ゴキブリの生息調査を2007年冬季に,鹿児島県日置市日吉町の南面の山林林床,鹿児島市喜入一倉町の道路脇の湧き水溜まり,喜入前之浜町の南面の山林林床,指宿市小牧の道路脇の空き地に放置されたコンクリート資材下などで行った.
採集されたゴキブリ類は5種.成虫3匹,幼虫33匹であった.その内訳は,日置市日吉町:キスジゴキブリの中齢幼虫3匹.鹿児島市喜入一倉町:サツマゴキブリの成虫3匹,幼虫9匹.鹿児島市喜入前之浜町:キスジゴキブリの中齢幼虫4匹,サツマツチゴキブリの中齢幼虫6匹.指宿市小牧:ヒメチャバネゴキブリの中齢幼虫5匹,フタホシモリゴキブリの中齢幼虫6匹であった.
採集された場所の環境は,フタフシモリゴキブリとヒメチャバネゴキブリは,住宅街の中にある,日の当たる空き地に置かれた,建築資材や石の下であった.サツマツチゴキブリとキスジゴキブリは半日陰の低木林林床の落ち葉下であった.サツマゴキブリは日の当たる水溜り中や,その周りの枯れ枝の下であった.
なお,今回採取されたフタホシモリゴキブリは,台湾,中国福建省に次ぎ世界で3番目の新分布となり,本種の生活環を明らかにした.
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