Progress of Digestive Endoscopy
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74 巻, 2 号
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掲載論文カラー写真集
臨床研究
  • 小柳 和夫, 金井 歳雄, 中川 基人, 永瀬 剛司, 俵 英之, 田渕 悟, 小山 勇
    2009 年 74 巻 2 号 p. 24-27
    発行日: 2009/06/10
    公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
     食道癌手術成績の向上に伴い再建胃管の異時性胃癌症例は増加しており,今後,早期胃管癌に対する内視鏡的診断および治療はさらに重要になるものと考えられる。そこで早期胃管癌の内視鏡的治療報告例29例をまとめ,その臨床病理学的特徴を検討した。発見動機はほとんどが術後の定期的内視鏡検査(23例,79%)で,胃管癌発見までの期間は18~221カ月(中央値54カ月)であった。病変占居部位は幽門側に多く,高分化型腺癌の頻度が高く,肉眼型は隆起型が多いなどの特徴を認めた。内視鏡的粘膜切除術が25例(86%)に施行されていたが,一括切除例は6例であった。手術侵襲を考慮した適応拡大とともに胃管作成に伴う形態変化や瘢痕なども一括切除を困難にしている原因と考えられた。内視鏡的粘膜切除術後の再発例の報告は自験例以外にないが,自験例は再発部位にアルゴンプラズマ凝固法を施行し局所コントロールに有効であった。
     食道癌術後の早期胃管癌発見を目的とした定期的上部消化管内視鏡検査は重要であり,胃管癌の発見期間を考慮すると食道癌術後5年以上経過例にも必要であると考えられた。また,早期胃管癌に対する内視鏡的治療は安全性も高く低侵襲であり,積極的に施行しうると考えられた。
  • 福島 元彦, 西村 彩, 新井 浩士, 井関 雅一, 星野 光典, 富永 幸治, 鈴木 直人, 鈴木 恵史
    2009 年 74 巻 2 号 p. 28-31
    発行日: 2009/06/10
    公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
     PEGにおける胃壁固定術の併施はもはや必須の手技といえる。カテラン針固定法は特別な固定器具が不要な点,安価な点が優れているが手技がやや煩雑であった。今回我々は手技の簡易化を目的にカテラン針固定法に改良を加えた。原法の改良点は
    ①4―0ナイロン糸によるループを形成した22Gカテラン針を直針のまま使用し直接穿刺を行う点,
    ②カテラン針の穿刺部位を造設部に対し放射状に設定する点で
    いずれも2本の針を別々に穿刺することによって生じるdimensionのずれを少なくすることができ,容易な穿刺が可能となった。簡便な本法は胃壁固定法の実施ならび普及に有用と思われた。
  • 山口 健太郎, 勝部 隆男, 村山 実, 浅香 晋一, 五十畑 則之, 島川 武, 成高 義彦, 小川 健治
    2009 年 74 巻 2 号 p. 32-35
    発行日: 2009/06/10
    公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    【はじめに】狭窄を伴う上部消化管癌(食道癌,胃癌)では経口摂取が困難で,低栄養状態を呈する場合が多い。当科ではこうした症例に対し,小腸粘膜萎縮や腸管免疫低下の防止も兼ね,経鼻内視鏡を用いた経鼻栄養カテーテルの挿入,留置による経腸栄養を積極的に施行している。本稿ではその手技の実際と施行症例を報告する。【手技の実際】経鼻内視鏡を,狭窄部を越え十二指腸下行脚まで挿入,内視鏡の鉗子孔よりガイドワイヤーを挿入する。内視鏡を抜去後,ガイドワイヤーを介して7.5 Fr経鼻栄養カテーテル(シラスコン®経管栄養カテーテル)を十二指腸水平脚付近に留置する。【治療成績】2008年4月から8月の狭窄を伴う上部消化管癌6例に施行した。施行時間は15分以内で,留置による違和感も軽度で,自己抜去例はなかった。経腸栄養としては800~1,800kcal/日の栄養剤投与が可能であった。【おわりに】狭窄を伴う上部消化管癌に対して,経鼻内視鏡を用いた経鼻栄養カテーテルの挿入,留置による経腸栄養を施行した。本法は,簡便,安全でカテーテル留置による違和感も少なく,継続投与が可能で,有用な手段と考えている。
  • 三澤 将史, 樫田 博史, 竹村 織江, 宮地 英行, 和田 祥城, 細谷 寿久, 若村 邦彦, 林 武雅, 蟹江 浩, 池原 伸直, 山村 ...
    2009 年 74 巻 2 号 p. 36-39
    発行日: 2009/06/10
    公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
     当センターにおける75歳以上の高齢者大腸癌症例の臨床病理学的特徴に関して75歳未満の非高齢者群と比較検討を行った。2001年4月から2008年4月までに当センターで内視鏡的または外科的に切除され詳細な検討が可能であった75歳以上の大腸癌305病変(うち早期癌197病変,進行癌108病変)を高齢者群,75歳未満の大腸癌,1362病変(うち早期癌1046病変,進行癌316病変)を対照群とし男女比,大腸癌家族歴保有率,有症状率,腫瘍の占拠部位,腫瘍径,肉眼型,組織型,進行度に関して検討した。結果は占拠部位,肉眼型,進行度に有意差を認めた。高齢大腸癌は右側結腸に頻度が高いため深部結腸までの検査が必要であり,平坦・陥凹型腫瘍が多いことを意識し注意深く検査をすることが必要と考えられた。
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