パーソナリティ研究
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28 巻 , 1 号
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追悼特集
原著
  • 村中 昌紀, 山川 樹, 坂本 真士
    2019 年 28 巻 1 号 p. 7-15
    発行日: 2019/07/01
    公開日: 2019/07/06
    [早期公開] 公開日: 2019/04/15
    ジャーナル フリー

    1990年代以降,日本の精神科医によって従来のメランコリー型のうつ病とは異なる特徴をもつ新しいタイプの抑うつ症候群の存在が報告されている。先行研究では対人過敏傾向,自己優先志向は新しいタイプの抑うつ症候群と関連する認知・行動の様式であることが報告されており,これらの特徴を測定する尺度として対人過敏・自己優先尺度が開発されている。本研究の目的は対人過敏傾向及び自己優先志向が対人ストレスを生起させ,それにより抑うつが発生するという仮説を検討することであった。本研究では大学生を対象とした縦断調査を実施した。調査には計116名の大学生が参加した。パス解析の結果は仮説を支持した。この結果は,対人過敏傾向及び自己優先志向が対人ストレスを媒介とし抑うつに影響することを示唆している。これらの知見は新しいタイプの抑うつ症候群の発生がストレス生成モデルによって説明できることを示している。

  • 橋本 泰央, 小塩 真司
    2019 年 28 巻 1 号 p. 16-27
    発行日: 2019/07/01
    公開日: 2019/07/06
    [早期公開] 公開日: 2019/05/16
    ジャーナル フリー

    本研究では辞書から抽出した対人特性語から円環構造が見出されるかどうかを検討した。大学生719人の回答をもとに主成分分析を行い,第1主成分と第2主成分からなる平面上に対人特性語をプロットすると円環状の配置が得られた。また海外の先行研究同様,支配性と親密性と解釈可能な2つのほぼ直交する軸が見出された。このことから対人特性の円環構造と支配性・親密性の軸の汎文化的特性が示唆された。外向性を表す対人特性語群の配置も先行研究通りであった。一方,協調性を表す対人特性語群の配置は海外での先行研究とは異なり,親密性寄りに配置された。今回円環上に配置された対人特性語群は語彙プールとしての活用が今後期待される。

  • 渡邊 寛
    2019 年 28 巻 1 号 p. 28-41
    発行日: 2019/07/01
    公開日: 2019/07/06
    [早期公開] 公開日: 2019/05/27
    ジャーナル フリー

    本研究では,現代の男子大学生を対象に,以下2点を検討した。第1に,男子大学生が認知する親の男性役割期待の実態を検討した。その結果,男子大学生は,父親の伝統的な男性役割期待をあまり感じず,父母の新しい男性役割期待を強く感じていた。第2に,親の属性(学歴と就労状況)や親の男性役割期待認知が,男子大学生の男性役割態度に与える影響を検討した。その結果,学歴や働き方は父親の影響が強く,男性役割期待は母親の影響が強かった。これらの結果から,男子大学生は,父親の働き方や生き方を手本とする一方で,母親からの期待の影響を直接受けていると示唆された。これらの結果を踏まえて,本研究の意義と今後の課題が議論された。

  • 阿部 望, 岸田 広平, 石川 信一
    2019 年 28 巻 1 号 p. 42-53
    発行日: 2019/07/01
    公開日: 2019/07/06
    [早期公開] 公開日: 2019/05/27
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,子ども用強み注目尺度を作成し,その信頼性と妥当性を検討することであった。小中学生487名を対象に確認的因子分析を行った結果,子ども用強み注目尺度は大学生用の尺度と同様に「自己の強みへの注目」7項目と「他者の強みへの注目」8項目の15項目2因子構造の尺度であることが示された。また,許容範囲の信頼性(内的整合性・再検査信頼性)と一部の妥当性(構造的な側面の証拠,外的な側面の証拠)を有する尺度であることが示された。さらに,性別と発達段階で得点に差が認められ,中学生は小学生よりも自己の強みへの注目が低く,男子は女子よりも他者の強みへの注目が低いことが示された。最後に,既存の概念との弁別や一般化可能性についての本研究の限界と今後の課題が議論された。

  • 賀屋 育子, 横嶋 敬行, 内田 香奈子, 山崎 勝之
    2019 年 28 巻 1 号 p. 54-66
    発行日: 2019/07/01
    公開日: 2019/07/06
    [早期公開] 公開日: 2019/06/12
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,児童用のコンピテンス領域別の他律的セルフ・エスティーム尺度を作成し,その信頼性と妥当性の検討を行うことであった。調査対象者は公立小学校3校の4年生から6年生の児童507名(男子245名,女子262名)と,各クラスの担任教員18名であった。調査は2度行われた(期間:5–6週間)。研究1では,内的整合性と再検査法により信頼性が検討され,高いα係数(α=.90–.94)と級内相関係数(ICC=.72–.82)を確認した。研究2では,担任教員に他律的SEの特徴に当てはまる児童と当てはまらない児童をノミネートしてもらい,各領域の尺度得点を比較した。その結果,3領域ともに,「当てはまる」にノミネートされた児童の方が有意に尺度得点が高かった。また,全体的な他律的SE尺度(賀屋・山口・横嶋・内田・山崎,2018)との相関係数を算出したところ,いずれの領域においても中程度の正の相関がみられた。これらの結果から,本尺度の信頼性,妥当性の一部が確認された。

  • 山本 晃輔, 横光 健吾
    2019 年 28 巻 1 号 p. 67-79
    発行日: 2019/07/01
    公開日: 2019/07/06
    [早期公開] 公開日: 2019/06/12
    ジャーナル フリー

    本研究では,嗜好品を摂取することによって喚起される自伝的記憶の機能を測定する尺度(FAMS)の開発を試みた。研究1では581名を対象に,嗜好品を手がかりとして自伝的記憶の想起を求め,先行研究から収集した自伝的記憶の機能に関する様々な項目に評定させた。因子分析の結果,4因子構造(ネガティブ感情への対処,ノスタルジー,行為の方向づけ,ポジティブ感情の喚起)が確認され,一定の内的整合性が示された。また,SPEQおよびTALEとFAMSとの間に有意な相関係数が示され,一定の妥当性が確認された。研究2では,758名を嗜好品による自伝的記憶の想起を伴った群と想起を伴わない群に分け,FAMSを実施した。その結果,想起有群が想起無群に比べてFAMSの得点が高くなった。

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