日本歯周病学会会誌
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29 巻, 4 号
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  • - 人工プラークの付着と脱離について-
    山口 好則
    1987 年 29 巻 4 号 p. 1043-1057
    発行日: 1987/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    近年, インプラントは多方面で利用されているが, なかでも人工歯根インプラントは顎骨内 (無菌領域) から口腔 (有菌領域) という特殊な位置に適用されるたあ, それ自体への細菌およびプラークの付着が問題となってくる。そこでインプラント材として多用されているアルミナセラミックスと細菌, プラークとの界面現象を解明する目的で, Storeptococcus mutansを用いアルミナセラミックスに対する菌体や, グルカンの付着あるいは人エプラークの付着と脱離について検討するとともに, 被検材料としての単結晶および多結晶アルミナセラミックス, テフロン樹脂, ガラスそしてステンレス金属片の”ぬれ性 (接触角) とグルカン, 人工プラークの脱離との関係についても考察を加えた。
    その結果, アルミナセラミックスの接触角は単結晶, 多結晶ともガラスのそれに近い低値を示した。付着については, 菌体, グルカン, 人工プラークとも材料問で有意の差は認められなかった。ただ材料の脱離抵抗性については, アルミナセラミックスは低い接触角 (高い”ぬれ性”) にもかかわらずプラークの脱離性が高かった。以上のことより, アルミナセラミックスは, プラークは付着するが脱離しやすい材料であると示唆された。
  • 第1報臨床的, 病理組織学的観察
    本郷 興人, 藤保 芳博, 菅野 寿一, 石川 純, 加藤 熈
    1987 年 29 巻 4 号 p. 1058-1075
    発行日: 1987/12/28
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    歯根の表面粗さがFlapoperation後の付着様式におよぼす影響を観察するために, サル4頭の上下顎臼歯頬側根頬側面88部位を用いて実験を行った。歯肉弁を剥離して一定範囲の骨を削除し, 根面上のセメント質を完全に除去した後, 滑沢にRoot planingする滑沢群と, 粗造化する粗造群とに分けた。実験計画を観察期間が1, 2, 4, 8週となるように組み, 臨床診査を行い, sacrifice後病理組織学的に観察した。その結果,
    1. 臨床的計測値 (PL. I., G. I., Probing Depth, Probing Attachment Level) は, 実験期間を通じて両群間に有意な差はなかった。
    2. 病理組織学的観察では, 上皮の根尖側移動は両群間に明確な差はなかった。新生セメント質は, 両群とも術後2週から観察され, 実験部位の最根尖側で最も厚かったが, 粗造群では歯冠側寄りの粗造面の凹部にも形成され, 根面を平滑化していた。なお, 骨再生は術後4週から生じたが, 両群間の差は明確ではなかった。
  • 第2報病理組織学的定量分析による評価
    本郷 興人
    1987 年 29 巻 4 号 p. 1076-1083
    発行日: 1987/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    Flap operation後の付着様式におよぼす歯根表面粗さの影響を明らかにする目的で実験を行った。サル4頭の上下顎臼歯88部位の根面を, 滑沢群と粗造群に分けて処置し, 術後1週から8週にわたって, 再付着の様式を病理組織学的に定量評価した。
    その結果,
    1. 上皮の根尖側移動率は, 粗造群の方が滑沢群よりも常に小さい傾向を示し, とくに術後2週では有意差が認められた。
    2. 新生セメント質の形成率は, 粗造群が滑沢群よりも術後2, 4, 8週で有意に高かった。
    3. 機能的な線維性付着率と骨の再生率は, 術後4週で粗造群が滑沢群より有意に高かったが, 術後8週では有意差がなくなった。
    以上の結果からFlap operationを行う場合, 再付着をねらう根面は, 汚染物質を除去した後に滑沢にするよりも粗造にするほうが, 線維性付着を得るために有利であると思われた。
  • 3. T cellサブセットの解析
    北村 哲朗, 宮武 祥子, 原 宜興, 前田 勝正, 赤峰 昭文, 青野 正男
    1987 年 29 巻 4 号 p. 1084-1093
    発行日: 1987/12/28
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    辺縁性歯周炎歯肉組織中において, T cellおよびそのサブセットとランゲルハンス細胞 (LC) の動態を中心に, 免疫担当細胞についてモノクローナル抗体を用いた免疫組織化学的検索を行った。対照には歯肉炎罹患歯肉を用いた。その結果, 総浸潤細胞数の増加につれ, 浸潤細胞中のTcel1の数的比率は低下し, Bcell, マクロファー一ジ, および上皮細胞中のLCは増加する傾向にあった. T suppressor/cytotoxic cell (Ts/c) の比率は細胞浸潤 (+), (++) の場合共に対照群に比べて有意に低下し, このためT helper/inducer cellとTs/cの比は対照群に比べて大きくなっていた。また, 上皮細胞に対するLCの数的比率の増加と, Tcellおよびその各サブセットのそれが相関しており, 両者の関連の深さが伺われた。
  • - ヒト白血球カテプシンDおよびEの分離精製と性質-
    國松 和司, 山本 健二, 市丸 英二, 加藤 有三, 加藤 伊八
    1987 年 29 巻 4 号 p. 1094-1101
    発行日: 1987/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 歯周疾患の発症ならびに進行過程におけるリソゾーム性アスパルチックプロテアーゼの役割を解明することである。歯肉満滲出液中の酵素量を酵素免疫測定法で定量するために, ヒト白血球を材料としてカテプシンDおよびEの精製を行った。両酵素は, Pepstatin-Sepharose4B, DEAE-Sephace1およびSephadex G―100の各種クロマトグラフィーによって同時精製された。最終酵素標品において, カテプシンDは比活性23, 000, 回収率21%, 精製度7, 000倍であり, カテプシンEは比活性75, 000, 回収率11%, 精製度23, 000倍であった。ゲル濾過法で求めた分子量は, カテプシンDが45, 000, カテプシンEは90, 000であった。ヘモグロビンを基質とした至適pHは, ともに3.0~3.5であった。両酵素はPepstatin, DAN, EPNPなどのアスパルチックプロテアーゼインヒビターによって特異的に阻害を受け, Cu2+, Pb2+, Fe3+およびPCMBによっても明らかに阻害を受けた。
  • -免疫電顕の応用と重層扁平上皮の各層の比較検討について-
    和田 聖二, 田中 利幸, 吉田 耕次, 乕田 肇, 魚部 健市, 田中 昭男, 筒井 正弘
    1987 年 29 巻 4 号 p. 1102-1110
    発行日: 1987/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    イヌ歯肉上皮細胞の細胞膜の微細構造を解明する一助として, 細胞膜に対するモノクロ抗体D1の対応抗原の局在性を免疫電顕を応用して観察した。間接免疫ペルオキシダーゼ法の結果, 凍結切片上では棘細胞の細胞膜に強い反応陽性所見が認められたが, 基底細胞の基底膜側および角質細胞の細胞膜は反応が陰性であった。高倍率の観察ではdesmosomeのattachment plaqueとそれに続く形質膜に反応陽性所見が認められ, 細胞質内小器官には反応産物は認められなかった。また酵素処理により遊離細胞とした場合も同様な結果となったことからモノクロ抗体D1の対応抗原は細胞膜表面を構成している物質であり, 歯肉上皮細胞の細胞膜は分化する際にその構成に変化が起こることが示唆される。
  • 田中 昭男, 吉田 耕次, 田中 利幸, 筒井 正弘, 民上 良徳, 今井 久夫, 山岡 昭
    1987 年 29 巻 4 号 p. 1111-1120
    発行日: 1987/12/28
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    歯肉線維腫症の超微構造を明らかにするために, 本疾患患者の歯肉組織を電顕的に観察した。すなわち, 3例の男性から得られたそれぞれの2 3 2 歯間季し頭と辺縁の歯肉を2.5%グルタールアルデヒドと2%パラホルムアルデヒド混液で固定し, 緩衝液で洗浄して1%オスミウム酸で固定し通法により電顕試料を作製し観察した。その結果, 上皮基底層にはメラノサイトがあり, メラノゾームはメラノサイト, ケラチノサイト, マクロファージ, 線維芽細胞にみられた。線維芽細胞の中にはciliaを有するものやコラーゲンを含むファコゾームをもったものがあった。また, 線維芽細胞の近くにはFLS線維もみられた。これらのことから本疾患では歯肉結合組織の改造が活発であることが示唆される。
  • - コラーゲンの種類および架橋処理の相違が創傷治癒反応におよぼす影響について-
    児玉 利朗, 三辺 正人, 古郷 辰二, 田村 利之, 山下 修, 大場 正道, 堀 俊雄, 渡辺 是久, 宮田 暉夫
    1987 年 29 巻 4 号 p. 1121-1131
    発行日: 1987/12/28
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    本研究は, 歯周外科手術後の創傷治癒を促進することを意図してコラーゲン膜を作製した。そして, その性状が, 創傷治癒過程におよぼす影響を知る目的で基礎的検討を行った。
    2種類のコラーゲン (アテロコラーゲン, テンドンコラーゲン) について, 架橋処理方法 (紫外線, ヘキサメチレンジイソシアネート) および, 架橋の程度を変化させた材料を試作した。そして, ラット上顎臼歯部口蓋歯肉を剥離根面を掻爬後, コラーゲンを移植し, 経時的な治癒反応を病理組織学的に検索した。その結果, コラーゲンを移植することにより, 接合上皮の根尖方向への移動が抑制され, 速やかな線維性結合組織が生ずることが明らかとなった。特に, 架橋処理されたアテロコラーゲンは, 組織親和性に優れ, 接合上皮の根尖方向への移動を最も著明に抑制した。
  • 吉川 亮, 林 明美, 奥田 一博, 原 耕二
    1987 年 29 巻 4 号 p. 1132-1144
    発行日: 1987/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    歯周疾患の進行に伴い歯髄組織に何らかの病変がおこると言われている。本研究の目的は, う蝕がなく高度の歯周炎に罹患し, 臨床的失活歯と診断された歯を用いて, 根管内細菌叢と歯周ポケット内細菌叢を同時に検索し比較検討することである。対象歯に臨床的およびX線的診査を行なった後, 根管内および歯周ポケット内より同時に内容物を採取し微分干渉顕微鏡, 嫌気培養法を用いて同定を行なった。その結果, 根管では嫌気培養により7症例中6症例に細菌の発育が認められ, 総菌数は104~108のオーダーで得られた。通性嫌気性菌に対して偏性嫌気性菌が圧倒的に優勢 (93.7%) であり, その中で分離頻度の高い菌種は, Streptococcus, Peptostreptococcus, Bacteroidesであり, これらは歯周ポケットからも同時に検出された。顕微鏡および培養法の根管における症例間のばらつきは大きかった。
  • 山下 薫, 佐藤 圭一, 山下 とも子, 吉江 弘正, 原 耕二, 佐々木 修二, 阿部 龍二
    1987 年 29 巻 4 号 p. 1145-1151
    発行日: 1987/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ラット歯周炎モデルで, 抗プラーク抗体の移入実験を行い, 歯周組織への影響を組織学的及び細菌学的に評価した。3ヵ月齢Wister系ラット30匹をIm. Sham. Con. 群の3群に分け, Keyes 2000 Dietで3ヵ月間飼育し歯肉炎を惹起させた。Im. 群ラットには, 抗プラーク抗体を屠殺前5日間連続して尾静脈より投与した。Sham. Con. 群には, それぞれ抗Sham抗体, PBSをIm. 群同様に投与した。血清IgGはSRID法, 血清IgG抗プラーク抗体価はELISA法にて測定した。組織学的には, 好中球, 単核球系細胞の浸潤細胞数及びその浸潤面積を測定した。さらにラット上顎口蓋側歯頸部より採取したプラークを嫌気培養し, そのCFUをカウントし, 細菌学的評価とした。その結果, 抗体投与により, Im. 群の抗プラーク抗体価はSham. Con. 群と比較して有意に増加した。血清IgG量は抗体投与にもかかわらず増加は認められなかった。浸潤細胞数及びその面積は, 3群間で有意の差はみられなかった。Im. 群でCFUの減少傾向が認められたものの, 有意差はみられなかった。以上の所見から, 抗プラーク抗体の全身投与が歯周組織に対してなんらかの影響があるとの証明にはいたらなかった。
  • 山村 早百合, 村上 純一, 岩山 幸雄, 梅本 利彦, 並河 勇
    1987 年 29 巻 4 号 p. 1152-1161
    発行日: 1987/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    グアヤコール配合ヨードグリコールパスタ (Gu-JG), ヨードグリコールパスタ (JG) ならびにグアヤコール (Gu) の細菌16種に対する抗菌作用を変法カップ法により比較し, さらに6菌種に対する各薬剤の最小発育阻止濃度, およびGuの抗菌活性を検討した。
    その結果,
    1. 変法カップ法による各種細菌の感受性は, Gu-JGはJGに比較して抗菌作用が強く, GuはGu-JG, JGに比較して細菌発育阻止効果が大きいか同程度であった。
    2. 6菌種に対する薬剤の最小発育阻止濃度は, Gu, Gu-JG, JGの順で大であった。
    3. 液体培地法によるGuの抗菌活性では, 濃度1%から0.1%の範囲で細菌発育抑制効果を示した。
    以上の結果から, Gu-JG, JG, Guは抗菌性を有し, Gu-JGが歯周ポケット貼布薬として局所で有効な抗菌性を示すことが示唆された。
  • 弓立 淳, 恵比須 繁之, 福原 弘喜, 木村 重信, 岡田 宏
    1987 年 29 巻 4 号 p. 1162-1169
    発行日: 1987/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    第一大臼歯あるいは切歯部に歯槽骨吸収が認められた15~34歳の歯周炎患者83名につき第一大臼歯および切歯部の両側性罹患の状態, 第一大臼歯の骨吸収の形状, および骨病変と臨床的病因因子の有無との関連性, さらに第一大臼歯と中切歯以外の全歯牙の罹患状態をX線写真上で分析し, 現行の若年性歯周炎の臨床診断基準について考察を加えた。
    骨吸収が歯根長の1/3を超える罹患歯の割合は, 増齢と共に増加した。10代では, 第一大臼歯と中切歯以外の歯の罹患率が低いが, 20代, 30代と増齢と共に罹患率は上昇した。また中切歯と第一大臼歯病変は左右対称性に認められる割合は低いが, 増齢と共に左右対称性病変が増え, 例えば30代では第一大臼歯の両側性病変は全体の67%に達していた。しかし20代でも左右対称性の限局性歯周炎が認められた。さらに, 第一大臼歯の近, 遠心側の歯槽骨吸収パターンを調べた結果, 近心に垂直型の歯槽骨吸収を伴うものが, 各年代共半数以上を占めた。しかし近心が正常で, 遠心に垂直型あるいは水平型の骨吸収を示す症例も多数みられ, しかも遠心に垂直性の骨病変を示す場合には接触点関係の異常とか隣接面修復物の存在などの臨床的病因因子が高率に確認された。この様に歯槽骨吸収に多様性をもたらす環境因子もからみ, 若年層の歯周炎を単にX線的臨床所見からのみ若年性歯周炎と診断することの困難性が指摘できる。そこで診断にあたっては臨床的観察にとどまらず, 病因論的な解析を行う必要性が感じられた。
  • 第5報初診時における質問表について
    金山 奎二, 伊藤 茂樹, 呉 中興, 北原 郷子, 小沢 嘉彦, 中山 雅弘, 坂本 浩, 太田 紀雄
    1987 年 29 巻 4 号 p. 1170-1180
    発行日: 1987/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    歯周病患者の実態を把握することは, 治療上大変重要なことである。そこで我々は, 昭和55年から, 昭和60年までの6年間に本学歯周病科を訪れた641名 (〓379名, ♀262名) の歯周病患者によって記入された質問表より, 患者の年齢, 主訴, 嗜好品, 習慣, 過去の治療経験, そして全身疾患等について性別, 年齢別分布を検討した。その結果, (1) 来院者は40歳代が多く男性に多かった。 (2) 主訴は食片圧入が82.8%と最も多かった。 (3) 嗜好品については飲酒, 喫煙, 固い食物とも40歳代男性に多かった。 (4) 過去における治療経験では除石経験者は65%を占め40歳代に多く, 又ブラッシングの回数は1日2回が最も多かった。 (5) 習慣については, いびきをかく人が半数以上を占め男性に多い。 (6) 全身疾患では高血圧が50歳代に多かった。 (7) 女性では生理不順, 生理痛が30, 40歳代に多かった。いずれの項目においても40歳代の占める割合が高いことが認められた。
  • 第4報歯肉出血指数について
    三上 格, 上野 益卓, 岡部 秋彦, 河野 昭彦, 深井 浩一, 大滝 晃一, 長谷川 明
    1987 年 29 巻 4 号 p. 1181-1198
    発行日: 1987/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    慢性辺縁性歯周炎患者200名の初診時の歯肉出血指数にっき検索を行った。その結果, 初診時のB. I. の平均は24.5%で, 0~29%が全体の72.5%を占めていた。男女別にみたB. I. の比較では有意差を認めなかった。
    疾患の進行度との関係では, 軽度16.4%<中等度21.4%<重度28.0%と進行するにつれB. I. が高くなる傾向を認めた。
    質問調査表との関係では, 歯肉出血, 歯肉腫脹, ブラッシング時の歯肉出血, 咀嚼障害を自覚する者, スケーリング, 歯肉の治療の既往のある者のB. I. は比較的高い値を認めた。
    1日のブラッシング回数との関係では, 1日3回27.0%>2回24.6%>1回24.0%とブラッシング回数が少なくなるにつれてB. I. が低くなる傾向を認めた。
    治療に対する熱意では, 予防を含めた治療を希望する者はB. I. が低い値を示した。
    プラーク付着状態, 歯石付着状態とB. I. との間に危険率1%以下で有意差を認め, B. I. とP. C. R., B. I. とmodified CI-Sの間に正の相関関係を認めた。
  • 3. 精神分裂病患者における歯周疾患の予防対策
    楠 公仁, 大沢 一茂, 小野寺 修, 金 容彰, 池田 克己
    1987 年 29 巻 4 号 p. 1199-1206
    発行日: 1987/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    精神病患者, とくに精神分裂病患者における歯周疾患の予防対策の検討を行う目的で, 前回の歯周疾患の予防対策の一環で行った精神分裂病患者9名に対する刷掃指導後の追跡調査を行った。調査方法は, Debrisindex, Gingival index, Gingival bleeding index, Pocket depth等の口腔内診査と, 前回の調査時に用いたアンケートと今回新たに作製したアンケートにより刷掃に対する意識調査を行った。その結果, 口腔内診査のGingival bleeding indexのみ前回に比較して高かったが, 他の診査結果は前回とほぼ同様であった。また, アンケートの結果から著者らが行った刷掃指導の内容はほとんど理解されていないことが解った。すなわち精神分裂病患者に対するモチベーションは難しく, 刷掃の効果を得るには意識的な教育をするよりも, 単に動作的に刷掃を習慣づけることが重要であることを再認識した。
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