので,このロガーを用いるとセンサーポートをもたない滅菌器においても容易に温度や圧力を測定できる。さらに,付属する解析システムを用いてF0値や実測圧力に対応する飽和水蒸気の温度を計算できる。そこで,センサーポートをもたない真空式高圧蒸気滅菌器において,真空パルス工程の効果をワイヤレス式ロガーを用いて検討した。
      真空パルスの回数が1回,2回,3回,4回の場合において,缶体内の温度と圧力をロガーを用いて1秒間隔で測定した。滅菌工程は 134.0℃,3.5分とした。各測定において,実測圧力に対応する飽和水蒸気の温度を計算し,実測温度と計算した飽和水蒸気の温度のF0値を求めた。さらに,缶体内の残留空気の量を25℃,1013mbar absolute の条件下で計算した。
      各測定において,実測温度の F0値は実測圧力に対応する飽和水蒸気の温度の F0値よりも低かった。両者の差は真空パルス1回では 31.5,2回では 19.0,3回では 16.6,4回では 13.8 であった。缶体内の残留空気量(m3) は真空パルス1回では 0.086,2回では 0.032,3回では 0.025,4回では 0.009 であった。
      真空パルスの回数が増加するごとに,缶体内の残留空気量は減少し,実測温度の F0 値と,実測圧力に対応する飽和水蒸気の温度の F0 値の差は縮小した。したがって,ワイヤレス式ロガーは真空パルス工程の効果を評価するために有用であると考えられた。
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