パーソナリティ研究
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24 巻 , 1 号
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原著
  • 新井 博達, 弘中 由麻, 近藤 清美
    原稿種別: 原著
    2015 年 24 巻 1 号 p. 1-14
    発行日: 2015/07/31
    公開日: 2015/08/07
    ジャーナル フリー
    本研究では,社交不安の認知モデル(Clark & Wells, 1995)に基づき,ひきこもり親和性と社交不安症状と対人的自己効力感の関連について検討を行った。大学生246名(男性101名,女性145名)を対象として,ひきこもり親和性を測定する尺度,Liebowitz Social Anxiety Scaleの日本語版,対人的自己効力感尺度を用いた質問紙調査を実施した。共分散構造分析の結果から,社会場面における恐怖感/不安感が,ひきこもり親和性に対して直接的な正の影響を与えていることが示された。その一方で,社会場面における回避が,ひきこもり親和性に対して直接的な影響を与えていることは示されなかった。また,対人的自己効力感は,社会場面における恐怖感/不安感を介して,ひきこもり親和性に対して間接的な負の影響を与えていることが示された。以上の結果から,ひきこもり親和性の高い人々に対する予防的な介入として,対人的自己効力感を高めるような働きかけが有効である可能性が示唆された。
  • —教師や親への信頼信念との交互作用の観点から
    酒井 厚, ローテンバーグ ケン,J., ベッツ ルーシー, 眞榮城 和美
    原稿種別: 原著
    2015 年 24 巻 1 号 p. 15-25
    発行日: 2015/07/31
    公開日: 2015/08/07
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,児童期の子どもが仲間に抱く信頼信念と学校での孤独感との関連について,教師や親への信頼信念との比較から検討することであった。また,子どもが仲間に抱く信頼信念と教師や親に抱く信頼信念との交互作用による孤独感への効果についても検討を行った。小学校3∼4年生176名を対象に,子ども用信頼信念尺度と学校での孤独感尺度から成る質問紙調査を実施した。信頼信念尺度は,確証型因子分析により,子どもが4対象(母親・父親・教師・仲間)に抱く信頼信念を3つの要素(信頼性・情緒性・正直さ)から同質に評価する構造であることが示された。階層重回帰分析の結果,子どもが仲間と教師それぞれに抱く信頼信念の交互作用項が学校での孤独感を有意に予測していた。仲間への信頼信念が低い場合に,教師への信頼信念が高い子どもが低い子どもに比べて孤独感が高いことが示され,両者への信頼のバランスと子どもの個人差の観点から論じた。
  • 田村 紋女, 小塩 真司, 田中 圭介, 増井 啓太, ジョナソン ピーターカール
    原稿種別: 原著
    2015 年 24 巻 1 号 p. 26-37
    発行日: 2015/07/31
    公開日: 2015/08/07
    ジャーナル フリー
    Dark Triad (DT)とはマキャベリアニズム,サイコパシー傾向,自己愛傾向という3つの反社会的なパーソナリティ特性を指す。本研究の目的は,DTを簡便に測定できるDark Triad Dirty Dozenの日本語版(DTDD-J)を作成し,信頼性と妥当性を検討することであった。246名の大学生がDTDD-J,各DT特性に対応する既存のDT尺度,ビッグファイブ尺度に回答した。確認的因子分析の結果,各DT特性に対応した3つのグループ因子と総合的なDT特性による1つの一般因子から構成されることが示された。内的信頼性はサイコパシー傾向を除くといずれも高い値が示された。併存的妥当性と弁別的妥当性についても概ね先行研究を支持する結果であった。以上から,DTDD-JはDTを包括的,かつ効率的に測定できる尺度として一定の信頼性と妥当性を持つことが示された。
  • 嘉瀬 貴祥, 大石 和男
    原稿種別: 原著
    2015 年 24 巻 1 号 p. 38-48
    発行日: 2015/07/31
    公開日: 2015/08/07
    ジャーナル フリー
    本研究では,大学生におけるタイプA行動様式(タイプA)および首尾一貫感覚(SOC)が抑うつ傾向に与える効果を検討した。タイプA, SOC, および抑うつ傾向の測定には,KG式日常生活質問票(山崎・田中・宮田,1992),13項目版SOCスケール(山崎,1999),自己評価式抑うつ尺度(福田・小林,1973)をそれぞれ用いた。245人の大学生の調査データをもとに二要因分散分析を行った結果,タイプAの下位尺度である攻撃・敵意性が高い者は抑うつ傾向が高く,SOCが高い者は抑うつ傾向が低いことが示された。加えて,SOCが高い場合,タイプAの下位尺度である行動の強さ・速さが高い者ほど,抑うつ傾向が低いことも示された。これらの結果より,抑うつ傾向にはタイプAにおける攻撃・敵意性と行動の速さ・強さ,それにSOCが関連を持つことが示唆された。
  • 岡田 涼, 小塩 真司, 茂垣 まどか, 脇田 貴文, 並川 努
    原稿種別: 原著
    2015 年 24 巻 1 号 p. 49-60
    発行日: 2015/07/31
    公開日: 2015/08/07
    ジャーナル フリー
    本研究では,メタ分析によって日本人の自尊感情の性差を検討した。また,性差の程度に影響を与える調整変数として,年齢段階,調査年,翻訳種の効果を検討した。包括的なレビューを通して,Rosenberg Self-Esteem Scaleを用いて日本人の男女ごとの自尊感情を測定している研究を検索した。検索の結果,1982年から2013年に発表された50研究を収集した。収集された研究をもとに効果量を推定したところ,その値はg=.17 (Hedgesのg)であり,女性よりもわずかに男性の方が高かった。また,調整変数については,年齢段階と調査年によって,自尊感情の性差の程度が異なっていた。本研究の知見は,日本人における自尊感情の性差について論じるための実証的な基盤となり得るものである。
  • 藤野 正寛, 梶村 昇吾, 野村 理朗
    原稿種別: 原著
    2015 年 24 巻 1 号 p. 61-76
    発行日: 2015/07/31
    公開日: 2015/08/07
    ジャーナル フリー
    Mindful Attention Awareness Scaleは,気づきと注意の程度に注目して開発された,マインドフルネスを測定する尺度である。本研究では,この日本語版MAASを開発し,18歳から84歳の377名の日本人を対象として信頼性と妥当性を検討した。探索的因子分析で,原版と同様に1因子構造で内的整合性が高いことが確認された。また,気づきと注意について検討するために用いた開放性尺度・反芻尺度・アクションスリップ尺度や,Well-Beingに関連する複数の尺度との相関分析で,原版と同様の傾向が確認された。さらに,従来から指摘されていたマインドフルネスの非常に低い群で測定精度が低下するという問題点に関して,項目反応理論を用いた分析を実施した結果,測定精度が低下していないことが確認された。以上より,本研究で作成された日本語版MAASは,原版と同様の特質を測定しているとともに,マインドフルネスに関するWell-Beingの関連性検討や介入効果検討に資する尺度となると考えられる。
  • 松本 昇, 望月 聡
    原稿種別: 原著
    2015 年 24 巻 1 号 p. 77-87
    発行日: 2015/07/31
    公開日: 2015/08/07
    ジャーナル フリー
    反すうは抑うつ状態の発症や維持を予測する要因であるといわれている。本研究では,反すうの原因分析,理解,制御不能の3つの側面を測定するLeuven Adaptation of the Rumination on Sadness Scale (LARSS)の日本語版を作成した。信頼性と妥当性を検証するために,大学生319名を対象として日本語版LARSS,抑うつ,マインドフルネス,反すうの各尺度を実施した。さらに,59名の大学生を対象としてLARSSを2度実施し,再検査信頼性の検討を行った。日本語版LARSSは原版と同様に,原因分析,理解,制御不能性の3因子構造を示した。これらの3因子はいずれも高い内的一貫性および再検査信頼性を示した。また,先行研究と一致して,LARSSの他の2因子を統制すると,制御不能性反すうのみが抑うつと関連し,マインドフルネススキルと負の関連を示した。これらの結果は日本語版LARSSの信頼性および妥当性を示すものである。
ショートレポート
  • —大学生,人狼ゲーム愛好者,人狼ゲーム舞台役者の比較
    丹野 宏昭, 児玉 健
    原稿種別: ショートレポート
    2015 年 24 巻 1 号 p. 88-90
    発行日: 2015/07/31
    公開日: 2015/08/07
    ジャーナル フリー
    This study examined the relationship between werewolf-game experience and beliefs about lie clues. The participants included 203 undergraduates with no werewolf-game experience, and 42 werewolf-game fans, and 24 werewolf-game stage actors (Jinrou TLPT actors). They were asked to respond to a questionnaire. Two main results were observed. First, there were no significant differences between the three groups regarding their confidence in lie detection. Second, with respect to beliefs regarding the reaction to lying, werewolf-game fans and Jinrou TLPT actors believed that changes were likely to occur in remarks, while undergraduates believed that changes were likely to occur in bodily reactions.
  • —ポジティブな対人認知の影響について
    池田 龍也, 岡本 祐子
    原稿種別: ショートレポート
    2015 年 24 巻 1 号 p. 91-93
    発行日: 2015/07/31
    公開日: 2015/08/07
    ジャーナル フリー
    Undergraduate students (N=172) were classified into a chronic stressor group (n=56) or a temporary stressor group (n=116). Data analysis indicated that the relationship between stress and dissociation was β=.58, and the relationship between sense of acceptance and dissociation was β=-.16, but the interaction was not significant. The results suggest we cannot estimate a resilience factor only using sense of acceptance. Other factors are needed as a reinforcing mediation effect. The relationship between mild stress and dissociation is significant, and should not be ignored in favor of studying only traumatic stress.
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