パーソナリティ研究
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22 巻 , 1 号
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原著
  • 小林 麻衣
    原稿種別: 原著
    2013 年 22 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2013/07/30
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
    本研究では人々の学業目標追求時の自己統制葛藤状況に焦点をあて,学業場面における誘惑対処方略 (Temptation Coping Strategy in Academic situation: TCSA)に関する尺度を作成し,その信頼性および妥当性を検討した。研究1では,予備調査で選定された40項目に対して,大学生に回答を求めた。因子分析の結果,TCSA尺度は「目標意味確認方略」「気分転換方略」「誘惑回避方略」「目標実行方略」の4つの下位尺度(計20項目)から構成されることが示された。研究2では妥当性の検証を目的に,自己調整学習方略,学業的満足遅延,先延ばし意識特性との関連を検討した。研究3では,再検査信頼性の検討を行った。その結果,妥当性に関して幾つかの課題が残るものの,TCSA尺度の信頼性と妥当性が確認された。
  • 年齢,身体機能,感情調整,精神的健康の関係に注目して
    中川 威, 権藤 恭之, 石岡 良子, 田渕 恵, 増井 幸恵, 呉田 陽一, 高山 緑, 冨澤 公子, 高橋 龍太郎
    原稿種別: 原著
    2013 年 22 巻 1 号 p. 13-22
    発行日: 2013/07/30
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
    多くの高齢者が身体機能の低下を経験する一方,well-beingは比較的高く維持されることが知られてきた。この一見矛盾した反応への説明のひとつとして,人は感情状態を調整するように動機づけられ,感情調整をできるようになるという仮説が示されている。本研究では,中高齢期における感情調整の発達が,精神的健康に与える身体機能の低下の影響を打ち消すか検討することを目的とした。調査対象者は地域在住者1,047名(年齢範囲:55~105歳)であった。共分散構造モデルでは,年齢が高くなると身体機能は低下し,感情調整を抑制していた一方,身体機能の影響を統制すれば,年齢が高くなると感情調整は高まり,感情調整は精神的健康と肯定的な関連を示した。以上の結果,高齢者は,精神的健康に否定的な影響を与える身体機能の低下を経験しても,加齢に伴う感情調整の発達によって精神的健康を維持するという仮説が支持された。
  • 藤井 勉
    原稿種別: 原著
    2013 年 22 巻 1 号 p. 23-36
    発行日: 2013/07/30
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
    本研究では,潜在的な対人不安を測定する潜在連合テスト(Implicit Association Test:IAT)を作成した。研究1では,55名の大学生および大学院生とその友人162名を対象に実験を行った。参加者の顕在的/潜在的不安と他者評定の特性不安/状態不安の関連から,対人不安IATの予測的妥当性が示された。研究2では,32名の大学生および大学院生を対象に実験を行い,シャイネスを測定する潜在連合テストと対人不安IATの相関関係を検討した。両者の相関係数はr=.46 (p<.01)であり,対人不安IATの併存的妥当性が示された。研究3では,26名の大学生および大学院生を対象に,対人不安IATを1週間の間隔を空けて実施し,対人不安IATの再検査信頼性を検討した。2回のIAT間の相関係数はr=.76 (p<.01)であり,十分な再検査信頼性が示された。一連の研究において,対人不安IATの妥当性,信頼性は十分であると判断された。
資料
  • 畑 潮, 小野寺 敦子
    原稿種別: 資料
    2013 年 22 巻 1 号 p. 37-47
    発行日: 2013/07/30
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
    本研究では,Block & Kremen(1996)が作成したエゴ・レジリエンス尺度(ER89)の日本語版を作成し,その信頼性,妥当性の検討を行った。研究1では,ER89日本語版尺度を作成し,大学生520名に質問紙調査を実施した。主成分分析の結果,原版と同じ14項目1成分解が得られ,十分に高い内的整合性(α=.82)が確認された。研究2では,ER89日本語版尺度の妥当性の検討を行った。大学生261名(サンプル1)と大学生240名(サンプル2)に質問紙調査を実施し,他の概念(レジリエンス,精神的健康度)との関連から本尺度の併存的妥当性および構成概念妥当性が確認された。以上により,ER89の日本語版の信頼性と妥当性が明らかにされた。
  • 大学生の高反すう傾向者を対象とした予備的検討
    長谷川 晃
    原稿種別: 資料
    2013 年 22 巻 1 号 p. 48-60
    発行日: 2013/07/30
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
    本研究は抑うつ的反すうの能動性に焦点を当てた介入プログラムの効果を検討した。抑うつ傾向と抑うつ的反すう傾向の高い大学生を,無作為に介入プログラムを受ける実験群(12名)と特別な介入を受けない統制群(11名)に振り分けた。介入プログラムは,抑うつ的反すうに関するポジティブな信念を反証し,抑うつ的反すうの持続を導くプラン・目標を弱めることに焦点をおいた2週間のトレーニングから構成された。実験の結果,実験群のみ抑うつ的反すうの頻度と,反すうすることで自己や状況の洞察が得られるという信念の確信度が減少した。更に,抑うつ的反すうの頻度の変化は,この信念の確信度の変化と連動していた。以上の知見は抑うつ的反すうを変容するための介入技法の洗練に繫がるものである。また,抑うつ的反すうが個人の能動性によって持続するというモデルと一致しており,抑うつ的反すうの持続過程の理解に寄与する知見である。
  • 村山 恭朗
    原稿種別: 資料
    2013 年 22 巻 1 号 p. 61-72
    発行日: 2013/07/30
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
    不適応な感情制御方略である抑制と反すうは抑うつへの脆弱性を高める要因である。先行研究において,思考抑制と反すうとの縦断的関係が議論されており,どちらのモデルも報告されている。そこで本研究は,抑うつへの脆弱性が高い女子大学生(55名,18.98歳)を対象として,ストレッサーとの相互作用を通じて,日常的な思考抑制傾向が反すうの強さに影響を及ぼすプロセスを検討するために縦断的調査を行った。その結果,思考抑制傾向が強い女子大学生では,ストレッサーを経験するほど反すうが強まったが,思考抑制傾向が低い女子学生ではストレッサーを経験しても反すうの強さは変化しなかった。本研究結果から,思考抑制傾向は反すうを強める要因である可能性が示唆される。
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