ペストロジー学会誌
Online ISSN : 2432-1532
Print ISSN : 0916-7382
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原著
  • 平林 公男, 松澤 みちよ, 山本 優, 谷崎 樹生, 渡真利 光俊, 座喜美 七郎, 中本 信忠
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 2 号 p. 77-88
    発行日: 2004/09/15
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー

    気候区の異なる地域にある浄水場の緩速ろ過池周辺のユスリカ成虫相について調査した。一つは日本最南端の沖縄県先島諸島(亜熱帯性気候区)にある袖山浄水場と石垣浄水場である.

    他方は山岳地の内陸性気候区にある長野県染屋浄水場である.調査の結果,染屋浄水場では Polyρedilum nubiferCricotopus trifasciatus が優占種となっていた.一方,石垣浄水場では Hanochironomus tumerestylus が優占種であり,次いで染屋浄水場でも多かった P. nubifer であった.さらに,袖山浄水場ではCryptochironomus javaePolypedilum nodosum が優占種となっていた.3浄水場で共通して捕獲された種は,P. nubifer, Cricotopus bicinctus, Ablabesmyia moniliformis の3種であった.以上のように,同一浄水場であっても季節によりユスリカ成虫相は大きく異なっており,また,同一時期であっても気候区の異なる地域に存在する浄水場間では,ユスリカ成虫相が大きく異なっていることが明らかとなった.これはろ過池を取り巻く環境要因(特に水温)が大きく異なること,また,浄水場原水が異なることなどが大きく影響しているものと推測された.

  • 谷川 力, 大町 俊司, 足立 行男
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 2 号 p. 89-93
    発行日: 2004/09/15
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー

    ワルファリン抵抗性と感受性クマネズミおよび新宿野生クマネズミに対してクマテトラリル0.025%および0.0375%毒餌を与えクマテトラリルの効力を比較検討した.

    ワルファリン抵抗性クマネズミに対してクマテトラリル0.025%と0.0375%毒餌をそれぞれ与えたところ,両濃度間では死亡率と毒餌摂食量において大きな差が認められ,クマテトラリルの濃度が0.025%よりは0.0375%の方がワルファリン抵抗性クマネズミに対しでも有効であることが明らかとなった.さらに,同濃度では,ワルファリンよりクマテトラリルの方がより効果的であることが明らかとなった.

    一方,ワルファリン感受性クマネズミに対し,毒餌0.025%と0.0375%では死亡率と毒餌摂食量において大きな差が認められなかった.すなわち,ワルファリン感受性クマネズミに対しては,低濃度でも有効であることが明らかとなった.また,新宿個体群に対して,クマテトラリル0.025%を与えたところ,抵抗性クマネズミの0.025%群と同じような致死日数と毒餌摂食量であり,10年以上経過した今日でもワルファリンに対し高い抵抗性を維持していることが明らかとなった.

  • 稲岡 徹, 宮田 弘樹
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 2 号 p. 95-101
    発行日: 2004/09/15
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー

    工場敷地内の外灯の照明光源を水銀灯から高圧ナトリウム灯に変換したときの飛来昆虫数に与える影響を調べた.

    1.実験に用いた高圧ナトリウム灯の紫外線放射量は水銀灯の約1/60,水銀灯から高圧ナトリウム灯への変換によって外灯への誘虫性は約1/2に低下した.

    2.外灯に近い施設周辺では,外灯照明の誘引作用により,建物との距離に応じて昆虫の密度が高まり,そのため施設内への昆虫の侵入数は,照明のない場合に比べ増加していると思われる.

    3.外灯の光源を水銀灯からナトリウム灯に変換すると,その周辺の施設内への昆虫の侵入数も減少するが,減少率は外灯自体への飛来数ほど顕著ではなく,20%前後であった.

    4.外灯間の距離が28-45mという実験条件では,各外灯は独立して昆虫を誘引し,水銀灯とナトリウム灯を同時に点灯した場合にも,各外灯間の相互影響は認められなかった.

    5.水銀灯から高圧ナトリウム灯への変換によって,鱗翅日・膜翅目・半翅目・鞘翅目では飛来数は約70%減少したのに対し,双翅目のユスリカ類やコバエ類では30-40%の減少率であった.

  • 小曽根 惠子, 金山 彰宏, 神奈川県ペストコントロール協会
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 2 号 p. 103-108
    発行日: 2004/09/15
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー

    横浜市内20地点において,2003年7月15日から11月25日まで,週1回蚊成虫捕獲調査を行った.捕獲された蚊は7属12種,2,242個体であった.

    最も多かったのはアカイエカ群1,538個体で,全体の68.6%,次いでヒトスジシマカ544個体(24.3%)であり,この2種で全体の約93%を占めた.以下,コガタアカイエカ56個体(2.5%),ヤマトヤブカ47個体(2.1%)であった.

    アカイエカ群,ヒトスジシマカはすべての調査地点で捕獲された.コガタアカイエカは7月中旬から9月上旬に捕獲され,そのほとんどが本牧ふ頭(中区)で捕獲された.ヤマトヤブカは期間を通じて捕獲されたが,捕獲地点はごく限られていた.

  • 岡田 祐一, 伊藤 景子, 鳥居 由美, 今村 太郎, 宮ノ下 明大
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 2 号 p. 109-115
    発行日: 2004/09/15
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー
    七味唐辛子とその原料7種類 (赤唐辛子,黒ごま,ちんぴ,山椒,麻の実,けしの実,青のり) におけるノシメマダラメイガの発育 (1齢幼虫から成虫) を調べた.その結果,麻の実,黒ごま,けしの実,ちんぴでは成虫まで発育が見られ,赤唐辛子,青のり,山椒では全く発育しなかった.これまで本種が七味唐辛子のどの原料を食物としているかは不明であったが,主成分の赤唐辛子では発育せず,黒ごまや麻の実といった種子系原料を利用することが確認された.米糠で発育を見た場合,平均して約40日 (37~54.5日) で羽化しているが,七味唐辛子の原料では,米糠に比べて大部分の個体は2~3週ほど羽化が遅れ,最長では70日以上遅れた個体があった (51~111日).また,羽化率も明らかに低かった.
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