日本歯周病学会会誌
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59 巻 , 1 号
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ミニレビュー
原著
  • 田上 綾香, 園木 一男, 秋房 住郎, 福原 正代, 粟野 秀慈, 角田 聡子, 邵 仁浩, 岩崎 正則, 安細 敏弘
    2017 年 59 巻 1 号 p. 19-27
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2017/04/12
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    80歳地域住民において糖尿病と歯周病が生命予後に影響するのか検討した。平成10年福岡県北九州市とその近郊に在住する80歳697名が歯科・内科検診を受診した。697名の12年後の生存調査から,全死亡および肺炎,循環器疾患,悪性腫瘍による死亡に分けて解析を行った。4 mm以上の歯周ポケットのある歯数が0~4本を軽症歯周病群(526名,無歯顎者を含む),5本以上を重症歯周病群(169名)とした。糖尿病群は血糖値200 mg/dl以上または糖尿病の既往歴や血糖降下剤を服用している77名とした。重症歯周病群は軽症歯周病群より肺炎死リスクが12年間で2.28倍有意に高かったが,全死亡,循環器死,悪性腫瘍死には影響しなかった。糖尿病群は12年間で非糖尿病群より全死亡,肺炎死のリスクが高かった。非糖尿病+軽症歯周病群,非糖尿病+重症歯周病群,糖尿病+軽症歯周病群,糖尿病+重症歯周病群の4群では,非糖尿病+軽症歯周病群に比べ肺炎死リスクが,非糖尿病+重症歯周病群で2.90倍,糖尿病+軽症歯周病群で5.93倍,糖尿病+重症歯周病群で6.20倍と上昇した。全死亡リスクは糖尿病+軽症歯周病群で2.24倍,糖尿病+重症歯周病群で2.21倍と有意に上昇した。80歳地域高齢者では重症歯周病があると肺炎死リスクが増大するが,糖尿病を合併するとさらに肺炎死リスクが上昇する可能性が示唆された。

  • 石井 マイケル大宜, 村樫 悦子, 五十嵐 (武内) 寛子, 荘司 洋文, 沼部 幸博
    2017 年 59 巻 1 号 p. 28-38
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2017/04/12
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    Alpha-lipoic acid (ALA) is a known anti-inflammatory agent that can be used as a pharmacological agent in adjunctive therapy to inhibit the recurrence of periodontitis. This study investigated the inflammatory regulation effect of pre-administered ALA on human gingival fibroblasts (HGFs) stimulated with Escherichia coli-derived lipopolysaccharide (LPS). HGFs were administered ALA and then stimulated with LPS. Western blot analysis was used to investigate activation of the nuclear factor-kappa B (NF-κB) signaling pathway. Analysis of NF-κB p65 nuclear translocation was performed using an immunofluorescence, assay and inflammatory cytokine (TNF-α, IL-1β, IL-6, and IL-8) secretion analysis was conducted using an enzyme-linked immunosorbent assay. NF-κB signaling pathway expression was increased by LPS stimulation. However, increased NF-κB signaling pathway expression was down-regulated by ALA pre-administration. Further, NF-κB p65 was translocated to the nucleus by LPS stimulation. However, NF-κB p65 translocation was inhibited by ALA pre-administration. The secretion of TNF-α, IL-1β, IL-6, and IL-8 was increased by LPS stimulation but down-regulated by ALA pre-administration. The results of this study demonstrated that ALA regulated the secretion of inflammatory cytokines via regulation of NF-κB signaling pathway activation in HGFs, which suggests that ALA has the potential to regulate periodontal tissue inflammation.

トピック紹介
症例報告
  • 永田 鈴佳, 池田 康男
    2017 年 59 巻 1 号 p. 48-55
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2017/04/12
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    関節リウマチ(RA)に罹患している重度慢性歯周炎患者に対し,医科との連携によって歯周治療を行った後,良好な経過を得た症例を報告する。患者は42歳女性で,右側臼歯部歯肉の出血と腫脹を主訴に来院した。全顎的に歯肉は浮腫性に腫脹し,プロービングデプス(PD)の平均値は5.1 mm,4 mm以上のPDの割合は75.6%,プロービング時の出血(BOP)は82.2%で,プラークコントロールレコード(PCR)は80.4%であった。またデンタルX線では高度な水平性および垂直性骨吸収が認められ,広汎型重度慢性歯周炎と診断された。全身的既往歴として10年前にRAを発症し,9年間副腎皮質ステロイドを服用している。歯周基本治療として,プラークコントロール後スケーリング・ルートプレーニングを行うとともに,かかりつけ内科医に血液検査のデータを照会し,リウマチ症状の経過および内服薬についての把握を行った。その後歯周外科治療を経て歯周組織は安定したためSPTへ移行した。現在SPT後2年6ケ月経過しており,PDの平均値は2.6 mm,4 mm以上のPDの割合は6.0%,BOPは8.7%,PCRは15.0%と歯周組織は安定している。リウマチ症状の経過としては,初診時に全身の関節痛があり日常生活にも支障があったが,歯周組織の改善とともに関節痛が少しずつ軽減した。しかし血液検査におけるリウマトイド因子は安定せず,必ずしも歯周組織の状態と関連性はみられなかった。

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