2005年11月19,20日の両日,大阪市中之島の大阪市立科学館で行った世界物理年秋の行事"自然科学の基礎を訪ねる"を,科学者や教員の卵を育てる新しい教育方法と位置づけ,内容と成果を報告する.この企画は中学生から大学生にいたる広い年齢層の学生,生徒が,科学館の豊富な展示物をもとに,自らテーマを見出して勉学・研究を行い,科学館来訪者に解説を行う取組みである.3年前から計画し,2004年8月の"青少年のための科学の祭典大阪大会"で,まず初めての実地を経験した.2005年は8月の科学の祭典に加え,世界物理年でも好評を博した.学生・生徒たちは,この企画に積極的に取り組み自然科学の基礎を理解するばかりでなく,様々の年齢層の人たちに解説を行い,高く評価された.今後もこの企画を,学生・生徒の意欲と,指導する教員,学芸員の熱意とで大阪における自然科学教育の特質の一つとする.
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