ペストロジー
Online ISSN : 2432-1540
Print ISSN : 1880-3415
25 巻, 2 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
原著
  • 小曽根 惠子, 伊藤 真弓
    原稿種別: 本文
    2010 年 25 巻 2 号 p. 47-51
    発行日: 2010/10/31
    公開日: 2019/04/10
    ジャーナル フリー
    横浜市内の7公園,2動物園および港湾地区シンボルタワーにおいて,2009年6月9日から10月21日にウエストナイルウイルス検出を目的として捕獲されたアカイエカ群Culex pipiens complexについてPCRを用いた遺伝子による分類法で亜種同定を行った.プライマーには,Ace pip2/BI246s,Ace pall2/BI246sを用いた.その結果,シンボルタワー以外の地点ではアカイエカの割合が高く,一方,シンボルタワーではチカイエカが71.8%と高い割合を占めた.シンボルタワーでは,調査期間を通してチカイエカが捕獲され,捕獲数も多いことから,今後は年間を通した蚊類の捕獲,チカイエカの発生源調査が必要と思われた.また,地域によってアカイエカ,チカイエカの発生比率に大きな違いがみられることから,ウイルス検出に用いる個体についても遺伝子による分類を行うことが重要であると思われた.
  • 平林 公男, 武田 昌昭
    原稿種別: 本文
    2010 年 25 巻 2 号 p. 53-58
    発行日: 2010/10/31
    公開日: 2019/04/10
    ジャーナル フリー
    比較的狭い閉鎖水塊中におけるユスリカ類の新たな物理的防除法を確立するために,さまざまな実験条件(超音波剌激を与える時間と与える超音波の周波数の違い)で超音波剌激を幼虫・蛹・卵塊に与え,その死亡率を検討した.その結果,(1)28 kHzの場合,15秒以上超音波刺激を幼虫に与えると,約90%の死亡率が期待できる,(2)45 kHzの場合,30秒以上で約90%の死亡率が期待できる,(3)100 kHzの場合,どの実験区についても死亡率は低く,防除としては期待できない,(4)100 kHzの実験区においては,蛹は幼虫に比べ,死亡率が高い傾向を示した,(5)剌激時間が5秒の時には,死亡率が100<45<28 kHzの順で高くなったが,10秒以上であれば,100<45=28 kHzの関係で死亡率が高くなり,30秒以上であれば,45,28 kHzでともに90%以上の死亡率が期待できる,(6)卵塊についてはどの実験区においても死亡率が低く,超音波刺激での殺卵効果はほとんど期待できないことなどが明らかとなった.
短報
feedback
Top