パーソナリティ研究
Online ISSN : 1349-6174
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25 巻 , 3 号
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エディトリアル
原著
  • 田附 紘平
    2016 年 25 巻 3 号 p. 191-205
    発行日: 2016/03/01
    公開日: 2017/01/07
    ジャーナル フリー

    親子関係はアタッチメント理論の根幹を担っているものの,成人のアタッチメントにおいては,意識的な親イメージは中心課題とされてこなかった。そこで本研究では,アタッチメントスタイルと,親イメージの構成要素とその構造との関連について探索的な検討を行うことを目的とした。283名の調査協力者に対し,20答法を援用した親イメージの把握と日本語版Relationship Questionnaireを実施し,テキストマイニングによる分析を行った。その結果,安定型は社会的で肯定的な親イメージを抱きやすく,軽視型は自分との関係から親イメージを捉えやすいことが明らかになった。とらわれ型とおそれ型は自分との良好な関係を強調した親イメージと否定的な親イメージを同時に抱きやすく,親イメージが類似していることが示された。得られた結果から,各アタッチメントスタイルが抱く親イメージに関して考察を行った。

  • 門田 昌子, 寺崎 正治, 奥富 庸一, 武井 祐子, 竹内 いつ子
    2016 年 25 巻 3 号 p. 206-217
    発行日: 2016/03/01
    公開日: 2017/01/07
    ジャーナル フリー

    本研究では,幼児の各気質特徴と関連する遊びを明らかにし,それらの遊び頻度が養育者の遊びに対する対処可能感を経由して,育児不安と育児満足へ及ぼす影響を検討した。分析の結果,“否定的感情反応”“外向性”“注意の転導性”という気質特徴に関連する遊びとは,“大人との相互作用遊び”であり,この遊びの頻度の高さは,養育者の遊び全般における対処可能感を高め,育児不安を低下させ育児満足を高めていた。これら3つの気質に共通して“大人との相互作用遊び”頻度が重要であると考えられたが,そのメカニズムは異なることが推測された。“神経質”と負の関連を示した“感覚運動遊び”は,子どもの気質特徴には応じていないと考えられるものの,その頻度を高めることによって養育者の遊び全般における対処可能感を経由して,育児満足を高められる可能性が示された。“規則性”“順応性”については,遊び頻度の媒介効果は示されなかった。

  • 上出 寛子, 高嶋 和毅, 新井 健生
    2016 年 25 巻 3 号 p. 218-225
    発行日: 2016/03/01
    公開日: 2017/01/07
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,ロボットに対する擬人化に注目し,擬人化の程度を定量化する日本語版の尺度を作成することである。従来,欧米の研究で用いられている擬人化の程度を測定する二種類の尺度を翻訳して用いた。一つ目は心の帰属を行為の主体性/感覚の経験性の二次元で評価するものであり,もう一つは人間の本質を人間の独自性/人間の本質性の二次元で評価する尺度である。1200人の日本人が,6種類のロボットと2人の人間の写真刺激に対しこれらの尺度で擬人化の程度を評価した。その結果,日本においては,欧米での先行研究と同様の因子が明らかとなると同時に,それらの因子がポジティブな内容の因子とネガティブな内容の因子に分かれることが明らかとなった。日本においては,ロボットの人間らしさについて,ポジティブな側面とネガティブな側面を分けて考える傾向があることが示唆された。尺度の内定信頼性は十分に高いことから,今後の尺度の利用可能性について議論した。

  • ――社会調査データの二次分析から
    解良 優基, 石井 僚, 玉井 颯一
    2016 年 25 巻 3 号 p. 226-239
    発行日: 2016/03/01
    公開日: 2017/01/07
    ジャーナル フリー

    本研究は,Conley (2012) の枠組みを参考に学習接近動機 (i.e., 利用価値) と学習回避動機 (i.e., 学習上の悩み) の2変数による組み合わせのパターンと,学業達成や精神的健康との関連を検討した。中学2年生1,723名を対象とし,ベネッセ教育総合研究所により実施された「第4回学習基本調査・学力実態調査」のデータを用いて二次分析を行った。クラスター分析の結果,利用価値を高く認知し,学習上の悩みを低く認知する高動機づけ群,逆に前者を低く認知し,後者を高く認知する低動機づけ群,そして,両方を高く認知する葛藤認知群の3群に分類されることが示された。また,各クラスターの特徴をみるため,学習への興味や学習行動,テスト成績,および健康指標を従属変数として分散分析を行った。その結果,高動機づけ群が最も得点が高く,その他の2群間には差がみられないというパターンが多くみられた。以上より,学習接近動機のみでなく,学習回避動機についても着目する必要性が示された。

ショートレポート
追悼
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