ペストロジー学会誌
Online ISSN : 2432-1532
Print ISSN : 0916-7382
17 巻, 2 号
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原著
  • 坂下 琢治
    原稿種別: 本文
    2002 年 17 巻 2 号 p. 69-79
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー

    屋外におけるゴキブリ類の捕獲調査を1都1道1府17県で,2000年5月上旬から5月中旬,7月下旬から8月上旬,および10月中旬から10月下旬に実施した.

    (1) 捕獲されたゴキブリ類は,クロゴキブリ,ヤマトゴキブリ,モリチャバネゴキブリ,ワモンゴキブリ,コワモンゴキブリ,ウスヒラタゴキブリおよびサツマゴキブリの7種であった.

    (2) クロゴキブリの捕獲は,本州(ただし福島県以南),四国および九州でみられた.

    (3) ヤマトゴキブリの捕獲は,宮城県,秋田県,福島県および富山県でみられた.

    (4) 沖縄県では,ワモンゴキブリとコワモンゴキブリが多く捕獲された.

    (5) 全国的に7月下旬から8月上旬の夏場に多く捕獲される傾向がみられた.

  • 金山 彰宏, 小曽根 惠子
    原稿種別: 本文
    2002 年 17 巻 2 号 p. 81-85
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー
    越冬から目覚めたコガタスズメバチの女王を用いて,古い巣盤への産卵誘引とコロニー形成に向けての室内飼育を行った.その結果,女王蜂による古い巣盤への産卵が確認された.約2ヶ月の室内飼育後,屋外に移設した巣は,その後,自然環境の巣と変わらぬコロニーを形成した.屋外に移設後,ビデオカメラを用いて,働き蜂の日周活動を観察した.帰巣働き蜂による餌の持ち帰り状況から,一コロニーにおける捕獲昆虫類の個体数を計算すると,年間約20,000個体と推計された.
短報
  • 小曽根 惠子, 金山 彰宏
    原稿種別: 本文
    2002 年 17 巻 2 号 p. 87-92
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー

    横浜市衛生研究所医動物室において1993年度から2001年度に行なった食品中異物検査についてまとめた.

    1.最も多く混入がみられたのは,昆虫類で全件数(264件)の83.7%(221件)であった.

    2.昆虫類の混入は,ハエ目(31.7%),チョウ目(24.4%),コウチュウ目(16.3%),ゴキブリ目(11.3%)の順であった.

    3.ハエ目ではクロバエ科,チョウ目ではメイガ科(特にノシメマダラメイガ),コウチュウ目では,ゴミムシダマシ科,ゴキブリ目ではチャバネゴキブリの混入が多かった.

    4.2000年度にみられた異物の混入経路を推定したが,75.9%は不明であり,経路推定の難しさが改めて示唆された.

  • 河村 由紀子, 池谷 実紀, 宮本 典子, 渡辺 信子, 田原 雄一郎
    原稿種別: 本文
    2002 年 17 巻 2 号 p. 93-96
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー
    食品を中心とした18種類の有機物粉末10gを入れたアルミカップをジンサンシバンムシおよびタバコシバンムシが多く生息している有機肥料工場に放置してそれぞれのサンプルに対する選好性を調べた.ジンサンシバンムシは乾燥酵母,マウス用固形飼料など10種類を選択し,タバコシバンムシは有機肥料,漢方薬(タクシャ)など13種類を選択した.両種は乾燥酵母,マウス用固形飼料などの9種類を選択したが,高野豆腐,七味唐辛子,ドッグフード,殺鼠剤を選択しなかった.
  • 谷川 力, 大町 俊司, 菅野 幸子, 川上 泰, 内田 明彦
    原稿種別: 本文
    2002 年 17 巻 2 号 p. 97-99
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー

    ビタミンK類はワルファリンに対して拮抗作用を示す.今回,ワルファリン感受性クマネズミに対し,ビタミンK1を添加したワルファリン毒餌を摂取させた時のビタミンKの影響について検討した.その結果,ビタミンK添加量が1.25mgおよび2.5mg群ではすべての個体が短期間で死亡した.また,3.75mgおよび5mg群では,それぞれの群で半数の個体が死亡した.さらに,10mg以上の各群では30日間毒餌を摂取し続けても死亡する個体はなかった.したがって,ワルファリン感受性クマネズミは,ワルファリン0.025%毒餌にビタミンK添加量が10mg以上混合されていると中毒死に至らないことが明らかとなった.

    一方,10mgおよび20mg群で生存した個体に対して,無毒餌を30日間与えた後,再びビタミンK無添加のワルファリン0.025%毒餌を与えたところ,それらの個体はすべて死亡した.

事例報告
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