1.物理教育とは?
教育とは “教え育てること” であるから,物理教育とは物理を教え育てることである.
本誌の創刊号で日本物理学会の伊達宗行会長 (当時) は,日本の教育は教え育てるであるのに
1.はじめに
我々はふだん,メートルや秒などの単位を当たり前のように使っているが,単位についての認識は人によって微妙に違うのではないか.
単位は合意によって決められてきた.現在広く
本稿のテーマは,アセスメントテストの正解率劣化である.これは講義前のテスト (以後Pre-test) で正解答を出した学生が,同じ問いに対して講義後のテスト (以後Post-test) では誤解答を
1954年から数年間,東京都物理科学生懇談会 (都物懇) という組織があった.私は,1954年に東京大学理科I類に入学したが,都物懇を知ったのは1956年に物理学科に進学したのちである.
筆者は,2004年に,理工系大学で1年生が履修する物理実験について,意見を述べた1).要旨をまとめると次のようになる.なお,このような学科目を (基礎) 物理実験と呼ぶことにする.
編集委員の方に,私が日本物理学会領域13の物理教育分野で2012年春から連続している「複合領域新作教材を目指して」という副題をつけた教材研究についての原著講演1)が目に留まったよ
日本大学は,短期大学部まで含めると18学部を有する巨大な学校法人であり,学生数はおよそ7万人で全国第1位の規模を有している.その中でも文理学部は,人文系,社会系,理学系の3学
米国では,1990年代から,一方向の情報伝達型の講義に替わるものとして,アクティブラーニングを基本とする授業改善が大学教育の中に広まった.日本では,アクティブラーニングという
本書の副題は「Overleafで手軽に文書作成」である.OverleafはWEBベースのLaTeX入力システムである.LaTeXはワードのようなWYSIWYG (入力したままが印刷される) ワードプロ
マリー・キュリーは放射性元素ラジウムやポロニウムを発見し,キュリー療法という癌の放射線治療,放射性元素の研究に力を注いだ.夫ピエールの死後に娘の教育「キュリー夫人の理科教室」を催した.平和と子どもを愛し,研究を継続して
『大学の物理教育』誌が,創刊から25年周年を迎えるとのこと,早いものである.創刊当時は1991年の大学設置基準の大綱化による大学教育の大改革時代であった.具体的には,大衆化した大学にあって,これまでの教養教育課程の廃止が
今から約百年前の大正8 (1919) 年に「理科児童実験」が奨励された.「大正新教育」と呼ばれる時代で,「教師中心」から「児童中心」へ授業法の転換が提唱された.
第一次世界大戦の勃発に伴い,理化学の振興が
1994年12月5日に第1号が創刊された『大学の物理教育』誌は今年創刊満25周年を迎えました.私は2003年末の定年退職まで40年余を物理学会事務局職員として勤務し,先生方から多くの教えと思い出を頂いたことを感謝しています.
世界計量記念日でもある2019年5月20日を国際度量衡委員会は新しいSIの施行日とした.遡ること約100年前に物理学は量子論と相対論の登場により新時代を迎えた.自然に対する理解はこのときより一変し,以降,自然界のあらゆる事象
大学の学部や大学院の講義,実験において,高校の物理教科書を使って次のようなことを調べるように学生に課題を出している.「ゲージ粒子をどのように記述しているかを調べ,それぞれの粒子の特徴を説明しなさい」「ボーアの原子模型に
高等学校相当で,各国の生徒とコンタクトしながらサイエンスの研究生活を送る学校が,日本でスタートしている.約半年間の試行的研究生活を選考期間とし,研究過程や成果で選考する.
米国の公立学校High-Tech Highでは,小学校
民間企業から大学へ転職し,しばらくして『大学の物理教育』の編集委員を務める機会を得た.編集とは創造された作品に対峙して2次的な創造を行い,価値を付与することという内容が書かれていたのは,外山滋比古の『エディターシップ』
本誌に記事を投稿したことがきっかけで知り合いの編集委員に推していただき,2011年から2016年まで編集委員を務めた.長期間務めるベテラン委員も多い中,比較的短い期間の任務だったが,自己流で物理教育をしていた私にとって,
開催情報/寄贈書リスト
『大学の物理教育』総目次(vol.25)
編集後記
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