日本歯周病学会会誌
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50 巻 , 1 号
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巻頭言
総説
原著
  • 齋藤 淳, 佐藤 陽子, 中川 種昭, 山田 了
    原稿種別: 原著
    2008 年 50 巻 1 号 p. 21-29
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/23
    ジャーナル フリー
    歯周治療における歯科衛生士の役割は大きく, 歯科医師と効果的に協調して治療に参画するためには, 患者の歯科衛生上の問題点を明らかにする能力が要求される。本研究の目的は, 「歯科衛生診断」を歯周療法学教育に導入する意義についての知見を得ることにある。3年制歯科衛生士教育の一部として平成17年度, 18年度の第3学年を対象に模擬患者実習を実施し, 学生の歯科衛生ケアプロセス展開における歯科衛生診断の記述内容を評価した。質的分析として, 歯科衛生ヒューマンニーズ概念モデルとの整合性について検討した。その結果, 歯科衛生ケアプロセスのなかで歯科衛生診断を行うことにより, 歯周領域を中心に, 対象者(患者)の歯科衛生上の問題についての思考が学生に促されたことが明らかとなった。しかし, 問題の捉え方は限局的であり, 対象者の心理・社会・行動面に対する意識は不十分であった。歯科衛生士としての包括的な視点について指導するうえで, 歯科衛生理論・概念モデルの効果的な応用が必要であると思われた。以上より, 歯科衛生診断の導入は, 歯科衛生士の歯周療法学教育において有用である可能性が示唆された。
    日本歯周病学会会誌(日歯周誌)50 : 21-29, 2008
  • 鈴木 丈一郎, 常盤 珠美, 望月 真穂, 海老沢 政人, 長野 孝俊, 湯浅 茂平, 金指 幹元, 五味 一博, 新井 高
    原稿種別: 原著
    2008 年 50 巻 1 号 p. 30-38
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/23
    ジャーナル フリー
    今回, 歯周疾患治療剤の塗布方法の違いによるプラーク除去効果と歯肉炎改善効果を検討した。被験者は鶴見大学歯学部5年生のうち歯列不正はなく咬合状態は正常で, 歯肉炎の認められた36名で, 被験歯はRamfjordの6歯とした。使用した薬剤は昭和薬品化工(株)社製ヒノポロンTMで, 塗布方法は, (1)試作歯ブラシ群, (2)塗布群(指), (3)塗布群(試作歯ブラシ)の3種類とし, 被験者を12名ずつの3群に振り分けた。試作塗布用歯ブラシの形状は, 毛の直径0.30mm, 毛束の長さ6mm, 3列23毛束のナイロン毛で柄はストレートタイプとした。臨床パラメーターとして, PlI, GI, BOPを用い, 実験開始前と4週間後で診査を行い, その差を改善率で求め, t検定を用い統計処理を行った。改善率は, PlIは試作歯ブラシ群 : 57.3±5.8%, 塗布群(指) : 44.7±14.8%, 塗布群(試作歯ブラシ) : 61.9±6.8%であり, GIは試作歯ブラシ群 : 82.4±3.5%, 塗布群(指) : 78.9±5.0%, 塗布群(試作歯ブラシ) : 66.7±11.3%であり, PlI, GIともに統計学的有意差は認められず, BOPは, 試作歯ブラシ群 : 64.4±12.9%, 塗布群(指) : 85.5±4.6%, 塗布群(試作歯ブラシ) : 87.9±3.1%であり, 試作歯ブラシ群と塗布群(指)間, 試作歯ブラシ群と塗布群(試作歯ブラシ)間で, 統計学的有意差(p<0.05)が認められた。歯周疾患治療剤(ヒノポロンTM)の使用により歯肉出血抑制効果に差が認められ, 試作塗布用歯ブラシを使用することにより, 指で塗布するのと同等の歯肉出血抑制効果があり, また, 試作塗布用歯ブラシにはプラーク除去効果も期待できる。
    日本歯周病学会会誌(日歯周誌)50: 30-38, 2008
症例報告
  • 久野 知子, 吉成 伸夫
    原稿種別: 症例報告
    2008 年 50 巻 1 号 p. 39-49
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/23
    ジャーナル フリー
    広汎型侵襲性歯周炎は, プラークの付着量と疾患重症度に相関を認めず, Porphyromonas gingivalis (P.g.), Tannnerella forsythia (T.f.), Treponema denticola (T.d.), およびAggregatibacter actinomycetemcomitans (A.a.) の対総菌数比率が健常者の細菌叢よりも高く, 歯肉所見が軽度であるのに対し, 急速な歯周組織破壊を伴うことを特徴とする歯周炎である. 本報では, 広汎型侵襲性歯周炎と診断された30歳男性患者に対して, 歯周ポケット内細菌叢の変化を検索し, 歯周基本治療終了後, 抗菌薬感受性試験に基づく抗菌療法を施行した. 抗菌療法による総細菌数の減少を確認後, Enamel matrix derivative (EMD) (Emdogain®Gel, 生化学工業, 東京), 組織誘導再生法 (Guided Tissue Regeneration Technique; GTR法), および人工骨を併用した歯周組織再生療法を施行し, 歯周組織の再生を図った. 現在, 歯周維持療法(Supportive Periodontal Therapy; SPT)に入り4年が経過しているが, 歯周組織は良好に維持されている.
    日本歯周病学会会誌(日歯周誌)50 : 39-49, 2008
  • 峰 真理子, 米田 雅裕, 鈴木 奈央, 内藤 徹, 岡田 一三, 内田 初美, 吉兼 透, 島野 裕一, 岩元 知之, 廣藤 卓雄
    原稿種別: 症例報告
    2008 年 50 巻 1 号 p. 50-57
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/23
    ジャーナル フリー
    本症例は原因が口腔内にある真性口臭症であったが, 本人には自覚がなく歯科治療に対する意欲も少なかった。強い口臭を指摘すれば歯科治療を積極的に受ける可能性があるが, 一方で必要以上に口臭を気にし始め社会生活が困難になる危険もある。今回, われわれは歯科医師と歯科衛生士が協力し, 口臭に対する不安を生じさせずに治療に対するモチベーションを高めるように努力した。患者は56歳, 女性で初診の約2年前から家族から口臭を指摘されるようになったとのこと。本人には口臭の自覚がまったくないが, 夫のすすめで本院口臭クリニックを受診。初診時の口臭検査は全ての項目について「強い口臭」と判定された。口腔清掃は不良で舌苔付着も多かった。全顎的に歯周炎に罹患しており, 歯根破折や齲蝕も認められた。口臭の原因を説明し, 放置していると口臭が強くなることを説明したところ, 治療に積極的に参加するようになった。治療開始後の患者は協力的で順調に治療が進行した。抜歯を含む歯周治療を行ったが, 歯科衛生士はモチベーションの維持, 口腔衛生指導, 口臭に対する不安の解消等に努めた。治療後の歯周組織の状態は安定しており, 口臭も全ての検査で陰性であった。モチベーションが成功したため, 家庭での清掃が継続され長期間にわたって安定した歯周環境と低い口臭を維持できたと考えられる。このように, 真性口臭症の治療では歯科衛生士の役割は重要であると考えられる。日本歯周病学会会誌(日歯周誌)50 : 50-57, 2008
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