日本歯周病学会会誌
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28 巻, 1 号
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  • ラット歯肉コハク酸-1 , 4-14C代謝におけるDPHの影響
    出口 眞二
    1986 年 28 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    DPH性歯肉増殖症の発現機序を解明するために, 3・5・8週齢の雄, ウィスター系ラットを用い, 歯肉, 口蓋粘
    膜, 皮膚, 肝 (湿性重量 : 250mg) を採取後, sliceとしshorttermincubationを行った。 添加基質としてSuccinate-
    1, 4-14C (specific activity : 1.67μCi/ml) を用い, DPH (6.7μg/ml) 添加による各組織への影響をコハク酸由来の
    TCAcycle系有機酸, アミノ酸および高分子の合成能について検索した。
    その結果, DPH添加により, 特に歯肉ではSuccinate-1, 4-14C由来の主要有機酸であるfumarateの増加および
    malateの減少を示し, 全アミノ酸生成量は減少, 高分子物質の生成は増加を認めた。これらのTCA cycle系中間代謝
    物質へのDPH添加による影響は, 他の組織とは異なる動態を示すと共にラットの週齢によっても変動することが確認
    された。
  • 岡部 京平
    1986 年 28 巻 1 号 p. 17-28
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    歯周病と唾液中のプロスタグランディン (PG) との関係を明らかにする日的をもって, まず植田らの前処理法を改良し, カラムスイッチング法を応用した高速液体クロマトグラフィー法を開発して測定した。その結果, 唾液中のPGE2, PGF およびPGE1量は歯周健康者では0.7±0.5ng/ml, 1.6±0.9ng/ml , 0.8±0.5ng/ml, 歯周病患者では1.8±0.8ng/ml, 3.0±2.3ng/ml, 1.7±0.5ng/mlであった。両者間にはPGE2およびPGE1において有意差が認められ, PGF においては認められなかった。PGE2は主な臨床所見全てとの間に危険率1%以下で, またPGE1は歯垢指数以外の主な臨床所見全てとの間に危険率1%または5%以下で有意な相関性を示したが, PGF は全く相関性を示さなかった。
  • 稲垣 幸司
    1986 年 28 巻 1 号 p. 29-38
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    歯周健康者 (CH) と歯周病患者 (PD) の血清と唾液中のマルトース, D-グルコース, α-アミラーゼ, α-グルコシダーゼについて測定し, CHとPDおよび主なる臨床所見との関係を検討した。結果, (1) マルトースは顎舌下腺唾液ではPDが24.56±19.21μg/ml, 全唾液ではPDが31.80±27.51μg/mlでCHより約4倍と約2倍高かった。 (2) D-グルコースは顎舌下腺唾液ではPDが37.94±25.78μg/ml, 全唾液ではPDが23.10±30.21μg/mlでCHよりそれぞれ約3倍高かった。 (3) α-アミラーゼは耳下腺唾液ではPDが166.91±151.58U/ml, また全唾液ではPDが154.54±153.42U/mlでCHより約3倍と約2倍高かった。 (4) α-グルコシダーゼは全唾液ではPDが0.99±1.68mU/mlでCHより約2倍高かった。 (5) 歯垢指数と顎舌下腺唾液, 全唾液のマルトースとの間に危険率1%以下で有意差を示した。
  • 本多 隆保
    1986 年 28 巻 1 号 p. 39-55
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    プラーク中に含まれる細菌性プロテアーゼと糖尿病が歯肉創傷部にどのような影響をおよぼすのかを明らかにする目的で, 正常ラットとアロキサン糖尿病ラットの上顎第一臼歯近心側歯肉に歯肉切除を施し, その切創部に生食水または細菌性プロテアーゼを毎日1回, 7日間塗布し, 切除後0, 1, 3, 5, 8, 11, 15, 22, 29, 36日目に動物を屠殺し, 切創部の歯周組織の治癒過程を肉眼的ならびに病理組織学的に検索した。その結果, 生食水を塗布した場合は, 正常ラットでは11日目に, アロキサン糖尿病ラットでは15日目にほぼ正常な状態に修復された。一方, 細菌性プロテアーゼを塗布した場合は, 正常ラットでは22日目にほぼ正常な状態に修復されたが, アロキサン糖尿病ラットでは36日目でもなお完全には修復されていなかった。
  • リポ多糖体, 全菌体抽出物, および菌体外産物の化学組成と免疫生物学的活性について
    西原 達次
    1986 年 28 巻 1 号 p. 56-78
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    Actinobacillus actinomycetemcomitans ATCC 29523株, Y4株, SUNYaB67株を用い, リポ多糖体 (LPS), 全菌体抽出物, 菌体外産物を調製し, 免疫生物学的活性に関し詳細に検索した。実験にはマウスリンパ系細胞を用い, マイトジェン活性, 多クローン性B細胞活性化作用 (PBA活性), アジュバント活性を測定した。また, マウス腹腔マクロファージを用い, インターロイキン1産生誘導能を調べた。その結果, LPSはマイトジェン活性, PBA活性, アジュバント活性を有していた。一方, 全菌体抽出物と菌体外産物はマイトジェン活性を示したが, 両標品ともPBA活性は弱くアジュバント活性は認められなかった。IL-1産生誘導能は全標品に認められた。以上, LPSはB細胞の分裂を惹起し, 抗体産生細胞を誘導し, 免疫増強アジュバント活性を有していた。歯周炎に特徴的な形質細胞の浸潤増殖に本菌のLPSが深く関与している可能性が示唆された。
  • 主として病理組織学的観察を中心として
    清水 光雄
    1986 年 28 巻 1 号 p. 79-86
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    犬に人工的に垂直性骨欠損を形成し, その部にβ-tricalcium phosphate (TCP) を填塞し, オキシテトラサイクリン, カルセイン, アリザリンレッドSの3種のラベリング剤で硬組織内時刻描記を行い組織学的に検索した。
    TCPを填塞した実験側での石灰化は, 組織学的に対照側より複雑化しており, より長期に継続した。TCPは25週でほぼ完全に吸収され, アンキローシスや, 骨縁下に達する上皮の増殖は観察されなかった。この種の研究は, 歯周病性歯槽骨欠損を形成した実験モデルでの実施が必要である。
  • 峯岸 大造
    1986 年 28 巻 1 号 p. 87-100
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    サル歯槽骨欠損への多孔質アパタイト穎粒充填の効果を検索する目的で2つの実験を行なった。第1の実験ではサルの上下顎側切歯, 第1小臼歯, および第1大臼歯を抜歯し, 治癒に至る2ヵ月後, 上下顎中切歯, 第2小臼歯, および第2大臼歯を実験部位とし, アパタイト充填後の長期観察を行なった。左右で期間をずらして外科的に3壁性骨欠損を形成し, 多孔質アパタイト充填後, 屠殺し, 術後8ヵ月および12ヵ月の未脱灰組織標本を作製した。観察の結果, 多孔質アパタイトは大部分が新生骨に囲まれ, 良好な歯周組織の治癒が認められた。第2の実験では, 最初の実験と同様の部位に外科的に3壁性骨欠損を作り, 金属を埋入し, さらに歯頸部に結紮した絹糸末端を根面と金属の間に挿入して汚染された根面を有する骨欠損を作った。この部位に多孔質アパタイトを充填し, 屠殺後, 組織学的計測の結果, 術後2週および12週で, 実験側の上皮の深行増殖が有意に小さいことが示された。
  • 辺縁性歯周炎罹患歯について
    篠田 登
    1986 年 28 巻 1 号 p. 101-124
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    口腔内に露出した薄層の白亜質は, 日常行っているブラッシングや, スケーリング, ルートプレーニング等の歯周治療によって容易に除去される。従って, 露出象牙質は, 酸, 温度変化および擦過に対して過敏になることは明白である。
    本研究の目的は, 種々な刺激, 例えば冷水, 温水および擦過刺激と歯頸部知覚過敏症の程度との関係を知ることであり, さらに, これらの歯牙の歯髄における病変を検索することにある。
    本研究に供せられた歯牙は, 高度歯周疾患と診断された19~60歳の患者から得られたものである。患者は, 歯周疾患と歯頸部知覚過敏症以外, 何等, 全身的疾患の既応, 現症のないものに限定した。
    最初に, 歯牙沈着物の量, 歯齦退縮の程度, 歯牙実質欠損の大きさについて詳細な臨床診査を行い, 冷水, 温水, 擦過刺激に対する知覚過敏の程度を記録し, 抜歯後, 病理所見検索用試料とした。得られた臨床所見は以下の如くである。
    1. 冷水刺激のみに反応したグループでは, 全例, 軽度知覚過敏を訴えたが, 歯石沈着量が多くなるにつれて, 過敏の程度は悪化する傾向が認められた。
    2. 冷水, 温水および擦過の3つの刺激に対して反応したグループでは, 歯齦退縮量が増大するにつれて, 強度知覚過敏が多数認められた。
    3. 108歯中, 76歯が, 歯頸部磨耗を示し, そのほとんどの症例では, 中等度ないし強度知覚過敏を訴えていた。本研究で得られた歯髄内病変は, (1) 予成象牙質の消失, (2) 造歯細胞の消失, (3) 網様萎縮, (4) 象牙質瘤形成, (5) 石灰沈着, (6) 充血, (7) 出血, (8) 膿瘍形成, (9) 歯髄壊疽, (10) 円 形細胞浸潤, (11) 補 綴象牙質の形成である。
    1. 冷水単一刺激, 冷水および温水刺激に知覚過敏を訴えた症例では, 修復性病変, すなわち, 補綴象牙質の新生, 添加が多数認められた。
    2. 冷水および温水刺激に過敏を示した症例では, 網様萎縮や充血が明らかに増加する傾向を示した。
    3. 全刺激に対して過敏を示した症例では, 臨床症状が軽度の場合, 充血が歯髄内の主な病変であった。これに対して, 重度知覚過敏症では, 円形細胞浸潤や膿瘍形成のような破壊的病変が増加する傾向が認められた。
    刺激因子が増え臨床症状が増悪するにつれて, 歯髄内病変が悪化し複雑になることが示唆された。
  • 第5報リン酸溶液中でのfibronectinのhydroxyapatiteへの吸着実験
    洞田 直子, 田島 一範, 竹内 宏, 土井 豊, 森脇 豊, 藤井 輝久, 澁谷 耕司, 紀藤 信哉, 阿部 龍二
    1986 年 28 巻 1 号 p. 125-130
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    Fibronectinは種々の物質に粘着性を示す糖タンパクである。これまでに本物質が全唾液のみならず分泌唾液, 獲得被膜や歯垢, 歯石中にも存在することを証明し, 獲得被膜を始めとして歯垢, 歯石の形成に多大に関与していることを示唆してきた。今回, fibronectinが実際にhydroxyapatite表面に吸着して獲得被膜を形成し得ることを確認するため, fibronectinのhydroxyapatiteに対する親和性 (affinity) を定量的に検討した。
    結果はLangmuirの吸着等温式に適合し, これより親和性を求めたところ, fibronectinでは2, 709ml/μM, 比較対照に用いたalbuminでは234ml/μMとなり, fibronectinはalbuminと比較にならないほどhydroxyapatiteに対して強い親和性を示すことが明らかになった。
  • 5. 広い人工的骨欠損へのhydroxyapatite blockの応用
    原 宜興, 古川 猛士, 鄭 有仁, 前田 勝正, 赤峰 昭文, 宮武 祥子, 岩本 恭行, 北村 哲朗, 青野 正男
    1986 年 28 巻 1 号 p. 131-143
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ブロック状のhydroxyapatite (HAP-B) を歯周治療に応用する目的で, ラット大腿直筋内埋入試験とビーグル犬歯槽骨内埋入試験を行なった。歯槽骨内埋入試験は, 実験に先立ち, 両側P2, P4を抜去し, 3ヵ月後P3, M1近心歯槽骨に3×5×5mmの人工的骨欠損を作製して, M1近心にはHAP-Bを填塞した。その結果, 6ヵ月の経過を通して, 大腿直筋内のHAPは線維性被膜によって被包されており, 周囲筋組織や全身主要臓器に障害像はみられなかった。歯槽骨内埋入試験の対照例の骨修復は, 近遠心的中央部の陥凹した状態で, 術後3ヵ月目にほぼ終了していた。一方HAP-B填塞例の骨修復は, HAPが骨内に埋入された状態で進み, 対照例にみられた陥凹は存在しなかった。術後3ヵ月目においても, 骨内に埋入されていないHAPが存在したが, HAP周囲には間葉系細胞の密度が高く, 類骨形成も認められた。これらのことより, 今回使用したHAP-Bは高い生体親和性と骨伝導能を有し, 有効な骨移植材となりうると考えられた。
  • 山田 了, 大須賀 豊, 簗瀬 一彦, 大島 みどり, 佐藤 徹一郎, 小林 博, 渡辺 嘉一, 本田 忍, 保母 良基, 鴨井 久一
    1986 年 28 巻 1 号 p. 144-160
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    バイオセラミックスの一種であるハイドロキシアパタイトを主成分としたペリオグラフをヒト垂直性骨欠損部75症例に応用し, その臨床成績を検討した。イニシャルプレパレーション終了後, 実験群に関しては, フラップォペレーションおよびPeriograf®による補填を行い, 対照群にフラップオペレーションのみを行った。臨床成績の評価法としては, 歯肉縁の位置, Pocket depth, attachment levelを測定し, 補填部の骨変化を見る目的でX線写真から術後1週における補填面積を100%とし, 各期間に残存している面積を比較した。その結果, 実験群と対照群を比較し, Clinical attachment level gain, Pocket depth decrease で, それぞれ危険率1%, 5%以下で統計学的有意差が認められ, 術後6ヵ月でPeriograf® の組織内残存率は62.2%であった。
  • -ウシ歯肉組織培養系におけるDPHの核酸および蛋白合成能に及ぼす影響-
    永田 俊彦, 石田 浩, 益田 忠幸, 笠原 信治, 篠原 啓之, 木戸 淳一, 若野 洋一
    1986 年 28 巻 1 号 p. 161-167
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ウシ歯肉の組織培養を行い, Diphenylhydantoin (DPH) の核酸および蛋白合成能に及ぼす影響を検索したところ, 実験した6例のうち3例にDPHによるDNA合成能の促進が認められ, 他の3例は変化が認められなかった。前者を応答群, 後者を非応答群とすると, 応答群におけるDPHの至適濃度は5μg/mlであった。RNA合成能は, 応答群ではDPHにより促進されたが, 非応答群では変化がなかった。蛋白合成能は, 応答群も非応答群もDPHの影響が認められなかった。
  • - ヒト歯肉線維芽細胞におけるニフェジピンおよびEGFの増殖に及ぼす影響-
    西川 聖二, 上野 明道, 石田 浩, 永田 俊彦, 浜崎 章弘, 幸田 直彦, 木戸 淳一, 若野 洋一
    1986 年 28 巻 1 号 p. 168-175
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    抗狭心症薬ニフェジピン服用患者で, 歯肉増殖症を認めた患者および認めない患者, またニフェジピンを服用している歯周病患者, 各1名から歯肉組織を採取し, 線維芽細胞培養系を確立した後, in vitroでのニフェジピンおよびEGFの細胞増殖に及ぼす影響を検討した。あわせて患者唾液中のEGFも定量した。
    ニフェジピン服用患者由来の歯肉線維芽細胞の培地中にニフェジピンを添加しても細胞増殖率およびDNA合成能の上昇は認められなかった。他の2例についても同様であった。EGF単独添加により, 全ての細胞にDNA合成能の上昇が認められたが, その上昇率には各群の差がなく, さらにEGF存在下でニフェジピンを添加してもEGF単独添加より上昇しなかった。また, 患者唾液中のEGF濃度に差は認められなかった。以上より, 本実験ではニフェジピンのin vitroでの増殖促進作用は認められず, EGFとの相互作用も認められなかった。
  • 大森 恒, 榊原 鋭郎, 岡部 京平, 稲垣 幸司, 山田 史郎, 中静 正
    1986 年 28 巻 1 号 p. 176-178
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    唾石形成におけるシュウ酸の役割を明らかにする目的で, 唾石症患者から採取した唾石中のシュウ酸量とカルシウム量を測定した。
    シュウ酸量の測定は, Horikawaらが開発した高速液体クロマトグラフィーを用いる測定法により測定した。
    唾石中のシュウ酸量は7.25±2.63n mol/dry weight mgで, カルシウム量は264.7±58.4μg/dry weight mgであった。この結果から, 唾石の形成にシュウ酸が関与していることが示唆された。
  • 2. ランゲルハンス細胞の動態
    宮武 祥子, 原 宜興, 前田 勝正, 赤峰 昭文, 相田 宜利, 青野 正男
    1986 年 28 巻 1 号 p. 179-185
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    辺縁性歯周炎の発症年代と炎症の程度によって, ランゲルハンス細胞 (LC) の動態に相違があるかどうかについて検索を行った。慢性辺縁性歯周炎罹患歯肉52症例, 78部位について, ウサギ抗ヒトS-100蛋白を一次抗体としたペロキシダーゼ抗-ペロキシダーゼ (PAP) 法を用いて, 歯肉上皮内のLCを同定し, 上皮細胞中に占めるその割合を算出した。対照には臨床的健康歯肉および歯肉炎罹患歯肉を用いた。その結果, LCは炎症性細胞浸潤が多くなる程増加する傾向があった。辺縁性歯周炎と対照群とでは, 高年層の場合に限り, 前者に有意に多く, 若年層と対照群とでは有意差はなかった。これらのことからLCは炎症歯肉において抗原提示細胞としての機能を発揮しているものと考えられ, さらに若年層の辺縁性歯周炎は中高年層のそれと病態が若干異なる可能性が示唆された。
  • 宮川 英祐, 田原 洋, 松江 美代子, 松江 一郎
    1986 年 28 巻 1 号 p. 186-202
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    近年, 遊離歯肉移植手術の必要性が高まり, 数多く行われるようになった。著者らは付着歯肉の幅を拡張する目的で行う歯肉歯槽粘膜外科手術にLyoduraを有効に応用することを考慮し, 雑犬の歯肉に応用した。Lyoduraがコラーゲン線維の豊富な結合組織に置換される過程を観察し, その治癒過程について組織学的に遊離歯肉移植術と比較した結果, 線維芽細胞, あるいはコラーゲン線維を伴った線維芽細胞が, 術後14日までに結合組織からLyodura内部に向かって, Lyodura本来のコラーゲン線維を分解しながら, 増殖, 遊走しているのが観察された。Lyodura使用時の最終的な治癒状態は, 遊離歯肉移植の場合と差異は無い。遊離歯肉移植部位のコラーゲン線維は過形成され, 最終的に治癒した移植部の形態は上皮が盛り上がった状態を呈したが, Lyodura部位はそれと比較すると移行的な形態を示した。
  • 臨床応用の可能性について
    三辺 正人, 古郷 辰二, 田村 利之, 早瀬 一雄, 島田 典嗣, 一之瀬 由喜子, 三輪 裕子, 堀 俊雄, 渡辺 是久, 阪本 泉, ...
    1986 年 28 巻 1 号 p. 203-212
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    歯周外科手術に局所的fibrin形成材料を応用し, そのfibrin形成能を人為的に変化させた場合, 治癒形式にどの様な変化が生ずるのかを検索する目的で実験を行なった。
    今回は, 局所的fibrin形成材料の紹介と, fibrin形成量, 形成されたfibrinの周囲組織との結合力, fibrin形成時期および周囲組織との反応について基礎的検討を行なった。
    その結果, 局所的fibrin形成材料は, (1) 操作性が簡便である。 (2) 種々の担体に固定化し創部へ応用できる。 (3) 周囲組織との親和性に優れ, fibrinnetworkを早期に形成・維持する。などの特徴を有することが解った。すなわち, 本材料は, 歯周外科手術後の創傷治癒機転にfibrinがどの様に関与しているのかを知る上で有用な材料であることが示唆された。
  • 深井 浩一, 長谷川 明
    1986 年 28 巻 1 号 p. 213-227
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    正常血圧を有する歯周疾患患者33名に対するフラップ手術時の血圧変動を操作時別, また5分毎に自動血圧計を用いて測定, 検討し次のような結論を得た。
    フラップ手術時の全体的な血圧変動は, 麻酔開始により最大血圧, 最小血圧ともに有意に上昇 (6.8%, 5.1%) し, その後手術操作の進展によって下降することなく麻酔開始時と同程度の上昇が維持された。手術操作の後半, 最も時間を要するルートプレーニング時には, さらに有意に血圧は上昇し同時に変位の幅が増大してくるのが認められた。術後30分では, 術中に比し最大血圧は減少し最小血圧は上昇したが術前安静状態には回復しなかった。
    術中の平均血圧上昇率は, 最大血圧で6.0%, 最小血圧で4.3%であった。
  • 坂田 真理子, 平岩 弘, 森田 学, 鶴見 真由美, 岡崎 眞奈美, 正村 眞佐雄, 小泉 和浩, 岸本 悦央, 渡邊 達夫
    1986 年 28 巻 1 号 p. 228-234
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    歯周疾患の予防・治療を行うには, ブラッシングによるプラークコントロールが最も重要である。一方, ブラッシング効果を高めるために, 歯磨剤に種々の薬効成分を加える研究も行われている。今回, フッ化ナトリウムを配合し塩化リゾチームの安定化をはかった新しい歯磨剤を歯肉炎に応用し, その効果を二重盲検法により検討した。男子学生67名に, プラシーボ歯磨剤, クロールヘキシジン含有歯磨剤, 塩化リゾチーム含有歯磨剤を4週間使用させ, 炎症の改善で効果の判定を行った。
    その結果, 塩化リゾチーム含有歯磨剤を使用した場合, 他の2種の歯磨剤と比較して発赤および腫脹に有意な改善が認められた (x2-検定) 。以上より, 本歯磨剤は, 炎症症状の一部を抑えブラッシングの補助的効果が認められることが明らかとなった。歯磨剤という応用法は, 家庭療法として手軽に利用できることから公衆衛生レベルでの有用性が示唆された。
  • 吉沼 直人, 音琴 淳一, 藤川 謙次, 佐野 裕士, 伊藤 公一, 村井 正大
    1986 年 28 巻 1 号 p. 235-243
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本実験の目的は, 0.2%Chlorhexidine水溶液と0.01%Sanguinarine含有Viadent ® 洗口液および, その歯磨剤のプラーク抑制効果を検討することである。実験開始時にProfessionaltoothcleaningを行いプラーク量を0にし, 各自の口腔清掃法にViadent ® 洗口液10ml, 30秒間の洗口を朝夕2回加え, 2週目にPlaqueIndexを記録し, 洗口を中止した。2週後に再びプラーク量を0とし, 0.2% Chlorhexidine水溶液による洗口をViadent ® と同様に2週間行わせ, PlaqueIndexを記録した。再び洗口を中止し, 2週後にプラーク量を0とし, Viadent ® 洗口液10m1, 30秒間の洗口を1日5回, ブラッシング時にViadent ® 歯磨剤を併用させ2週後にPlaqueIndexを記録した。その結果, 各実験期間でプラーク抑制効果は有意に認められた。Chlorhexidineの効果は最も高かったが, 副作用が多く認められた。一方, Viadent ® 製剤の使用では副作用はほとんど認められなかった。
  • 米田 栄吉, 佐々木 俊明, 山岸 定雄, 石川 潤一, 鈴木 祐平, 堀内 博
    1986 年 28 巻 1 号 p. 244-251
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    我々は, 身体障害者コロニーや病院施設において使用可能な, 自動口腔清掃装置を試作しその効果を検討した。本装置は, 本体部, 可動アーム部およびその先端につく加振ブラシより成り立っている。ブラシとしてコリス・カーブ歯ブラシ ® を改良し用いた。本学部学生12名および筋ジストロフィー患者17名において, 歯垢染色法によりプラーク除去効果を評価した。学生の3分間使用の結果では使用前2.1から使用後1.3, 筋ジス患者では使用前3.8から使用後2.1になった。本装置は大部分のプラーク除去には有効であったが, 隣接面歯頸部や歯列不正の部位ではプラークが残存した。しかし, 小型で給排水装置を備えているため, 各ベッド間の移動, 口腔内への注水や排唾排水において有用なものであった。
  • 李 文昭, 塩野 宗則, 鈴木 丈一郎, 武山 和夫, 片井 秀典, 野村 典生, 新井 高, 中村 治郎
    1986 年 28 巻 1 号 p. 252-262
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    歯周初期治療におけるO'Learyらのプラークコントロールレコードの推移を分析する目的で本研究を行った。被検者は比較的軽度から中等度の歯周疾患患者156名 (女98名, 男58名) であった。TBI毎にブラッシング方法と時間, O'Learyらのプラークコントロールレコードなどを記録し, 10%を目標に指導した。
    結果は, 術前のブラッシング法で一番多いのはスクラッビング法であり, 術前のブラッシング時間は3分以下が72 %と圧倒的割合であった。プラークスコァ20%へは92%の患者が達成でき, TBI回数は4.6回, ブラッシング時間は8.6分であった。プラークスコア10%へは58%の患者が達成でき, TBI回数は5.9回, ブラッシング時間は9.8分であった。部位別では下顎, 右側, 臼歯部, 近心, 舌側, 近遠心部が磨きにくい傾向が見られ, 特に臼歯部, 舌側, 近遠心部が極端に磨きにくかった。
  • 吉野 雅巳, 秋山 文也, 角田 達彦, 黒沢 章, 堀口 令一, 新井 高, 中村 治郎
    1986 年 28 巻 1 号 p. 263-269
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    下顎骨の垂直的高さと, 臨床的に不利な解剖学的歯冠歯根比との関係が, 歯周疾患の素因の1つに成りうるかを明らかにするために, 下顎骨の垂直的高さと, 歯槽骨吸収度, 歯冠長, 歯根長および解剖学的歯冠歯根比との関係を比較検討した。
    方法は, 無作為抽出法により, 歯肉炎および軽度ないし中等度の辺縁性歯周炎患者100名 (男性44名, 女性56名) のオルソパントモ写真を選択し, 下顎右側第2小臼歯から左側第2小臼歯を測定した。
    結果 (1) 下顎骨の垂直的高さ (CEJ-下顎骨下縁間距離) は加齢に伴ない増加した。 (2歯) の長さは加齢に伴ない減少した。 (3歯) 槽骨吸収度は加齢に伴ない増加した。 (4解) 剖学的歯冠歯根比は年齢群間に統計的有意差は認められなかった。 (5下) 顎骨の垂直的高さと歯槽骨吸収度との間には相関性は認められなかった。
  • 高塚 真理子, 矢部 曜子, 貴船 玲子, 柳村 知子, 原 耕二
    1986 年 28 巻 1 号 p. 270-280
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    新潟大学歯学部附属病院の新患患者972名の歯科用エックス線写真を用いて〓または〓の骨吸収量と骨吸収型の調査を行った。
    その結果, 骨吸収量は加齢的に増加し, 常に男性の方が大きく, この性差は加齢的に大きくなった。顎差もあり, 下顎の方が進行していることが明らかとなった。しかし, 歯種別に更に細かく分析すると, それぞれに特徴的な所見が認められ, 特に6では罹患率が低いにもかかわらず, 骨吸収が高度の症例において垂直型でのみ加齢的に有意な増加を示した。
  • 石川 秀忠, 田辺 雅次, 中村 信行, 斉藤 優理絵, 李 文昭, 塩野 宗則, 新井 高, 中村 治郎
    1986 年 28 巻 1 号 p. 281-286
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    比較的軽度の歯周疾患患者150名を用い, 歯周ポケットの深さ, 骨残存量, 動揺度の3項目について全部診査法とRamfjordの6歯法による部分診査法の比較検討を行なった。
    歯周ポケットの深さ, 骨残存量, 動揺度とも全部診査法とRamfjordの6歯法による部分診査法の間に推計学的有意差は認められなかった。また, 歯周ポケットの深さ, 骨残存量において, 歯群の平均値と, 歯群の代表歯および代表歯以外の歯の間に推計学的有意差は認められなかった。
    以上のことにより, Ramfjordの6歯法は部分診査法の一つとして有用であり, またその歯群内の他の歯が代表歯として使用できることも明らかになった。
  • 柳村 光寛, 柳村 知子, 原 耕二, 篠倉 均, 花田 晃治
    1986 年 28 巻 1 号 p. 287-298
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    この研究の目的は若年者の前歯部歯列不正にともなって生じた歯周組織の炎症や異常 (深いポケット, 角化歯肉・付着歯肉の不足, 歯の動揺) に対して, 歯周治療と矯正治療を行い, その効果を長期にわたって観察し, このような問題をもつ若年者の治療効果について考察することである。Gingival Index, Probing depth, 角化歯肉幅, 付着歯肉幅, 歯の動揺度, プラークスコアの変化を2~3年6ヵ月にわたって治療を続けながら観察した。その結果, 1) G.I. は1.32±0.48が0.23±0.48に改善した (P<0.001) 。2) Probing depthは2.10±0.70mmが1.88±0.64mmに減少した (p<0.001) 。3) 角化歯肉幅は3.76±1.24mmが3.99±1.20mmに増加した (p<0.001) 。4) 付着歯肉幅も1.72±0.94mmが2.45±1.01mmに増加した (p<0.001) 。5) 歯の動揺度は0.37±0.50が0.04±0.20と著明に減少したP<0.001) 。6) プラークスコアは86.3±17.0%が30%台に下ったが, 個人差が大きいことも判明した。
  • 吉江 弘正, 土田 和由, 清水 光雄, 原 耕二
    1986 年 28 巻 1 号 p. 299-307
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    プラークコントロール, 歯石除去, 歯肉掻爬, 咬合調整暫間固定を含む初期治療を, 143名の歯周疾患罹患者に施し, その治療効果を, コンピュータシステム (NEC PC9801F, ハードディスク, カードリーダー, CRT, プリンター) を使用して解析を行った。その結果, プラークスコアは, 初診時58.3±24.5%に対して, 初期治療終了時 (I-1), 再初期治療終了時 (I-2) では30.7±16.6%, 29.9±16.3%となり有意に減少した。歯肉炎指数2, 動揺度2度の割合が, 初診時26.9, 13.0%であったものが, I-1では8.8, 5.2%, I-2では3.0, 4.3%と著明に減少した。ポケットの深さでは初診時4~6mmのポケットを有した部位の平均が4.6±0.8mmであったものが, I-1では2.8±1.3mm, I-2では2.4±1.2mmと有意に減少した。初診時のポケットが深いほど, 治療後ポケットの減少値は大きく, 大臼歯に比べて前歯でより減少がみられた。根分岐部では, 減少する割合が小さく, ポケットの残存しやすいことが示された。また0.3-1.7mmと, 歯肉の臨床的付着の得られることが確認された。
  • 岡田 宏, 島内 英俊, 葛西 康宏, 木田 友信, 恵比須 繁之
    1986 年 28 巻 1 号 p. 308-318
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    18~26歳の重度歯周炎患者8名 (広汎型4例, 限局型4例-ただしincisor/molar以外の歯にも罹患している) の病態を, 臨床的, 免疫病理学的に検討した。末梢血液検査の結果, 全症例に血清免疫グロブリン値の軽度の異常と, 1例に高いASLO値を認めた。歯周治療を行うことにより, ASLO値は正常に復したが, 血清免疫グロブリン値は正常範囲に回復したものと, 依然異常値のままのものの2群が存在した。広汎型2例, 限局型1例の病変部歯肉組織中には多数の免疫グロブリン保有細胞が認められ, その大部分がIgG保有細胞で, 次いでIgA保有細胞が多く, IgM保有細胞はわずかであった。形質細胞とリンパ球数の比率は, 限局型で3: 2であったが, 広汎型になると4: 1と形質細胞数が著明に増加していた。限局型3例の病変部歯肉組織中のTリンパ球サブセットを検索した結果, OKT4+およびOKT8+Tリンパ球の検出率は, 成人型歯周炎患者における私達の報告と比べて差がなかったが, OKIa1+Tリンパ球の比率の低下が認められた。
  • 島内 英俊, 恵比須 繁之, 小川 知彦, 岡田 宏
    1986 年 28 巻 1 号 p. 319-327
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    18~26歳の重度歯周炎患者8名 (広汎型4例, 限局型4例) の末梢血好中球および単球の遊走能を検索した。その結果, 好中球遊走能は, 歯周組織に異常を認めない健常者に比べて, 広汎型4例中1例に有意の亢進, 限局型では4例中1例に有意の亢進, 2例に有意の低下が認められた。また, 単球遊走能は, 広汎型4例中1例に有意の亢進, 1例に有意の低下が認められたのに対し, 限局型では4例中2例に有意の低下が認められた。この単球遊走能の低下を示した限局型患者2名は, 好中球の遊走能もやはり低下していた。さらに, 好中球と単球の遊走能の低下が治療前に存在した2例について, 歯周治療終了後に再度検索を行った結果, やはり依然として好中球と単球の遊走能の両方に遊走能の低下が認められ, これらの患者における遊走能の低下は, 患者の生来保有している素質であることが示唆された。
  • 恵比須 繁之, 島内 英俊, 葛西 康宏, 脇田 由美子, 鮫島 義明, 神山 章, 福原 弘喜, 岡田 宏
    1986 年 28 巻 1 号 p. 328-339
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    若年性歯周炎と診断された20歳と18歳の姉妹およびその48歳の母親 (重度歯周炎により残存歯が7歯) の病態を, 臨床的, 細菌学的ならびに免疫学的に検討した。歯肉縁上プラークや歯石の沈着は姉妹共に少なかったが, 歯槽骨の吸収パターンは姉が広汎型, 妹は限局型 (ただし切歯と第一大臼歯以外の歯も罹患していた) と, 姉妹間に多少違いがみられた。姉妹の病変部ポケット内プラークを歯周治療の前後に採取し, 暗視野顕微鏡で検索したところ, 両者の初診時にかなりの割合で認められたSpirochetesとMotile rodsが治療後には減少し, 逆にCoccoid cellsの比率が上昇する結果を得た。姉妹および母親の末梢血好中球と単球の遊走能を測定した結果, 妹は両方の細胞に遊走能の低下が認められた。一方, 姉と母親は共に好中球の遊走能には異常がなかったが, 単球の遊走能が低下していた。妹の好中球と単球および姉の単球は, 歯周治療後の検査でも依然として遊走能低下が認められた。姉妹および母親の末梢血Tリンパ球サブセットを検索した結果, 7日後の培養において姉妹のOKIal+Tリンパ球の比率が健常者群や母親よりも低かった。
  • 上田 雅俊, 稲田 芳樹, 高津 兆雄, 沢田 好章, 山岡 昭, 加藤 成樹, 加藤 直樹, 楠 憲治, 小西 浩二
    1986 年 28 巻 1 号 p. 340-346
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    従来よりdentalstainの除去の一方法として用いられてきた超音波および手用スケーラーについて, その除去効果および除去後の状態についてin vitroで観察するとともに, Air-power abrasive systemとも比較検討を行った。その結果, Air-power abrasive system, 超音波スケーラー, 手用スケーラーの順で実験的stainの除去効果が高かった。一方, それとは逆に, 実験的stain除去後のmetallic plateの表面あらさは, 手用スケーラーが最大であり, ついで超音波スケーラー, Air-power abrasive systemの順であった。
  • 土屋 昭夫, 吉永 英司, 沼部 幸博, 鴨井 久一
    1986 年 28 巻 1 号 p. 347-354
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ペリオトロンエコノミー ® 臨床的評価を行なうことを目的としてつぎの検討を行なった。1) 異なった種類の検体を用い検体量の変動に伴う測定値の変化についての検討を行なった結果, ペリオトロン ® ペリオトロンエコノミーは危険率1%で統計的有意差がみられ, ペリオトロンエコノミーの方が高い測定値を示した。2) 初期治療中の患者15名のGCF量と主な臨床所見との相関は, GCF量とPlI, GI, GBIについては危険率1%で統計的有意な相関性を認めたがPDについては認められなかった。3) 初期治療前の患者5名の2週問のGCF量と主な臨床所見との検討の結果, GCF量, PlI, GIは経週的に減少しGBI, PDは変化しなかった。4) 実験的歯肉炎を発症せしめた5名の被験者の14目間のGCF量と主な臨床所見との検討の結果, GCF量, PlI, GIは経目的に減少しGBI, PDは変化しなかった。以上の結果から本測定器は臨床的にも有用なものであることが示唆された。
  • 日本歯周病学会医療委員会
    1986 年 28 巻 1 号 p. 355-363
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    歯周治療における診査, 処置にどの程度の時間を要するかということは, 今まであまり報告されていない。しかし, これは今後の歯科医療において , きわめて重要な要素を占めると考えている。そこで, プラーク付着量の診査, ポケット測定, 咬合診査, プラークコントロール, スケーリング, 暫間固定, フラップ手術の七項目について所要時間と付帯条件をアンケート調査した。調査は, 全国29歯科大学および大学歯学部と日本臨床歯周病談話会所属の13診療所に依頼した。その結果, 全施設における平均所要時間はプラーク付着量の診査; 12.8分±6、8, ポケット測定; 19.3分±10.3, 咬合診査; 26.1分±23.8, プラークコントロール; 36.8分±19.4, スケーリング; 39.9分±29.9, 暫間固定; 33.2分±17.7, フラップ手術; 87.3分±29.1であった。
  • 老化と免疫
    広川 勝〓
    1986 年 28 巻 1 号 p. 364
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 仁木 厚
    1986 年 28 巻 1 号 p. 365
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 28 巻 1 号 p. 366-378
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 28 巻 1 号 p. 379-430
    発行日: 1986/03/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
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