本研究の目的は, 今金町の中学生における歯周疾患の罹患状態を調査し同時に行った口腔清掃指導の効果について, CPITNとGI, PlIを用い検討することである。診査部位は, 左右上下顎第一・第二大臼歯, 上顎左側及び下顎右側中切歯とした。調査および指導期間は, 1987~1991年の5年間で, 延べ1839人であった。初年度の診査結果は, CPITNのコードは, 0が42%, 1が19%, 2が32%, 3が7%, 4が0%であった。GI, PlIは, それぞれ平均1.56±0.97, 1.68±0.64であった。CPITNのコードは3年目まで大きな変化は認められなかったが, 4年目に悪化し, 5年目にはコード0が59%, 1が23%, 2が15%, 3が2%, 4が0%となった。また, GI, PlIは, 初めの3年間減少傾向が認められ, 4年目には一時的に悪化したが5年目には, 改善が認められた。以上の結果から, 診査対象は既報の他地域の同世代を対象とした研究結果と比較すると, 歯周組織の状態はやや良好な集団であり, 著者らが行ったブラッシング指導を伴う検診のシステムが有効であると考えられた。
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