日本歯周病学会会誌
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58 巻 , 3 号
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ミニレビュー
原著
  • 白川 哲, 氏家 優子, 横山 拓哉, 中山 佑平, 早田 優樹, 丹羽 尭彦, 船津 太一朗, 荒井 千明, 長野 孝俊, 五味 一博
    2016 年 58 巻 3 号 p. 107-116
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/11/03
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    現在,種々の植毛形態を有する音波歯ブラシが市販されているが,音波歯ブラシという一括りの分類で評価することが難しく,個々に評価する必要がある。本研究の目的は,フレックスケアープラチナ(音波歯ブラシ,PHILIPS社製)のプラーク除去効果,臨床パラメーターならびに細菌叢の影響について,手用歯ブラシと比較して評価することである。

    歯周炎患者20名を無作為に10名ずつ音波歯ブラシ群と手用歯ブラシ群に分けた。開始日において臨床パラメーター,細菌検査,プラーク付着量を測定した後,各歯ブラシによる歯ブラシ指導を行った。各歯ブラシを継続使用させ,2週および4週後に臨床パラメーター,プラーク付着量を測定し,4週後では細菌検査を再度行った。

    その結果,両群のプラーク付着量に統計学的有意差を認めなかった。両群とも経時的に臨床パラメーターの改善を認め,開始日と4週後の間で有意差を認めた。両群間の臨床パラメーターの比較では,2週後において音波歯ブラシ群が手用歯ブラシ群に比べBOP,PDで有意な減少を示した。細菌検査では両群とも4週後で有意な減少を認めたが,両群間で差は認められなかった。

    プラーク付着量に差が認められないにも拘らず,音波歯ブラシ群において早期にBOP,PDの改善が認められた。これは,音波振動による歯肉へのマッサージ効果により,短期間で臨床パラメーターの改善効果を促した可能性が考えられた。

症例報告レビュー
症例報告
  • 亀井 英彦, 稲垣 幸司, 祖父江 尊範, 横井 共, 中山 敦史, 吉田 憲司, 岩田 敏男, 酒井 直子, 栗田 賢一, 後藤 滋巳, ...
    2016 年 58 巻 3 号 p. 125-136
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/11/03
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    遺伝性歯肉線維腫症(hereditary gingival fibromatosis,HGF)は,主に小児期に発症し,歯肉の線維性増殖を特徴とする稀な遺伝性疾患である。病因として,主に遺伝的背景が挙げられるが,プラークが歯肉増殖の発症や,治療後の再発を誘発することも知られている。基本的な治療法は,歯周基本治療後に,歯肉切除術等を行うことであるが,術後の再発に対しては,良好な口腔衛生状態を維持することと,再発部位に対する外科処置が不可欠である。

    過去の文献に示されている通り,歯列不正を伴うHGF患者は少なくない。歯列不正は機能的,審美的に問題を生じるだけでなく,口腔清掃の困難性や口呼吸の誘発等により,増殖歯肉と共にプラークリテンションファクターとしてHGF患者における歯肉増殖の進行や再発に悪影響を及ぼすことが考えられる。

    今回,3世代にわたり歯肉増殖の認められた日本人家系のうち,重度の歯肉増殖が認められ,HGFと診断した18歳女性患者に対し,歯周基本治療,歯周外科治療,矯正治療を含めた包括的歯科治療を行い,良好な経過が得られた。そこで,重度HGFに対する歯周外科手術について検討し,また,この10年の治療経過を基に,包括的歯科治療によりプラークリテンションファクターを管理することの有効性について呈示した。

  • 齋藤 政一
    2016 年 58 巻 3 号 p. 137-147
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/11/03
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    広汎型重度慢性歯周炎患者に歯周基本治療,歯周外科治療,口腔機能回復治療およびサポーティブぺリオドンタルセラピー(SPT)を含む包括的歯周治療を行い,19年間にわたり良好に顎口腔機能を維持した症例について報告する。本症例から顎口腔機能を長期的に維持・安定させるためには動的歯周治療後,SPTに入ってからも注意深く口腔の変化を観察し炎症と力のコントロールのしっかりとした対応が必要であること,さらにSPT中に問題が生じた場合は必要に応じて積極的に治療介入していくことが重要であることが示された。

その他
  • 倉治 竜太郎, 橋本 修一, 伊藤 弘, 沼部 幸博
    2016 年 58 巻 3 号 p. 148-154
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/11/03
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    歯周病学をはじめ口腔内の研究では,齧歯類を対象として実験を行うことが多い。こうした動物の口腔内に種々の処置を行う場合は,開口状態の保持や視野確保が実験手技を安定させる上で極めて重要な要素となる。しかし,マウスの開口を保持する専用器具は提案されていない。そこで我々は,既存のラット開口器を応用し,幅広い週齢のマウスに適合する規格化された開口器の作製を目的として,開発を行った。本考案は,1.5 mmステンレス線を用いた長方形の切歯係止フレームと,フレーム内側に対向して取り付けた左右口角鈎,フレーム基端部に取り付けた開口調節体から構成される開口器である。各週齢マウスへの本器の適合性を評価するため,4週齢,6週齢,10週齢BALB/cマウスを対象に,本器各部による開口保持状態を観察した。本器の開口調節体により,体重の異なる全週齢マウスの開口を安定して保持することができ,口腔内観察を良好に実施できた。また本器装着時の口腔内実験への応用例として,口蓋歯肉への薬液注射,および上顎臼歯への絹糸結紮による実験的歯周炎作成を行い,本器を用いた場合の処置時の視野確保と器具の到達性などを検討した。本器を用いた開口保持により,各種器具を挿入した口腔内実験を良好に実施できた。なお,総ステンレス製の本器は,オートクレーブ,乾熱滅菌も可能となっている。本器は実用新案登録済みである(公開番号2014-004789)。

  • 齋藤 淳
    2016 年 58 巻 3 号 p. 155-159
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/11/03
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    この度,香港における歯周病専門医認定試験に外部評価者として参加する機会を得たので,歯周病専門医の育成システムと認定試験の実際について報告する。

JSP/JACP ポスターセッション抄録集
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