A点からB点に物体を落下させるとき,最も短時間で移動させるコースは,サイクロイドである。この中へ落とした物体は,どのような運動をするのであろうか。本実験では,塩化ビニルパイプでサイクロイドのコースを作り,半径や密度の異なる球を各種用意してこの運動を調べた。実験では,物体は単振動し,周期の実測値と理論値はよく一致した。また,球の回転や抵抗力も考慮にいれると,半減期の実測値も理論とよく一致した。本稿では,この実験を高校物理の単振動の演示実験として効果的に適用するために,装置や方法,実施上の留意点についても検討を行った。検討結果は満足のいくものであったので報告することにした。
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