新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は,感染を防ぐための都市内におけるソーシャル・ディスタンスの確保やテレワークの推奨などを促し,その結果として住宅や商業施設,オフィスへの需要が変化する可能性がある。そして,この変化は住宅地や商業地の地価に反映されると考えられる。
そこで,COVID-19の人口当たり感染者数や死亡者数の違いが,住宅地や商業地に対する選好の変化を通して地価にどのような影響を与えたかについて,地価公示のパネルデータをもとに,感染者数等の内生性を踏まえた操作変数を用いた固定効果分析を行った。
分析の結果,①COVID-19の人口当たり感染者数や死亡者数が多い地点ほど流行後の地価の下落度合は大きい,②容積率が高く土地利用が高度化している地点ほど感染による地価の下落度合は大きいことが明らかとなった。
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