ペストロジー
Online ISSN : 2432-1540
Print ISSN : 1880-3415
29 巻, 1 号
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原著
  • 小松 謙之, 川上 泰, 坂西 梓里, Hong-Kean Ooi, 内田 明彦
    2014 年 29 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2014/05/15
    公開日: 2019/04/10
    ジャーナル フリー

    ゴキブリの生息調査を2007年冬季に,鹿児島県日置市日吉町の南面の山林林床,鹿児島市喜入一倉町の道路脇の湧き水溜まり,喜入前之浜町の南面の山林林床,指宿市小牧の道路脇の空き地に放置されたコンクリート資材下などで行った.

    採集されたゴキブリ類は5種.成虫3匹,幼虫33匹であった.その内訳は,日置市日吉町:キスジゴキブリの中齢幼虫3匹.鹿児島市喜入一倉町:サツマゴキブリの成虫3匹,幼虫9匹.鹿児島市喜入前之浜町:キスジゴキブリの中齢幼虫4匹,サツマツチゴキブリの中齢幼虫6匹.指宿市小牧:ヒメチャバネゴキブリの中齢幼虫5匹,フタホシモリゴキブリの中齢幼虫6匹であった.

    採集された場所の環境は,フタフシモリゴキブリとヒメチャバネゴキブリは,住宅街の中にある,日の当たる空き地に置かれた,建築資材や石の下であった.サツマツチゴキブリとキスジゴキブリは半日陰の低木林林床の落ち葉下であった.サツマゴキブリは日の当たる水溜り中や,その周りの枯れ枝の下であった.

    なお,今回採取されたフタホシモリゴキブリは,台湾,中国福建省に次ぎ世界で3番目の新分布となり,本種の生活環を明らかにした.

  • 山内 健生, 名古屋(小原) 真弓, 渡辺 護, 稲崎 倫子, 滝澤 剛則
    2014 年 29 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 2014/05/15
    公開日: 2019/04/10
    ジャーナル フリー

    2010年5月~2013年1月に,富山県動物管理センターと富山県内19か所の動物病院に持ち込まれたイヌ123頭とネコ77頭の体表からマダニ類とノミ類を採取した.イヌからは,キチマダニ,フタトゲチマダニ,タネガタマダニ,ヤマトマダニ,クリイロコイタマダニ,ミカドケナガノミ,およびネコノミが得られ,ネコからは,タネガタマダニ,ヤマトマダニ,ミカドケナガノミ,およびネコノミが得られた.イヌにおける優占種は,フタトゲチマダニ,ネコノミ,ヤマトマダニであった.ネコにおける優占種は,ネコノミであった.クリイロコイタマダニとミカドケナガノミは,富山県で初めて記録された.これらの外部寄生虫から各種病原体(リケッチア,エーリキア,アナプラズマ等)の遺伝子検出を実施したところ,4種15検体のマダニから紅斑熱群リケッチア遺伝子を検出した.得られたリケッチアはいずれも病原性不明のもので,日本紅斑熱の病原リケッチア(R. japonica)は検出されなかった.

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事例報告
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