ペストロジー
Online ISSN : 2432-1540
Print ISSN : 1880-3415
22 巻, 2 号
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原著
  • 竹市 諒子, 田辺 堅太郎, 田原 雄一郎
    原稿種別: 本文
    2007 年 22 巻 2 号 p. 49-51
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2019/04/10
    ジャーナル フリー
    4種の餌材(有機肥料,マウス固形飼料,ドライイース卜および米ぬか)をアルミカップに入れてシバンムシ類が発生している肥料工場に配置して,次世代の発生数から餌材の選好性を比較検討した.その結果,タバコシバンムシとジンサンシバンムシでは餌の好みに顕著な差が見られた.前者は新しい餌材を好み,後者は比較的古い餌を好んだ.また,有機肥料とマウス飼料について,形状に対する選好性を調べたところ,両種ともに固形状より粉状のものを選好した.
  • 橋本 知幸, 伊藤 靖忠
    原稿種別: 本文
    2007 年 22 巻 2 号 p. 53-59
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2019/04/10
    ジャーナル フリー
    チャバネゴキブリの日周性や薬剤処理面への忌避行動の自動観察のための装置を,レーザー光センサーを用いて構築した.光条件を14L:10Dに設定して,雄成虫を自由に活動させたところ,暗時間帯におけるセンサ一部での通過数は,明時聞に比べて有意に多く(p<0.01),これまでに知られていたゴキブリ類の夜間活動性を確認することができた.この傾向は雌成虫や1齢幼虫でも見られた.また雄成虫を24Dないし24Lの光条件に馴化させた場合,本来の日周性が乱れる傾向が観察された.ディートとペルメトリンをベニヤ板に処理した場合の,処理面上の通過数を観察した結果,ディートでは4 g/m2処理区でほぼ完全に通過忌避が認められたものの,ペルメトリンでは0.8 g/m2処理区で処理1日後に30%以上の平均ノックダウン率が認められたにもかかわらず,対照区との間で通過数に有意差は認められなかった.
  • 小曽根 惠子, 伊藤 真弓, 金山 彰宏
    原稿種別: 本文
    2007 年 22 巻 2 号 p. 61-65
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2019/04/10
    ジャーナル フリー

    粘着式トラップを用いたチャバネゴキブリの生息密度調査を行う通常の設置法が困難な現場の卜ラップ設置法を検討した.

    壁面や器具類の隙聞に立てかけて垂直に設置したトラップのゴキブリ指数は,同一地点に水平に設置したトラップの約50%であった.ゴキブリの活動は床に接する形で垂直設置したトラップ内の全捕獲数の約67%が床面側から5cmの範囲で,78%が10cmの範囲内で捕獲され,床面を中心としたものであることから,トラップは可能な限り,床面に近い位置に設置することが望ましい.しかし,床面からの高さが250cmの壁面に垂直に設置したトラップでも多くの個体が捕獲された.トラップ周辺の潜伏場所,温度等の条件がゴキブリ捕獲に大きな影響を及ぼすことが分かった.また,チャバネゴキブリが多く生息する場所を見つける手がかりには,目視によるローチスポットの確認が重要であった.

事例報告
  • 辻 英明
    原稿種別: 本文
    2007 年 22 巻 2 号 p. 67-71
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2019/04/10
    ジャーナル フリー
    既報のアリーナ内実験では,タバコシバンムシ成虫は夕方から潜伏場所から出て20時過ぎに活動のピークを示し,5月には歩行によって暗い方向に移動する傾向があり,7~8月には明暗差別なく歩行移動し,8月には明るい方向に飛翔移動する個体も多かった.今回,より広い空間で観察する目的で,540mm×360mm×高さ250mmの室内の中央で成虫とシェルターの入った放飼カップを設置開放し,周囲に設置した餌入りの捕獲カップ14個と,水または蜂蜜水を含んだ脱脂綿の入った捕獲カップ14個への侵入状況を調査し,床や壁に残された個体の回収も行った.2006年6月4~5日(実験A)と16~17日(実験B)の各一昼夜の実験の結果,周囲の容器への侵入は,人為的振動の多い放飼カップ設置直後を除けば,夕方から夜間にかけて多くみられた.放飼カップを離れた個体のうち,周囲の捕獲カップに侵入した個体の割合は実験Aで11%,実験Bで29%,捕獲カップ以外で翌朝回収できた個体は実験Aで13%,実験Bで8%,その他は行方不明であった.餌場以外での活動も多いことは既報のアリーナ実験と共通の結果と言える.侵入した捕獲カップの位置にはある程度の方向性があり,散光ガラス窓(南側)に対面する明るい白壁(北側)の方向は少なかった.むしろ散光ガラス窓の下の逆光となる壁側(南側)に侵入が多かった.餌入りカップと水入りカップが同数の実験Aでは,侵入した成虫のうち8%(=1/12)が水入りカップに侵入し,餌カップと蜂蜜水入りカップが同数の実験Bで,20%(=4/20)が蜂蜜水入りカップに侵入した.成虫は幼虫の餌に産卵するためだけでなく,自身の栄養摂取や水分摂取のためにも移動侵入すると言える.
  • 中野 敬一
    原稿種別: 本文
    2007 年 22 巻 2 号 p. 73-76
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2019/04/10
    ジャーナル フリー
    2006年7月から10月に東京都港区において粘着トラップによるゴキブリの捕獲調査を行った.屋外にある自販機の下に粘着トラップを設置した.クロゴキブリとチャバネゴキブリが捕獲されたが,他の種類のゴキブリは捕獲されなかった.10月にはクロゴキブリの大型と小型幼虫が増加した.
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