ペストロジー学会誌
Online ISSN : 2432-1532
Print ISSN : 0916-7382
19 巻, 1 号
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原著
  • 田中 伸久, 小林 貞, 田中 英文, 佐々 学, 萱原 伊智郎, 山口 安宣, 林 治稔, 小澤 邦寿
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー
    群馬県内において,ユスリカ幼虫が上水道給水栓から発見される苦情事例が発生した.ユスリカは,ヨシムラツヤユスリカおよびハモンユスリカ属の幼虫であり,これらは浄水場内でも確認されたことから,浄水場内のユスリカ幼虫が給水栓に達したものと推測された.また,前塩素濃度を上げる,凝集剤 (PAC) を多めに入れる,濾過機の逆洗回数を増やす,清掃を行うなどの積極的かつ厳重な管理によって,このような事例は防ぎうることが示唆された.
  • 辻 英明, 菅野 格朗, 片山 淳一郎
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 7-15
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー

    独立家屋1階で行った前報の実験において,屋外から侵入した昆虫の頻度データを,改めて整理して示した.すなわち,2002年6~7月,A室排気換気扇の稼働の影響で陰圧化されたB室内への屋外からの侵入昆虫は,チョウバエ,タマバエ,ユスリカ,クロバネキノコバエ,ガガンボの順で侵入が多く,ヨコバイ,小型ガ (屋外性) がそれに続いて多かった.

    さらに2003年7~8月,B室内にいったん侵入した昆虫を同室内の粘着ライトトラップで捕獲する試みを行ったところ (このときはA室換気扇を連続的に稼働),設置したトラップ (UV光源使用) に短時間内に飛来到達し捕獲される種類と,そうではなく,壁面や床面に静止したり,壁面付近や光源付近で飛翔を続ける傾向の強い種類とが認められた.ノミバエ,ヨコバイ,小型カメムシ,小型ハネカクシなどはトラップに捕獲されやすく,オオチョウバエ,セスジユスリカ,ガガンボ,コナジラミなどは捕獲されにくい結果が得られた.チョウバエやユスリカの中でも種差があり,相対的に見ると小型チョウバエ,小型ユスリカは前者の傾向,オオチョウバエやセスジユスリカは後者の傾向を示した.成虫の防虫対策として粘着ライトトラップの利用が有意義であるが,やはり室内への侵入防止策や室内での発生防止策が第一義的に重要であると言えよう.

    2002年8~9月に,A室で換気扇を稼働させず光源や明るさへの直接反応のみによるとみられる飛来侵入を,粘着ライトトラップを用いて短時間間隔で調査すると,多数個体が集中的に捕獲される種類は,たとえばハヤトビバエ,ヌカカ,小型ユスリカ,アリ (有翅ヒメアリ,その他) などと日により異なった.集中的に捕獲されるこれらの昆虫は,光への反応がより積極的で,光源に直行,衝突落下する傾向が強かった.またその時点において付近での発生量が多いか,飛翔力の強い種類であると推測される.

短報
事例報告
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