横浜市内の7公園,2動物園および港湾地区シンボルタワーにおいて,2009年6月9日から10月21日にウエストナイルウイルス検出を目的として捕獲されたアカイエカ群
Culex pipiens complexについてPCRを用いた遺伝子による分類法で亜種同定を行った.プライマーには,Ace pip2/BI246s,Ace pall2/BI246sを用いた.その結果,シンボルタワー以外の地点ではアカイエカの割合が高く,一方,シンボルタワーではチカイエカが71.8%と高い割合を占めた.シンボルタワーでは,調査期間を通してチカイエカが捕獲され,捕獲数も多いことから,今後は年間を通した蚊類の捕獲,チカイエカの発生源調査が必要と思われた.また,地域によってアカイエカ,チカイエカの発生比率に大きな違いがみられることから,ウイルス検出に用いる個体についても遺伝子による分類を行うことが重要であると思われた.
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