哲学
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1952 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 山本 清幸
    1952 年 1952 巻 2 号 p. 1-13
    発行日: 1952/12/01
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    「無からの創造(Creatio ex nihilo)」ということは概念的には単に「創造」ということと同義的に、創造が《ex nihilo》であることは自明的でなければならない。創造であるかぎりそれは《creatio absque omni prae ex istente potentia》-すなわち既に前もつて存在しているような、そして創造者の意志によらずに最初から措定されてしまつているような勢位が何一つないところの創造-でなければならない。創造を前提しそれに中心を置いて考えるかぎりこのことについて異論を挑む余地は全くありえない。けれどもこのように創造が無からでなければならない、そうでなくては創造とは言えないということが概念的に少しの疑いもない程自明的であるにしても、それでもつて直ぐ無からいかにして創造が行われるのか、その必然性というものが明らかになるとはいえない。すなわち概念的にいつて創造はなるほど無からでなければならないが、創造を前提しないでその根柢や可能性を問うのであるとすれば、無からいかにして創造がなされうるのか、「創造」の字義通り何らの前提なくしてつくるということの必然性の問題はさほど理解容易であるとはいえない。第一に《nihilum》が、従つてまた《ex nihilo》ということが極めて多義的でそこに多くの問題が伏在しているし、またそれに応じて第二に無から創造する意志というものも決して単一なものとは解されないからである。いかにして創造がなされたかというその必然性を問うのはいわば創造の原因を尋ねることである。従つてこの問いは当然第二の創造する意志に連らなつており、第一のニヒルムの問題もむしろこの創造の意志やその原因の問題に随伴した問題と見ることができる。しかしここでは特に《nihilum》,《ex nihilo》という側面からだけこの問題を取扱つてみようとおもう。
    創造の原因についてはプラトン(ピレーボス)に関連して「創造の原因、第四のもの」の題名で『哲学研究』(昭和廿七年十月)に掲載したので参照されたい。
  • 青木 茂
    1952 年 1952 巻 2 号 p. 14-26
    発行日: 1952/12/01
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
  • 本多 修郎
    1952 年 1952 巻 2 号 p. 27-37
    発行日: 1952/12/01
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    ヘーゲルは、その就職論文であつた『惑星の軌道についての哲学的論稿』(Dissertatio Philosophica de Orbitis planetarum,1801) において、はじめて自然哲学者として立現われた。この中で彼は、ニュートンの重力論を非難しケプラーの三法則を賞揚しながら、大胆に天体力学についての思弁を展開している。ヘーゲルの自然哲学は、実証的な自然研究者の業績との食い違いによつて彼の思弁哲学の缺陷を暴露し、彼の体系の弱点となつたものであるが、この宿命はすでにこの就職論文に胚胎していた。しがしながらこの論文にはじまるニュートンの数学的方法に対する批判が、彼の弁証法論理の形成にとつて深い意味を持つていたことは興味がある。本論稿は、この就職論文を最初として展開されていつたヘーゲルの天体論の結末と意義とを考察しようとするものである。
  • 1952 年 1952 巻 2 号 p. 38-40
    発行日: 1952/12/01
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
  • 新しい社會科學論の課題
    宮島 肇
    1952 年 1952 巻 2 号 p. 41-53
    発行日: 1952/12/01
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
  • 科學の客觀性と黨派性について
    大井 正
    1952 年 1952 巻 2 号 p. 54-64
    発行日: 1952/12/01
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
  • 務台 理作
    1952 年 1952 巻 2 号 p. Preface1
    発行日: 1952/12/01
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
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